宮崎県内で被害が拡大している口蹄疫(こうていえき)の問題が深刻になっています。宮崎県は、宮崎牛の子牛を三重県や長野県などに出荷し、そこで育った牛が松阪牛や信州牛などブランド牛となるケースがあります。被害が広がると、このようなブランド牛の生産業者にも影響が出る可能性もあります。東国原知事は「非常事態」を宣言し、一般車両も消毒することを明らかにしました。
宮崎県・東国原知事:「口蹄疫に関する非常事態宣言の発令であります」「(Q.全頭殺処分は知事はどう思うか)話をしています、検討しています。法的には知事ですよ。国の協力がなかったら、全頭処分がいくらかかるか知っているんですか」
「非常事態宣言」は法律に基づいた対応ではありませんが、地域によってはイベントなどの自粛を求めています。畜産関係者だけでなく、一般市民を挙げて感染拡大を防ぐことが狙いです。県の対策本部は、川南町についてすべての車両を徹底消毒するよう指示しました。
一方、農林水産省はワクチンの使用について検討します。ただ、ワクチンは口蹄疫ウイルスの拡散防止につながる半面、摂取した牛や豚は最終的に殺処分につながることから、慎重に検討される見通しです。口蹄疫被害はさらに拡大し、新たに感染が疑われる牛と豚30頭が確認され、処分対象は11万4000頭に上りました。
映像提供:宮崎県