普天間基地移設問題

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桟橋方式での辺野古移転と部隊の一部を徳之島に移転すること等で調整。首相が明言した5月末決着は事実上断念。[関連情報]

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読売新聞

結局、辺野古「埋め立て」へ…普天間移設

 米軍普天間飛行場移設問題で、政府は、沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部に建設する代替施設の工法を「埋め立て方式」に戻す方向で最終調整に入り、米政府側に伝えた。(読売新聞)
[記事全文]

◇米側要求は「現行アセス範囲内」
修正、現行アセス範囲内で=米側が要求―普天間移設 - 時事通信(5月18日)

・ [用語]普天間移設のアセスメント - 東奥日報
普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価準備書 - 防衛省・自衛隊

◇移設案の変遷
移設経緯(1)<辺野古>使用期限15年消滅 V字滑走路に規模拡大 | (2)<県内>「既に基地あるから」 “苦渋歴史”背景に負担集中 | (3)<県外>他県も実際に検討 政治状況が許さず - 琉球新報(2009年10月25日)
普天間移設案の変遷 - 産経新聞(5月10日)
普天間基地移転先を巡る議論 | キャンプ・シュワブ沿岸部以外の移設候補 - 関連情報エリア
▽政府最終案
普天間移設政府案、現行計画地に杭打ち桟橋 - 読売新聞(4月30日)
「普天間」政府案難点だらけ「沖縄の負担変わらず」 - 最終案の主な問題点。読売新聞(5月14日)

◇政府・与党の今後の対応は?
・ [動画ニュース]日米外相会談は21日 岡田外相が正式発表 - 日本テレビ(5月18日)
<普天間>対処方針巡り、政府・与党内での綱引きが激化 - 毎日新聞(5月18日)
普天間 鳩山首相 23日に沖縄県再訪問で調整へ - 毎日新聞(5月19日)

※ここより下は、メディア関係者と読者が作るガイドコンテンツです。   表示方法: 標準全部

普天間基地移転先を巡る議論

普天間基地移設の見直しで代替案が続出している。
提案者内容
現行計画沖縄県名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部に2本の滑走路を建設。(自公政権で日米、沖縄合意の上、決定)民主党政権で徳之島に訓練基地建設
国民新党案沖縄県の嘉手納基地に統合。または名護市のキャンプ・シュワブ陸上部への移設。
国民新党の移設案要旨。「県外移設」にはこだわらない
社民党案アメリカ領グアム、サイパン、北マリアナ諸島テニアン、九州など。
社民党の移設案要旨。「県外移設」を譲らない構え
沖縄世論1月24日、名護市長選挙で移設受け入れに反対する候補が当選。
2月24日、沖縄県議会本会議で県内移設に反対、国外・県外移設を求める意見書を全会一致で可決
時事通信|All About 「普天間基地移設の見直しで代替案が続々

キャンプ・シュワブ沿岸部以外の移設候補

場所 提案者現地や関係者の反応など検討可否
(過去の日米協議の有無)
米の代案受け入れ3条件への可否
サイパン、テニアンなどテニアン市長/社民党北マリアナ諸島議会「誘致決議」/岡田外相、中国の具体名を挙げて海兵隊駐留に固執検討可
検討済みの場合「検討不可」

