NTT光分離案 原口氏の意向反映 「光の道」見据え、結論を前倒し (2/2ページ)

2010.5.19 05:00

 原口総務相はNTTの光回線事業の分離方針を唱えており、NTT組織再編につながる光回線分離の検討が一挙に進む可能性が出てきた。

 ソフトバンクやKDDIは、競争促進のためにNTTから光回線を分離すべきと主張する一方、2兆円に上る設備投資をしてきたNTTは分離方針に強く反発しており、検討作業は難航が予想される。

 現在、国内の光回線のカバー率は約90%だが、利用率は30%にとどまっている。報告書は、ブロードバンド普及促進のため、自治体が補助金を活用して敷設した光回線を通信事業者が長期安定的に借りて住民にサービスを提供する公設民営(IRU)方式の運用の規制緩和などを提言した。

 ブロードバンドが全国普及した時点で、ユニバーサル(全国一律)サービス義務化を電話からブロードバンドに代えるのが妥当とも指摘した。

 報告書の試算では、全国普及によって、2011年度から20年度までの10年間で73兆円の経済効果がある。

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 ≪ICTタスクフォース報告書のポイント≫

・NTTの光回線部門の分離の是非を年内に検討し、関連法案策定

・山間、離島での光回線敷設促進のため、公設民営方式の活用拡大

・公共施設へのブロードバンド普及のため、事業者への提供義務化

・ブロードバンドの全国普及に合わせ、ユニバーサルサービス適用

・「光の道」構想による経済効果は、2020年までの10年で73兆円

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