著作権法の勉強法----(2)
著作権法を勉強するにあたって何度も通読すべき教科書には、分厚すぎず、とはいえ何が論点となっているのか(そして、その論点について判例はどのような見解をとっているのか)がきちんと論じられているものを選ぶべきです。そのような観点から考えると、下記のもののうちいずれかを選ぶとよいでしょう。
- 斉藤博「著作権法(第2版)」(有斐閣・平15)
- 田村善之「著作権法概説(第2版)」(有斐閣・平13)
- 三山裕三「著作権法詳説—判例で読む16章」(レクシスネクシス・平16)
- 半田正夫「著作権法概説(第12版)」(法学書院・平17)
民法や刑法などの普通の基本書になれている学生さんには田村・概説が読みやすいのではないかと思います。他の基本書と同様に、判例・裁判例や各学説を至る所にちりばめています。判例中心に勉強を進めていきたい方々には、三山・詳説が良さそうです。斉藤・著作権法や半田・概説は、分量的にバランスがとれているといえます。
もっとも一つの基本書だけでは理解が深められなかったり、そもそも掲載されていない論点があったりということがあるので、参考書もあると助かります。全般系参考書としては次のようなものが参照に値します。
- 金井重彦=小倉秀夫編「著作権法コンメンタール(上)(下)」(東京布井出版)
- 加戸守行「著作権法逐条講義(四訂新版)」(著作権情報センター)
- 作花文雄「詳解著作権法(第三版)」(ぎょうせい)
加戸・逐条講義は、著作権法の起草を担当した文化庁の役人が連綿と執筆しているので、立法者意思を知る上で、実務上は欠かせない文献です。ただし、判例学説等がほとんど掲載されていないため、これ一冊ではどうにもならないことも確かです。
その点、上記コンメンタール、作花・詳解は、判例・学説の網羅性という意味では甲乙付けがたいといえます。あとは、あくまで教科書スタイルがよいのか、逐条形式がよいのかという好みの問題です。
Posted by H_Ogura at 06:53 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | Permalink
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