米側、代案に関する条件を、(1)受け入れる地元側の同意 (2)連立政権内の合意 (3)海兵隊の(空地)一体運用の確保。に決定
北九州など県外(空地一体)社民党「県外」協議 本格化を 米外交問題評議会/関東平野など米太平洋軍としては異存はない/基地勘弁が本土の本音大半の案が検討不可未確認
10年暫定九州移設(空地一体)玉城氏(民主党)基地勘弁が本土の本音未確認未確認
徳之島移設
(日本側は地上部隊を沖縄に残し、訓練など機能分散を検討方針
首相徳之島3町長、農業や観光振興を妨げるとして今後交渉に応じない姿勢/地上部隊を沖縄に残すのであれば一体的運用が不可能として米が重ねて航空部隊のみの移設を拒否。/施設の配置が米側の安全基準に抵触する可能性検討可(1)(3)
キャンプ・シュワブ陸上部ジャケット方式(知事の許可なしに強行可)下地氏宜野湾市の基地対策協議会が県内移設は「市民への侮辱」/クシニッチ連邦下院議員が「地元住民の視点がまったく存在していない」/米、地元の合意必要を強調適用外(1)(2)
社民党が政権離脱もやむなし
「辺野古浅瀬桟橋方式案」
以前のシュワブ沖合い案とほぼ同じ
官房長官仲井真知事が名護市長が拒否なら公有水面使用容認せず/米、地元の合意必要を強調今回拒否済み(1)(2)(国民新党と社民党が反対)/米側はテロの危険性や工期で難色
普天間、嘉手納訓練本土分散案
(九州内巡回案)
防衛相元々米軍再編で訓練5割本土分散は日米で合意済み。更に分散?/米太平洋海兵隊司令部が「日本で行うことができる訓練は限定される」/岩国から20機も集中に抗議(嘉手納基地)未確認(1)
47NEWS、沖縄タイムス、琉球新報、asahi.com、373news.com、南日本新聞、時事通信、NHKのキャッシュ-宜野湾市、東京新聞

他の案

移設と在沖海兵隊の抑止力についての主張

主張者主旨主張「在沖」の必要性について
第3海兵遠征軍 コマンド・ブリーフアジアは潜在的なフラッシュポイント。アジアは米本土から距離があり、地域的国家不安定など潜在的なフラッシュポイントである。第3海兵遠征隊は、イラクの自由作戦、アフガニスタン不朽の自由作戦、アフリカの角、フィリピンなどにも派遣されている。安全保障上の配慮とコミュニケーションのため、訓練回数は年間70回を越える。また2004年のアジア津波から、2009年のフィリピン台風及びインドネシア地震など、合計10件の人道的援助と災害救援を行っている。すでに日本本土、西太平洋全域に展開
コンウェイ海兵隊総司令官海兵隊は一体として移転配備すべき航空部隊が地上部隊、後方支援部隊の兵站部門などと距離的に分離された場合、効果的な訓練実施が事実上不可能になる。ヘリ部隊と地上部隊は一体的な運用のため65カイリ(約120キロ)以内の距離に配置する必要がある(47News一体配備の必要性の他は場所には言及なし
カート・キャンベル氏(現国務次官補)1998年普天間非公式協議
2005年沖縄タイムスのインタビュー(キャッシュ)
日本政府が沖縄以外に海兵隊の移設先提供が不可能なのであって、海兵隊にとって沖縄の戦略的位置は問題ではない。検討は、日本側が移駐先候補地を極めて具体的な形で米側に示してからでないと、とてもできない(1998)。関連
ラムズフェルド国防長官は、歓迎されない場所に米軍を駐留させないと明言している。それが命題だ。2003年に沖縄を視察した際、県民がかなりの規模の削減を切望していることを実感しており、国防総省の責任者の共通理解になっている。普天間飛行場の移設先として、日本本土、アジア諸国、米本国を含め、さまざまな選択肢が考えられる(2005)。
北九州、四国を含む広範囲の地域が移設可能
米太平洋海兵隊司令部日本で行うことができる訓練は限定される我々は今、北マリアナ諸島の中で船から海岸に上陸し、すぐに実弾を使った射撃訓練に入れる場所を探している。他国を招き、沖縄の海兵隊と一緒に訓練することは困難。日本政府はおそらく他国の軍隊が日本の領土に入るのを望まないだろう。「在沖」を忌避ともとれる表明
米太平洋海兵隊司令官対象は北朝鮮
沖縄でなければならないとは思わない
実は沖縄の海兵隊の対象は北朝鮮だ。もはや南北の衝突より金正日(キムジョンイル)体制の崩壊の可能性の方が高い。その時、北朝鮮の核兵器を速やかに除去するのが最重要任務だ。関東平野など他に受け入れ先があるのなら、どうしても沖縄でなければならないとは思わない。海兵隊が(日本に)前方展開できるのであれば、太平洋軍として異存はない上記キャンベル氏と同じ立場
沖縄県民・メディア抑止力となりえない在沖海兵隊だけでは1個旅団にも満たない。朝鮮半島有事には海兵隊だけでも最低で5個旅団が必要で、米西海岸とハワイの部隊も総動員しなければならない。本土で受け入れないことを抑止論で言い繕うのはやめるべき。キャンベル氏や米太平洋司令官の立場に沿った見解
宜野湾市沖縄駐留は抑止の要件ではない海兵遠征部隊が沖縄に駐留していないと台湾や韓国に1日で展開できないので抑止力の致命傷になるというのは、素人の国民をだます真っ赤な嘘。2006年の普天間飛行場ヘリ部隊の海外派遣資料によると、1月から5月の5ヶ月で約3ケ月は、グアム、フィリピン、韓国、タイの海外演習・訓練に出ていた。さらに、9月下旬から11月下旬まで米比合同訓練のためエセックスに載ってフィリピンに出ていた。1年の半分以上は、沖縄にいない。上記第3海兵隊の立場に沿った見解
ローレス元米国防副次官普天間継続は在日米軍撤退普天間存続では、長続きせずに撤退に追い込まれることは現政権も承知済み。空母打撃部隊を、我々が日本防衛のために必要だと考える軍事力(海兵隊)を不要だと宣言する国に置いておくと考えるのは間違いだ。普天間存続を否定する以外場所には言及なし
1969年韓国朴大統領沖縄の米軍撤退を強く懸念日本は強い経済力を持ちながら、アジアでの(軍事的)負担をほとんど担わず、沖縄返還時には基地提供すら拒否しようとしている「在沖」を要求
鳩山首相沖縄の近くのみ米海兵隊の抑止力は大きいから沖縄から遠いところに移設するのは適当でないほぼ現状維持が信念
長島防衛政務次官県外移設はできない沖縄に海兵隊が存続することが日本の安全保障の根幹にかかわる。沖縄駐留以外の選択肢はない。「在沖」不可欠論
琉球新報、asahi.com、Stars and Stripes、産経デジタルiza、沖縄タイムス、宜野湾市基地渉外課

