第 4 章 |
この章では、ユーザーが Sun Secure Global Desktop (SGD) を介して実行できるアプリケーションの設定に関するヒントと、アプリケーションに関する問題を診断して解決するための方法について説明します。
SGD を使用して、次に示す種類のアプリケーションにアクセスできます。
Solaris オペレーティングシステム
(Solaris OS)、Linux、HP-UX、および AIX アプリケーションサーバー上で実行されている X アプリケーション
Solaris OS、Linux、HP-UX、および AIX アプリケーションサーバー上で実行されている文字型アプリケーション
SGD 拡張モジュールは、アプリケーションサーバーにインストールできるソフトウェアコンポーネントであり、SGD を介して表示されるアプリケーションの使用時に、次の追加機能を提供します。
SGD 拡張モジュールでサポートされるインストールプラットフォームは次のとおりです。
Microsoft Windows XP Professional および Microsoft Windows Vista プラットフォームでは、CDM だけがサポートされます。シームレスウィンドウおよび高度な負荷分散はサポートされません。完全な Windows デスクトップセッションだけがサポートされ、アプリケーションはサポートされません。
Solaris 10 OS Trusted Extensions プラットフォームでは、オーディオと CDM はサポートされません。
アプリケーションサーバーが SGD 拡張モジュールでサポートされないプラットフォームの場合でも、SGD ではそれらを使用することができ、サポートされるプロトコルのいずれかを使用してサポートされるアプリケーションタイプにアクセスできます。
ここでは、Windows アプリケーションオブジェクトを設定する方法について説明します。
ユーザーに Microsoft Windows グラフィカルアプリケーションを提供する場合は、Windows アプリケーションオブジェクトを使用します。
Administration Console では、Windows アプリケーションオブジェクトの設定が次のタブに分けられています。
「起動」タブ - これらの設定によって、アプリケーションの起動方法や、アプリケーションセッションを中断および再開できるかどうかが制御されます。
「クライアントデバイス」タブ - これらの設定によって、ユーザーのクライアントデバイスがアプリケーションと対話する方法が制御されます。
次の表に、Windows アプリケーションオブジェクトを設定するためにもっとも一般的に使用される設定と、その使用方法を示します。
属性 | 説明 |
---|---|
名前 | ユーザーに表示される名前。 |
アイコン | ユーザーに表示されるアイコン。 |
アプリケーションコマンド | ユーザーがリンクをクリックしたときに起動されるアプリケーションへのフルパス。 |
コマンドの引数 | アプリケーションの起動時に使用するすべてのコマンド行引数。 |
Windows プロトコル | SGD がアプリケーションへの接続に使用するメカニズム。
ユーザーのクライアントデバイス上でアプリケーションを実行するには、「最初にクライアントからの実行を試行する」チェックボックスを選択します。クライアントデバイス上での Windows アプリケーションの実行を参照してください。 Microsoft ターミナル サービスを使用してアプリケーションを実行するには、「Microsoft RDP プロトコル」オプションを選択します。SGD を介して表示された Windows アプリケーションを使用する場合は、このオプションによってユーザーに最高の操作性が提供されます。クライアントドライブマッピング、オーディオ、スマートカードなどの、より広範囲な機能がサポートされています。Microsoft RDP の使用を参照してください。 Citrix ICA プロトコルを使用してアプリケーションを実行するには、「Citrix ICA プロトコル」を選択します。 |
ドメイン名 | アプリケーションサーバーの認証プロセスに使用する Windows ドメイン。
このフィールドは空白のままにすることができます。このドメインはまた、アプリケーションサーバーまたはユーザープロファイルのどちらでも設定できます。Windows ドメインとパスワードキャッシュも参照してください。 |
セッション数 | ユーザーが実行できるアプリケーションのインスタンスの数。デフォルト値は 3 です。 |
アプリケーションの再開機能 | アプリケーションを再開可能にする期間を指定します。次のオプションが使用できます。 |
ウィンドウタイプ | アプリケーションをユーザーに表示する方法。
フルスクリーンのデスクトップセッションにキオスクを使用します。「ウィンドウのサイズ」の「ウィンドウに合わせて拡大縮小する」チェックボックスを選択すると、SGD は、クライアントデバイスのディスプレイに合わせてアプリケーションウィンドウを拡大縮小できます。 independent ウィンドウの場合は、「ウィンドウのサイズ」の「高さ」と「幅」を指定するか、または「クライアントの最大サイズ」チェックボックスを選択する必要があります。 ユーザーのデスクトップ環境には関係なく、Windows アプリケーションサーバー上に表示される場合と同じ方法でアプリケーションを表示するには、「シームレスウィンドウ」モードを使用します。シームレスウィンドウを参照してください。 |
発色数 | アプリケーションの発色数。
