ニュース 速報 YOMIURI ONLINE(読売新聞)
現在位置は
です

本文です

口蹄疫拡大

県内でも警戒強まる

牛舎の出入り口に消石灰をまく伊藤さん(東温市南方で)

 宮崎県で家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」の感染が拡大していることを受け、県は18日、畜産農家などへの消毒用の消石灰の配布を始めた。四国4県の緊急畜産課長会議が徳島県で開かれたほか、とべ動物園には来園者用の消毒液が設置されるなど、県内でも警戒が強まっている。

 県はこれまで、九州からのフェリーが入港する松山、八幡浜両市の港の降り口に消毒液をしみこませたマットを置き、車のタイヤを消毒して感染を防ぐ対策を行ってきたが、感染拡大を受け、消毒効果がある消石灰約1万袋(1袋20キロ・グラム)を、牛や豚などを飼育する県内の農家など633か所へ配布することを決めた。

 牛225頭を飼育する東温市南方の伊藤賢志さん(39)の農場には、320キロが届き、県職員から、「1平方メートルに1キロほどをまいて」などと指導を受けて早速散布。牛舎入り口の2か所に、入念にまいていた。

 伊藤さんは例年、夏場には、10頭ほどの牛を涼しい久万高原町に移して繁殖させているが、今年は感染防止のため、移動を控えている。「感染すれば廃業しないといけない。畜産農家への支援策を含めた対応を、国は早急に示してほしい」と深刻な表情で訴えた。

 この日、徳島県三好市で開かれた四国4県緊急畜産課長会議には、中四国農政局や4県の担当者ら14人が集まった。

 その場で「四国4県家畜防疫会議」を発足させ、今後、連携して畜産関係者に指導して四国への侵入防止に努めることや、四国で口蹄疫が発生した場合、発生県に人員や防疫資材を送っての初期防疫活動を支援することなどを申し合わせた。

 一方、砥部町の県立とべ動物園では、ゴールデンウイーク前から、入場口に消毒液を設置。自由に触れたり、餌を与えたりできていたヤギ舎の前には、近づけないようにロープを張り、餌やりも中止している。

 同園の田村千明技術長は「考え得る限りの対策を取って、動物たちを守りたい」と話していた。

2010年5月19日  読売新聞)
現在位置は
です