普天間飛行場の移設とは

普天間飛行場(宜野湾市)は、米自らが「世界で一番危険な基地」と評価し、1996(平成8)年に日米両政府が5〜7年以内の全面返還で合意したが実現しなかった。2006年の日米合意と2009年のグアム移転協定(PDFファイル)で、普天間飛行場のフライト機能以外の、戦略的抑止力である海兵隊員(海兵遠征隊など「機動展開部隊」)のグアム移転と、フライト機能のキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市)への移設を合意したが、鳩山内閣は、フライト機能の県外や国外移設を検討しており(関連事項)、普天間飛行場のキャンプシュワブ沿岸移設を海兵隊グアム移転の条件と定めている、同協定改定の了解を米側から得る考えを示している。同協定では、グアムの海兵隊は日本の安全保障を支援し続けることも合意されている(関連事項)。移設が取りざたされている徳之島の人々は、一部に移設誘致の意見もあるが、普天間基地問題を真剣に受け止めた上で徳之島と沖縄以外の県外国外移設を主張している人が多い
(引用:宜野湾市、東奥日報ニュース百科、外務省、ニューヨークタイムズ、沖縄タイムス、Wikipedia、徳之島万華鏡)
[写真]沖縄県宜野湾市にある米海兵隊の普天間飛行場(2005年6月22日撮影)。(c)AFP/Toru YAMANAKA

米軍側の認識
なぜ普天間飛行場を完全に移設しなければならないのですか?
騒音がひどくて危険で、沖縄県民の主張する「不公平な負担」の象徴だからです。海兵隊員2名と海軍衛生兵らによる12歳の小学生をレイプし誘拐した1995年の事件で反基地デモが沖縄に起きて、米軍施設を減らす運動が生まれました。2003年、ラムズフェルド国防長官は、上空より普天間飛行場を視察し、「事故が起きない事が奇跡だ」とコメントしました。その翌年、海兵隊のヘリコプターが沖縄国際大のキャンパスに墜落し、普天間基地閉鎖要求の声が高まりました。