詳細については、発色数を参照してください。 |
アプリケーションの負荷分散 | SGD がアプリケーションの実行にもっとも適したアプリケーションサーバーを選択する方法を指定します。
詳細については、アプリケーションの負荷分散を参照してください。 |
「ホストしているアプリケーションサーバー」タブ | 「編集可能な割り当て」テーブルを使用して、アプリケーションを実行できるアプリケーションサーバーまたはアプリケーションサーバーのグループを選択します。 |
割り当て済みのユーザープロファイルタブ | 「編集可能な割り当て」テーブルを使用して、アプリケーションを表示できるユーザーを選択します。ディレクトリオブジェクトまたはディレクトリ (軽量) オブジェクトを選択すると、多数のユーザーに一度にアプリケーションを提供できます。また、LDAP (Lightweight Directory Access Protocol) ディレクトリを使用してアプリケーションを割り当てることもできます。LDAP 割り当てを参照してください。 |
コマンド行では、tarantella object new_windowsapp コマンドを使用して Windows アプリケーションオブジェクトを作成します。また、tarantella object script コマンドを使用して、一度に複数の Windows アプリケーションオブジェクトを作成することもできます。バッチスクリプトを使用した SGD 組織階層の移植を参照してください。
ここでは、Windows プロトコルとして Microsoft RDP を使用する Windows アプリケーションオブジェクトのための詳細設定について説明します。
Windows アプリケーションオブジェクトの Windows プロトコルとして「Microsoft RDP プロトコル」を選択すると、Microsoft Windows ターミナル サービスを使用できます。
注 - Windows Server 2008 R2 以降、ターミナル サービスはリモート デスクトップ サービスという名称に変更されます。 |
次の表は、SGD でサポートされているターミナル サービスの機能と、それらの機能がサポートされているアプリケーションサーバープラットフォームを示しています。
ターミナル サービスの機能 | Windows Server 2003 | Windows Server 2008 | Windows XP Professional | Windows Vista Ultimate | Windows Vista Business |
---|---|---|---|---|---|
オーディオのリダイレクト | √ | √ | √ | √ | √ |
クリップボードのリダイレクト | √ | √ | √ | √ | √ |
COM ポートマッピング | √ | √ | √ | √ | √ |
暗号化レベル | √ | √ | √ | √ | √ |
セッション ディレクトリ | √ | √ | √ | √ | √ |
スマートカードデバイスのリダイレクト | √ | √ | √ | √ | √ |
タイムゾーンのリダイレクト | √ | √ | √ | √ | √ |
Windows プリンタ マッピング | √ | √ | √ | √ | √ |
Microsoft Windows ターミナル サービスに対しては、数多くの設定が考えられます。ターミナル サービスの設定の詳細については、使用しているシステムのマニュアルを参照してください。SGD で ターミナル サービスを使用するには、次の設定を行う必要があります。
注 - ターミナル サービスの設定に加えた変更は、新しい Windows ターミナル サーバー セッションでのみ有効になります。 |
Windows ターミナル サービスを、ユーザーがログインしたときにパスワードの入力が要求されないように設定する必要があります。
デフォルトでは、Windows 2000 Server は、SGD がそのパスワードキャッシュからアプリケーションサーバーにパスワードを提供するかしないかにかかわらず、ユーザーのログイン時に必ずパスワードの入力を要求します。デフォルトでは、Windows Server 2003 以降ではパスワードの入力が要求されません。
Windows ターミナル サービスでは、接続が失われたあともユーザーのセッションを実行し続けることができます。
セッション ディレクトリを使用していない場合は、Windows ターミナル サーバーでこの機能を無効にして、セッションの再開機能を SGD で処理するようにすることをお勧めします。これにより、アプリケーションサーバー上のリソースを不必要に使用することを予防し、ユーザーがアプリケーションサーバー上のアカウントを共有している場合に、他のユーザーの Windows セッションを相互に再開することのないようにします。この機能を無効にするには、「ターミナル サービスの構成」で「セッションの制限に達したり接続が中断した場合:」オプションの「セッションを終了する」を選択する必要があります。
セッション ディレクトリを使用してセッションの再開機能を処理している場合は、「ターミナル サービスの構成」で「セッションの制限に達したり接続が中断した場合:」オプションの「セッションを中断する」を選択する必要があります。また、セッション ディレクトリを使用するには、Windows アプリケーションオブジェクトの「ウィンドウを閉じるアクション」属性を「アプリケーションセッションを終了」に設定することも必要です。
