沖縄本島の西にある久米島の近海で、数百メートル四方にわたって広がる巨大なサンゴの群集が見つかりました。地球温暖化などによる影響で、各地のサンゴが危機にひんしているなか、群集が非常に健全な状態で見つかったことから、今後のサンゴの保全につながる貴重な発見だとして注目されています。
このサンゴの群集は、沖縄本島の西およそ100キロにある久米島の南東部の沿岸で、去年8月、地元のダイバーや漁業者が行った調査で発見されました。先月から今月にかけて、WWF=世界自然保護基金などが追加調査を行ったところ、見つかった群集は「ミドリイシ」と呼ばれるサンゴを中心に、少なくとも長さ300メートル、幅200メートルにわたる巨大なものであることが確認されました。大規模なサンゴの群集としては、石垣島の白保にある南北300メートル、東西150メートルにわたるアオサンゴの群集が有名ですが、今回見つかったものは、これを上回る大きさです。沖縄のサンゴをめぐっては、地球温暖化などが原因でサンゴが衰弱して白くなる「白化現象」や、オニヒトデによる食害などが深刻な問題となっていますが、今回見つかったサンゴの群集は、非常に健全な状態だったということです。見つかった場所の水深は、通常よりも深い最大35メートルで、調査にあたったWWFジャパンの安村茂樹さんは「潜水時間ギリギリまで調べても調べきれないほど大きかった。より深い場所の調査を進め、今後のサンゴの保全に役立てたい」と話しています。