エビデンス - 根拠に基づく医療とは

エビデンス - 根拠に基づく医療とは

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エビデンスとは



エビデンスとは『根拠に基づく医療』という考え方で近代医学で一番取り入れられているものです。

最新の医療機器やコンピュータなどで得られた医学的、統計的データに基づいた治療を行いますので根拠がしっかり説明できて、医療の標準的な指標となるべきものです。

このような事から、エビデンスは曖昧さがある医学に確実性を求めるために学問づけをしたものだともいえます。

医療において確実性を求めるということは、治療成績、治癒確立を上げることが求められます。何十万人という人を対象に行う疫学的なデータに基づいて薬や治療など成果の確立を上げることが良いエビデンス医療ということになります。

医師一人が診る患者の数や症例は疫学的な数から比べると高々しれています。

もしエビデンスがなかったとしたら、治療は医師の裁量がすべてになり他の多くの人の治療経験を参考にすることができず不安のうちに治療を受けなければならないことにもなります。



ランダム化比較試験



エビデンスで標準化された治療が、果たして効果があるのか?

これを検証するためにボランティアの協力を得て『ランダム化比較試験』というものを行います。

もし、ランダム化比較試験で効果が無いという結果が出た場合、診断する医師として
「その治療は間違いである」
と決めつけ勝ちになりますが決してそうではありません。その時点では対象者に効果が無いだけで有効性が証明出来ていないという段階なのかもしれません。

逆にガイドライン通りに治療をしているのだから、治らないのはおかしい、と患者を突っぱねることも間違ったエビデンスと言えます。



物語を加味する理由



エビデンスで標準化された医療は、確率的には治療効果がある方法ですので確かに一定の成果は上がります。

しかし、医師の技術や経験、患者一人ひとりの背景や治療の協力体制、国による薬の運用基準の違いなど
「エビデンス」通りにやって必ず上手く行く
というものでもないのです。

このことから、根拠に基づく医療で多くの人で確かめられ効果のある治療に加え、患者さんそれぞれの年齢や健康状態、生活環境などを加味した上の医療は一番良い治療に成り得るものだと思います。



病気が治っても・・・



医学的に病気は治っても、痛みや違和感などが残る場合や、病気では無いのに症状があって【原因不明】や【心因性】という診断になる場合もあります。

実際に、このように病気として診断できず、【病(やまい)】として、痛みや不安を抱えている人の方が圧倒的に多いのが現実です。

このような場合には、エビデンスはまったく当てはまらず『ナラティブ』物語を聞く治療が効果を上げることになります。
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03 エビデンス - 根拠に基づく医療とは
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