Windows ターミナル サーバー セッションからクライアントプリンタへの印刷をサポートするには、Windows プリンタ マッピングを使用可能にする必要があります。Windows プリンタ マッピングは、デフォルトで有効になっています。
SGD では、低、クライアント互換、または高の暗号化レベルのみを使用できます。SGD は、Federal Information Processing Standards (FIPS) 暗号化レベルをサポートしていません。
デフォルトでは、Microsoft Windows Server では 1 つのターミナル サービス セッションの開始しか許可されません。別のデスクトップセッションを開始した場合、または同じ引数で別のアプリケーションインスタンスを開始した場合は、2 番目のターミナル サービス セッションが最初のセッションに「置き換わり」、最初のセッションを切断します。つまり、同じ Windows Server 上で、2 つのデスクトップセッションまたは同じアプリケーションの 2 つのインスタンスを開始することはできません。
Microsoft Windows Server 2003 以降のアプリケーションサーバーでは、複数のターミナル サービス セッションのサポートを有効にすることができます。
Microsoft Windows Server 2003 以降のアプリケーションサーバーでは、Remote Desktop Users グループのメンバーだけがターミナル サービスを使用できます。
クライアントコンピュータは、デスクトップまたはアプリケーションセッションに正しいタイムゾーン時間が表示されるように、タイムゾーン設定をターミナル サーバーにリダイレクトできます。ターミナルサービスは、ターミナルサーバー上のサーバー時間とクライアントタイムゾーンの情報を使用して、セッションの時間を計算します。この機能は、複数のクライアントデバイスが異なるタイムゾーンに存在する場合に有効です。デフォルトでは、この機能は使用不能になっています。
Administration Console では、「グローバル設定」→「クライアントデバイス」タブの「タイムゾーンマップファイル」属性によって、UNIX プラットフォームのクライアントデバイスと Windows アプリケーションサーバーのタイムゾーン名との間のマッピングを含むファイルが指定されます。
Windows ターミナル サーバー セッションからオーディオを再生するには、アプリケーションサーバーでオーディオのリダイレクトを有効にする必要があります。デフォルトでは、オーディオのリダイレクトは無効になっています。
Windows ターミナル サーバー セッションからスマートカードリーダーを使用するには、アプリケーションサーバーでスマートカードデバイスのリダイレクトを有効にする必要があります。デフォルトでは、スマートカードデバイスのリダイレクトは有効になっています。
Windows ターミナル サーバー セッションからクライアントデバイス上のシリアルポートにアクセスするには、アプリケーションサーバーで COM ポートマッピングを有効にする必要があります。デフォルトでは、COM ポートマッピングは無効になっています。
SGD は、Windows ターミナルサーバーのセッションで 8 ビット、16 ビット、および 24 ビットの発色数をサポートします。
15 ビットおよび 32 ビットの発色数はサポートされていません。これらの発色数がターミナル サーバーで指定された場合、SGD は 15 ビットを 8 ビット、および 32 ビットを 24 ビットに自動的に調整します。
Microsoft Windows Server 2003 以降では、サーバーの認証およびターミナル サーバーの通信の暗号化にトランスポート層セキュリティ (TLS) を使用できます。SGD は TLS の使用をサポートしていません。
Windows Server 2003 以降では、ターミナル サービスの設定を、次のようにグループ ポリシーを使用して設定できます。
個々の Windows ターミナル サーバーは、ローカル グループ ポリシー オブジェクト (LGPO) を使用して設定できます。グループ ポリシー オブジェクト エディタでは、ターミナルサービスの設定はローカル コンピュータ ポリシー\コンピュータの構成\管理用テンプレート\Windows コンポーネント\ターミナル サービス にあります。
複数の Windows ターミナル サーバーは、ドメインまたは組織単位 (OU) にリンクされたグループ ポリシー オブジェクト (GPO) を使用して設定できます。
パフォーマンスを向上させるために、次のポリシーの一部またはすべてを設定することもできます。
キープアライブ接続。このポリシーは、ターミナル サービス セッションのキープアライブ時間間隔を指定します。Windows ターミナル サーバーのキープアライブ設定も参照してください。
発色数の最大値を制限する。このポリシーは、クライアントデバイスの発色数を制御します。このポリシーを設定する方法の詳細については、Microsoft サポート技術情報の記事 278502 を参照してください。
Microsoft Windows の一部のエディションには、Microsoft RDP を使用してコンピュータにアクセスできるリモート デスクトップ機能が含まれています。たとえば、SGD とリモート デスクトップを使用して、オフィスの外部のユーザーにオフィスの PC へのアクセスを許可できます。
リモートデスクトップは、次のプラットフォームでサポートされています。