米軍報道 Stars and Stripes Futenma questions and answers より抜粋

再編実施のための日米のロードマップ

「日米同盟:未来のための変革と再編」(2005年10月29日)をもとに、日米両国は太平洋全域における日米の軍事力の再編に同意した(再編実施のための日米のロードマップ(仮訳))。この再編計画の一環として、日米両政府は、2014年までに、沖縄から8000人の海兵隊員とその家族9000人を移動することで合意した。第3海兵遠征隊の沖縄からグアムへの移転には、司令部部隊、航空部隊、地上部隊、及び後方支援部隊の移転も必要される。この移転計画をサポートする新たな施設の建設がグアムと北マリアナ諸島自治州(CNMI)に必要である。新たな施設には、訓練区域、及び主に住居として使われる兵舎が含まれる。グアムと北マリアナ諸島自治州(CNMI)は、大隊規模の部隊に、持続使用可能な訓練エリアを提供する

米海軍グアム統合計画部(JGPO)「海兵隊移転」(抜粋)

2006年の合意は、海兵隊約2,000人が名護市に移動し、残り約8,000人がグアムに移転する計画。このロードマップは、2009年のグアム移転協定(PDFファイル)の締結によって、正式に日米間の合意事項となった。日米安全保障条約上の米軍の義務への対処のために、沖縄より柔軟で迅速な対応が可能なグアムに海兵隊を移転する

2010年1月20日のニューヨークタイムズ紙

移設先のキャンプ・シュワブ沿岸部

普天間飛行場代替施設を、辺野古岬とこれに隣接する大浦湾と辺野古湾の水域を結ぶ形で設置し、V字型に配置される2本の滑走路はそれぞれ1600メートルの長さを有し(オスプレイの編隊離着陸や習熟訓練には、最大で約1575mが必要)、2つの100メートルのオーバーランを有する。各滑走路の在る部分の施設の長さは、護岸を除いて1800メートルとなる(外務省「再編実施のための日米のロードマップ(仮訳)」)。キャンプ・シュワブ内の大掛かりな施設建設工事は、止められることもなく進み完成してしまった(「辺野古から」)。
  • キャンプ・シュワブの位置 - Yahoo!地図

グアムの環境影響評価(アセスメント)

沖縄からグアムへの海兵隊移転と普天間飛行場の危険性除去

宜野湾市の取り組み

普天間飛行場のヘリ部隊がグアムに移転することを示すいくつもの証拠がある。国防総省グアム軍事計画報告書に沖縄からグアムへ移転する部隊名が示された。列挙された11の普天間基地に関連する海兵隊部隊の中に海兵隊中型ヘリ中隊が入っている。グアム州政府から説明された資料に、移転を想定している海兵隊部隊として、31st Marine Expeditionary Unit ・第31海兵遠征部隊2,000人と記述されているので、グアムに来る37機の回転翼機には、31MEUのヘリ部隊であり、普天間基地の海兵航空ヘリ部隊が含まれると推察できる。

「普天間ヘリ部隊のグアム移転の検証について」(PDFファイル) - 宜野湾市(2010年2月18日)

市街地に隣接し危険な普天間基地

1945年、B29用に2400m級の滑走路を持つ飛行場が建設された。1953年には滑走路が2700mに改修1956年、岐阜県と山梨県から移転してきた海兵隊に陸軍から移管された。2004年8月13日、米軍CH-53D型ヘリが基地に隣接する沖縄国際大に墜落。破片は生後6カ月の赤子が眠る寝室に刺さり、大型ローターが駐車バイクを破壊した。(詳細は沖縄米軍トピックを参照)。また、障害物を排除し、航空機の離発着の際の安全を確保するエリア「クリアゾーン」に、住宅地が含まれている(PDFファイル)。クリアゾーン内には、公共施設・保育所・病院が18か所、住宅約800戸、約3600人余の住民が居住している。 伊波宜野湾市長は、太平洋軍司令部に対しても履行を求めてきているが、2010年1月7日、辺野古案の滑走路の長さに合わせて約1000m縮小し1800mとして基地内にクリアゾーンを設定し直すよう、政府に求める意向を示した。2010年2月25日、国に対し、危険性を放置したとして、あらゆる提訴のあり方を検討する方針を明らかにした。住民の騒音被害に対する怒りや事故に対する不安の声も多い
(引用:沖縄県公文書館、Wikipedia、岐阜新聞、琉球新報、宜野湾市基地渉外課)

