納入業者に商品を買わせたり、不当に商品を返品したりして、取引先への優越的な地位を乱用した疑いが強まったとして、公正取引委員会は、総合スーパー「山陽マルナカ」(岡山市南区)の関係先二十数カ所を、独占禁止法違反(不公正な取引方法)の疑いで立ち入り検査した。
今年1月の独禁法改正で、優越的地位の乱用にあたる行為が、課徴金の適用対象になったことを受け、公取委は、同社への課徴金納付命令も視野に調査を進めるとみられる。
関係者によると、同社は2〜3年ほど前から、新しい店舗の開店作業や店の改装作業に、納入業者の従業員を無償で派遣させたり、自社の商品を納入業者らに買わせたりした疑いが持たれている。また、業者が納入した商品の代金を不当に減額したり、返品したりした疑いもあるという。
山陽マルナカは、高松市のスーパー「マルナカ」のグループ企業で、岡山、広島、兵庫各県や大阪府で食品スーパーなど71店舗を展開している。同社は「調査を受けているのは事実で、全面的に協力する」としている。(小島寛明)