2010年5月19日 0時53分
文部科学省は日系人など定住外国人の子供の教育に関する新たな基本方針を18日、固めた。「入りやすい公立学校」を目指し、きめ細かな指導を実現するため日本語指導にかかわる教職員定数の拡充を検討する。
文科省によると、外国人の児童生徒の公立小中高校の在籍数は99年度に1万8585人だったのが、08年度には2万8575人に達するなど増加が続いている。これを受けて、外国人の児童生徒を指導するため、通常の定数より多く配置している教員の数も毎年のように増員。09年度は50人増員して全国で1035人、10年度は250人増で計1285人となった。しかし、定住外国人が多く住む地方自治体からはさらなる増員要求が毎年、政府に寄せられている。
同省は今年8月をめどに、1学級当たり40人の学級編成基準を約30年ぶりに見直し、教職員定数も改善する計画をまとめる方針。この中で、日本語指導に関する定数の拡充を検討する。このほか、必要があれば学齢を過ぎても入学させるなど小中学校に入りやすい環境整備も促進する。
同省は、09年12月に「定住外国人の子どもの教育等に関する政策懇談会」(主宰・中川正春副文科相)を設け、有識者らから意見を聞いてきた。【本橋和夫】