鳩山政権による普天間飛行場移設の見直し

県外、国外への移設方針を示した上で、「県民の気持ちを確認しながらアメリカとの交渉に臨む」としていた。2009年11月に全国紙(新聞)4紙とNHKが実施した世論調査で、「県外・国外移設」などを求める回答が、「現行計画通り進めるべきだ」という趣旨の回答を上回った(沖縄タイムス)。 その後、首相は、日米合意の現行案以外の新たな移設先を2010年5月までに選定するよう各閣僚に指示した(琉球新報)。2010年2月5日、首相は、現行案の建設が海兵隊グアム移転条件とされていることについて、5月末までにグアム移転協定改定の了解を米側から得る考えを示した(沖縄タイムス)。2010年2月12日、米自治州北マリアナ諸島が移設受け入れを歓迎する意向を示したことに対し、北沢防衛相が困難との見方を表明した(沖縄タイムス)。2010年3月4日、政府は普天間飛行場のキャンプ・シュワブ沿岸部への現行移設計画履行を断念する方針を米側(ルース駐日米大使)に伝達。2010年4月24日 、平野博文官房長官は辺野古沖合くい打ち桟橋(QIP)方式を関係省に指示していた事が判明。国民新党と社民党は反対している(沖縄タイムス)。さらに、2010年5月2日、知事の公有水面埋め立て許可を得ることが困難と判断し、キャンプシュワブ陸上部と海上部にくい打ち桟橋方式で滑走路を建設する「ジャケット方式」を検討していることが判明した(沖縄タイムス)。米側は地元の合意を検討受け入れの条件として強調している。2010年5月4日、仲井真沖縄県知事と会談した首相は、海兵隊抑止論を述べて沖縄県民への負担が不可避であると表明。知事は4・26県民大会を挙げ、「政権公約に沿った解決策に対する期待が非常に強い。満足、納得いく解決策をぜひ示してほしい」と負担分担には応じなかった(沖縄タイムス)。また、首相は「海兵隊の抑止力」の必要性を何度も強調した後、「官僚支配だからだらしないという気持ちは分からないわけではない」と発言している(琉球新報)。2010年5月11日、社民党は「辺野古」を前提とした案が提示された場合、反対を明言し、連立を離脱も視野に入れることを表明した(沖縄タイムス)。

移設に関するマニフェストなど

日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む。

民主党「政権政策Manifesto2009」

主体的な外交戦略を構築し、緊密で対等な日米同盟関係をつくる。日米協力の推進によって未来志向の関係を築くことで、より強固な相互の信頼を醸成しつつ、沖縄県民の負担軽減の観点から、日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む。

三党連立政権合意書(2009年9月9日)

