網膜はく離の手術後、視界の中心部が見えなくなるなど障害が残ったとして北九州市の50代の男性会社員が、産業医大(八幡西区)を相手に5285万円の損害賠償を求める訴訟を地裁小倉支部に起こした。
訴状によると、男性は02年5月、同大病院で右目の網膜はく離の手術を受けた。直後から、目に違和感が残り、通院したが治らなかった。原因は分からないとされたが、別の病院の医師が、網膜に穴が開く「黄斑円孔(おうはんえんこう)」と診断。02年8月、同大病院で再手術を受けたが、眼底中心の黄斑部に出血が生じ、見えなくなったとしている。大学側と話し合いを続けてきたが、合意に至らなかったという。
大学側の代理人弁護士は「再手術は技術的に難しいものだった。医療ミスではない」としている。
〔北九州版〕
毎日新聞 2010年5月18日 地方版