4月20日、タスクフォースの委員が通信各社の首脳を呼んで意見を聞いた会合でのことだ。原口氏はイー・アクセス首脳の説明の前に姿を現した。続いて孫氏が説明。NTTの分離を求める孫氏の主張に熱心に耳を傾けた後、原口氏は会場を去った。KDDIやNTT社長の意見は聞かずじまいだった。翌日、原口氏は簡易投稿サイトのツイッターで孫氏に「情熱のほとばしるお話でした」と書き送った。
原口氏は「後で(会合での)ほかの事業者の議事録にも目を通した」と説明するが、この一件を境に、NTT再編に前向きだったある委員は「公平な議論が尽くされないと、将来に禍根を残す」として、結論見送りに傾いた。
孫社長は17日、総務省で記者団に「1年は長すぎる。あと半年で結論を出すべきだ」と述べた。その翌日の原口氏の発言。ある委員は「我々が何を議論しても、結論は決まっているようだ」と漏らす。(和気真也)