口蹄疫(こうていえき)のウイルス殺傷に効果がある消毒薬が品薄になっている。今回の騒動をきっかけに、自治体や農協などから注文が殺到。政府が消毒ポイントを増やす方針を打ち出したことでさらに注文が増えるとみられ、薬品メーカーも薬の確保に必死だ。
農水省によると、殺傷性の高い市販の消毒薬は、液体や粉末など約10種類ある。ファイザーでは4月20日以降、英国から輸入している消毒薬の注文が通常の10倍に増え、5月上旬から欠品状態が続いている。薬の成分の関係で空輸が禁じられ、船便で輸入しなければならないため、調達までに時間がかかる。
国内生産している共立製薬も5月は18日までの受注量が通常の15倍に達し、在庫が急減。増産に努めている。
バイエル薬品では、4月20日の1日だけで、年間販売量の3分の1にあたる約50トンの受注があった。こちらの薬品は空輸の禁止対象ではないため、5月に入り航空機で数回に分けて緊急輸入した。