移設先に関する鳩山首相の発言

日米首脳らのやりとり

米国の対応

1998年、日本政府が海兵隊の県外移設先の提供が不可能なのであって、海兵隊には沖縄の戦略的位置は問題ではないとしたうえで(琉球新報)、2009年12月、クローリー米国務次官補(広報担当)は、「米軍再編の現行計画が最善のものだ」(琉球新報)とした。 駐日米大使館のルーク公使は2010年1月13日、新たな提案があれば応じるとするとともに、在沖海兵隊のグアム移転協定は「正式な国際協定」との認識を示した(沖縄タイムス) 。アーミテージ元米国務副長官は、2010年1月15日、米側も代案を用意すべきと提言している(asahi.com)。 沖縄に海兵隊員として勤務経験もあるジム・ウェッブ上院議員は、2010年2月15日、いかなる合意であれ日米と沖縄3者の支持を得たものでなければならないと表明した(時事通信)。2010年2月25日、米Stars and Stripes紙《米軍報道》は、沖縄県議会が日本政府に県外移転を公式に要求し、日本政府高官が、海兵隊航空部隊は沖縄にとどめる必要があると米側へ返答したと報じている。2010年2月17日、米太平洋海兵隊スタルダー司令官は、在沖海兵隊の対象は北朝鮮崩壊時の速やかな核の除去であることを明らかにした(毎日新聞)。 2010年3月1日、北マリアナ諸島のイノス副知事が普天間飛行場移設を歓迎するとして、強い期待感を表明した(47NEWS)。2010年3月29日、米は、今後は同盟関係の緊張を緩和する新しい選択肢のみ尊重するとした。訪米した外相にゲーツ国防長官が、移設先が2000人の海兵隊の本拠地となる旨説明した後に表明した(ロイター)。ルース駐日米大使は2010年4月9日、計画案の施設の配置が米側の基準に抵触する可能性をあげ、部隊の分散を拒否し地元の合意を重視する考えを示した(asahi.com)。2010年4月27日、米 Stars and Stripes紙は、読谷村で開かれた県内移設反対の県民大会は、1972年本土復帰以来最大規模であり、仲井真知事は日米両政府に県内移設を諦めるように要求。初めて自民党も参加し、子供たちの姿も多くジュゴンのぬいぐるみに歓声を上げていたと伝えている。2010年5月6日、国防総省のモレル報道官は、鳩山首相が示した県内移設案について「正式な提案というより、まだアイデアの段階だ」との認識をあらためて示した(東京新聞TOKYO Web)。 2010年5月13日、米自治領北マリアナ諸島フィティアル知事 とカマチョ グアム知事が東京で鳩山首相に会った(Stars and Stripes)あと、北マリアナ州知事が同16日にホワイトハウスへ向かう(山陰中央日報)。同13日、米下院はグアム移転費削減せず、普天間の日米協議を注視するとして、政府原案のまま可決する方針を決めた。米政府は06年の日米合意に基づき、普天間が移設されない限り海兵隊移転に応じない考えを再三表明している(琉球新報)。

首相と沖縄県知事・名護市長の会談要旨

沖縄県の立場と反応

県知事

沖縄県知事は、「ベストは県外、セカンドベストとして県内移設」と繰り返し表明してきたが、首相との公式初会談の成果として、与党3党間での基本政策閣僚委員会で普天間移設の協議が決まったことをあげ、沖縄には辺野古の他にも移設先は一切ないという立場(QAB琉球朝日放送)としていた。2010年2月、名護市長選などを受け、「現時点で辺野古移設案は極めて難しく厳しくなった」と述べ、「県内やむなし」とする従来の見解を事実上撤回した(沖縄タイムス)。名護市辺野古への現行計画の修正政府案について、稲嶺名護市長が受け入れない限り容認しない意向を明言した(沖縄タイムス)。この間の政府の対応について「名護市長選挙のとき、民主党をはじめ国政与党を中心とした人々が(県外移設を訴える)市長を応援した。選挙のときから言ってこられたことに向かって毅然とした態度で取り組んでいただきたいというのが率直な気持ち」といら立ちをあらわにした(沖縄タイムス)。

県議会の動向

米との合意事項や従来の見解に関する沖縄県による説明

市町村自治体

沖縄タイムスのアンケートによると、県内41市町村長全員が、移設先として県外や国外を主張、県内移設容認は皆無となっており、鳩山政権への評価は8割弱が「評価しない」としている。2010年1月19日、宮城嘉手納町長は、嘉手納基地について「極東や日本の安全を守る役割を担ってきた一面もある」が「騒音問題など基本的なことも解決していない」と懸念を示した。また、宜野湾市の伊波洋一市長は、「負担軽減に取り組むのなら辺野古以外で解決すべきだ」と述べた。2010年1月25日、名護市長選で基地反対の稲嶺進氏が当選。2010年3月8日、名護市議会が反対決議で、名護市長が施政方針演説で改めて陸海問わず一切の新基地建設の拒否を表明し、(沖縄タイムス)「(鳩山政権の閣僚は)同じ国民なのかという気がする」と怒りを表している(沖縄タイムス)。

