あの事件と…東国原、記者にブチ切れ「ケンカ売っているのか」

2010.05.19


会見でブチ切れる東国原知事=18日、宮崎県庁【拡大】

 宮崎県の東国原英夫知事(52)がブチ切れた。感染拡大が止まらない口蹄疫への対応をめぐり、報道陣から知事としての判断を迫られ、「我々は一生懸命やっているんです。毎日寝ずに」「ケンカを売ってるのか!」などと声を荒らげたのだ。このセリフ、10年前の雪印集団食中毒事件で、当時の社長が言い放った言葉とソックリ。その後、雪印ブランドは地に墜ちたが、果たして、宮崎ブランドは大丈夫なのか。

 「このままでは県の畜産が壊滅する」

 東国原英夫知事は18日の記者会見で、非常事態宣言を発した。宣言は「懸命の防疫措置を講じてきたが、拡大が止まらない」として、消毒を徹底することや県民に対し不要不急の外出を控えることを記していた。

 だが、記者から「殺処分か」「ワクチン接種か」などと今後の防疫体制について聞かれても、知事は「検討します」を繰り返すばかり。「知事の判断ではないか?」と詰められると、ヒートアップした知事は冒頭のセリフを吐き、机をガーンと叩いたのだ。

 この「寝ずに」のセリフで思いだされるのは、2000年の夏、雪印乳業の乳製品を原因として、1万5000人近くの被害者が発生した雪印集団食中毒事件。当時の社長は、記者団に「私は寝ていないんだよ!」とブチ切れ、その後、グループ解体・再編に追い込まれた。

 今回のブチ切れは、宮崎、東国原ブランドにどう影響しそうか。

 作家の麻生千晶氏は「そもそも、昨年の総選挙前に東国原知事が『自分を自民党総裁にせよ』と言った時点で、国民の多くは『こいつは勘違い男だ』と思ったのでは」といい、こう続ける。

 「東国原知事は就任直後、過去の挫折をわきまえて腰が低かった。県の名産品を一生懸命PRして印象も良かった。だが、県知事という権力を持ち続け、次第に傲慢な人間性が出てきたように思えます。大変なのは分かるが、今回の言葉遣いは上から目線で『公僕』という意識を忘れている。知事があのような姿勢では、一消費者として『宮崎ブランドを買おう』という意識にはならないでしょう」

 宮崎県はこの危機をどう乗り切るのか。

 

注目サイト