ソフトバンクの孫正義社長(52)が18日の記者会見で、「総務省にガソリンを持って行って火をつける」と不適切な発言をし、批判が巻き起こっている。同社はこの日、携帯電話の夏商戦向け新モデルを発表。ツイッター機能の標準装備が特徴だが、政府がツイッターに年齢制限などの規制を検討していることから、「そんなことをするなら」と焼き討ち発言が飛び出した。
新機種発表会&孫氏の記者会見はこの日午前9時半すぎから、東京都港区のグランドプリンスホテル新高輪で行われた。会場には、報道関係者、アナリスト、取引先など数百人が出席。ソフトバンクが出資する動画サイト「ユーストリーム」を通じて、ネットでも生中継された。
新製品は、今はやりのツイッター機能を標準装備していることがウリ。ところが、政府が規制を検討していることから、孫氏の見解を求める質問が報道陣から出た。
これに対して、孫氏は「フィルタリングによってツイッターを18歳未満の人が使えなくなるなんて言うのは、人々のコミュニケーション革命や神に対するぼうとくだ。そんなことを政府がするなら、私は総務省にガソリンを持って行って火をつけます。犯罪予告です」とブチ上げた。
東証1部上場企業のトップによる総務省焼き打ち宣言に、報道陣からは「(公の場でこんな発言をして)大丈夫かよ」との声が漏れた。
この発言はまたたく間にネットに広がり炎上。発言から数分後には、あちこちの電子掲示板などに掲載された。
孫氏は、特定の通信会社しか使えないように携帯電話端末に制限をかける「SIM(シム)ロック」の解除を総務省が打ち出したことなどで対立を深めている。そうしたことが今回の過激発言につながったようだ。
孫氏は記者会見後、ぶら下がりの取材に「冗談です」と釈明。孫氏自身のツイッターのなかでも「完全な冗談です。不適切発言お詫びします」とつぶやいている。
しかし、これが冗談で済む話かどうか、総務省の対応次第だ。