県民世論・沖縄のメディア・在沖米軍メディアの論説など

県民世論調査によると、県外・国外に移すべきだとする意見が89%を占め、「最低でも県外」とした首相の発言を「公約ではなかった」と修正したことを89.9%が「支持しない」としている。また、世界中でこれほど米軍基地が集中する「島」はほかにない。日米安保が重要と言うのなら、当然沖縄以外で基地移転先を探すべきだが、政府と本土はその議論から目を背けているとして、「いいかげんにしてくれ」との強い抗議も表明されている(沖縄タイムス)。外務省沖縄事務所主催の初企画の写真展に対して、元外務省主任分析官の佐藤優さんは「事務所には米との直接連絡と沖縄の情報収集で政府の意図に近いよう世論を誘導する役割がある。植民地の官僚の域を超えていない、まさに宣撫工作だ」との指摘をしている(琉球新報)。

沖縄県以外の地方自治体の動向

沖縄タイムスのアンケートによると、在沖米軍基地を受け入れると答えた地方自治体はゼロで、19都県は回答すら拒否した。これに対して、「在日米軍の必要性を強調するなら、その負担は全国で分かち合おうと呼び掛けるのが筋 日本人の心のありようを問う国内問題」との批評もある。サンフランシスコ講和条約が発効した1950年代、本土の米軍基地は4分の1に減る一方、沖縄では逆に、強制的な土地接収などで基地が拡大した。朝日新聞社が沖縄を除く46都道府県知事にアンケートしたところ、米軍基地を新たに受け入れてもいい、と答えた知事なく、基地勘弁が本土の本音であることが浮き彫りになった(asahi.com)。

政策提言団体など

防衛省及び外務省を主務官庁とする 財団法人、平和・安全保障研究所は、「(米軍に基地を提供する)その義務を沖縄に押しつけて済まそうとする日本政府に対する沖縄の不平等感が募る。日米安保体制を維持するつもりであれば、日本は義務を果たす用意がなければならない。日本国民のどれだけがそのことを真剣に考えてきただろうか」。との疑問を投げかけている(普天間をどうするのか)。

日米以外の主な反応

コラム

日米関係の危機感が強調され、1万7千〜1万8千人という海兵隊員定員数が実在の人数として流布されたとの批評もある(ニューヨークタイムズ紙によると2010年の在沖海兵隊員数は約10000人)。また、キャンプ・シュワブの海兵隊基地内に、海兵隊員用の宿舎や娯楽施設を何棟も建設して巨額の税金が無駄遣いされたとする批判もでている。鳩山首相が米海兵隊「抑止力」論を持ち出したことが混迷を加速させたとの批評があり、沖縄国際大学の佐藤学教授は、「鳩山首相は盲目的に『抑止力』と言っている」と批判している。米ニューヨークタイムズ紙は社説で、「当事者にとっては、米軍再編は戦略的な問題ではない。名護市の新市長は、海兵隊が名護市に移転することを望んでいないと表明した。オバマ政権は臨機応変に対処すべきだ」。と述べている。宇沢弘文東大名誉教授ら18人が呼び掛け人となり、有識者322人(18日現在)が賛同した「普天間基地移設計画についての日米両政府、国民に向けた声明」では、「(県内移設は)自民党政権、自民党県政であっても13年間、全く動かすことのできなかった計画。日米安保に基づく米軍への基地供与は、沖縄にあまりに集中し過ぎている。県外・国外を真剣に検討すべきだ」とし、50年以上も前の日米安保条約を再検討すべきだとしている。鳩山内閣の問題解決能力の欠如に対しては、日本でも(BLOGOS)、米国でも(ニューヨークタイムズ)、強い懸念が示されている。

アンケート

統計に基づく世論調査ではないので、世論調査との間に大きな差が認められることもある。参考にする際は注意が必要。

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