計量後ポーズを取る王者・内山(右)と挑戦者グラナドス
「WBA世界Sフェザータイトルマッチ」(17日、さいたまCA)
ダブル世界戦の計量が16日、東京・水道橋の後楽園ホール展示場で行われ、王者・内山高志(ワタナベ)がリミットいっぱいの58・9キロでパスした。地元埼玉での初防衛戦に友人、後援会関係者ら約2000人の大応援団が会場に駆けつけ内山を強力バックアップ。地元応援団の声援を受け、至難の初防衛戦に臨む。また女子の世界戦では、王者、挑戦者ともに一発で計量をパスした。
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最大7000人収容の会場で、2000人の大応援団が内山の背中を押す。内山自ら“営業マン”として友人らに約700枚のチケットを売りさばいた。これに加え、地元埼玉の後援会関係者らが約1300枚のチケットを購入。世界王者として地元埼玉の凱旋試合は、最高の舞台が用意される。
誠実な性格と礼儀正しさから、年配から後輩まで多くの知人、友人を持ち、内山の試合は常に会場は満員となる。1月の世界戦でも内山は約600枚のチケットを売った実績を持つ。ボクサーが知人にチケットを売る場合、100枚を超えることはまれで、「700枚」という売り上げの数字が内山の人柄を如実に物語っている。
ただ一方で王者自らチケットを売り、ファイトマネーの一部に充てなくてはならない事実もある。まだ人気が全国区でないため、世界王者になってもチケット販売は欠かせない。「練習でやったことを出して必ず勝つ。後半にKOしたい」。ど派手なKO劇で名実共に世界王者としてその名を知らしめる。
(2010年5月16日)