SGD を導入する前に、Microsoft Windows コンピュータへのリモート デスクトップ接続が機能していることを確認する必要があります。
リモート デスクトップを使用できるように SGD を設定するには、次の作業を行います。
完全な Windows デスクトップセッションだけがサポートされます。Windows コンピュータ上で特定のアプリケーションを実行することはできません。シームレスウィンドウはサポートされません。ユーザーが各自のコンピュータに確実にアクセスできるようにするには、Microsoft Windows コンピュータごとに個別の Windows デスクトップアプリケーションオブジェクトを作成する必要があります。
クライアントドライブマッピングを使用するには、Microsoft Windows コンピュータに Windows 対応の SGD 拡張モジュールをインストールします。
SGD Webtop を表示せずにフルスクリーンのデスクトップセッションを実行する方法の詳細については、My Desktop の使用を参照してください。
シームレスウィンドウを使用する場合、Microsoft Windows アプリケーションサーバーがアプリケーションの表示を管理します。つまり、ユーザーのデスクトップ環境にかかわらず、そのアプリケーションサーバー上に表示される場合と同様にアプリケーションのウィンドウが動作します。ウィンドウは、サイズ変更、重ねて表示、最大化、および最小化することができます。シームレスウィンドウを使用しているときは、Windows の「スタート」メニューとタスクバーは表示されません。
シームレスウィンドウは、Windows デスクトップセッションの表示には適していません。代わりに、キオスクウィンドウまたは independent ウィンドウを使用してください。
Windows アプリケーションオブジェクトは、Windows プロトコルとして Microsoft RDP を使用するように設定されている必要があります。また、「ウィンドウタイプ」はシームレスウィンドウである必要があります。
上記の条件のいずれかが満たされていない場合、SGD は代わりに independent ウィンドウに Windows アプリケーションを表示します。
アプリケーションをシームレスウィンドウに表示する場合の注意事項とヒントをいくつか次に示します。
アプリケーションがシームレスウィンドウに表示されている場合は、Scroll Lock キーを押すことによって、シームレスウィンドウと independent ウィンドウを切り替えることができます。これは SGD Client が統合モードのときは機能しません。
スキンのカスタマイズされたメディアプレイヤーなど、四角形以外のウィンドウを持つアプリケーションは、四角形のウィンドウに表示されます。
Windows クライアントデバイスでは、「重ねて表示」、「上下に並べて表示」、または「左右に並べて表示」ウィンドウコマンドを実行しても、シームレスウィンドウには効果はありません。
スクリーンセーバーまたは「Windows セキュリティー」ダイアログボックスが表示されると、ウィンドウは自動的に independent ウィンドウに切り替わります。アプリケーションをロック解除すると、ウィンドウは自動的にシームレスウィンドウに戻ります。
シームレスウィンドウアプリケーションが、元のセッションより大きいサイズまたは小さいサイズのディスプレイで再開される場合、アプリケーションは independent ウィンドウに表示されます。
シームレスウィンドウに表示されるよう設定されているアプリケーションに GNOME 2.0.0 デスクトップからアクセスすると、アプリケーションが正しく表示されないことがあります。原因は、Metacity ウィンドウマネージャーが、パッチの適用されていないバージョンであるためです。この問題を解決するためには、GNOME 2.0.0 ウィンドウマネージャーのパッチをインストールします。パッチ ID は 115780 です。Sun Support Center (http://www.sun.com/support) から入手できます。
Windows ターミナル サービス セッション内のクライアントデバイス上でキーボードが押されたときの SGD での処理方法を、次のように設定できます。
SGD は、Windows ターミナル サービス セッション用に次のキーボードショートカットをサポートしています。
SGD Windows ターミナル サービス セッションでは、Windows キーおよびウィンドウ管理用のキーボードショートカットを、リモートセッションに送信することも、ローカルで実行することもできます。デフォルトでは、ローカルで実行されます。
「キオスク」モードで表示するように設定されている Windows アプリケーションオブジェクトの場合は、「ウィンドウ管理キー」(--remotewindowkeys) 属性によってキーボードショートカットの動作が設定されます。Windows キーとウィンドウ管理キーをリモートセッションに送信するには、次のどちらかを実行します。
Administration Console で、Windows アプリケーションオブジェクトの「クライアントデバイス」タブに移動し、「ウィンドウ管理キー」チェックボックスを選択します。
$ tarantella object edit --name obj --remotewindowkeys 1 |
Windows キーとウィンドウ管理キーをリモートセッションに送信している場合に「キオスク」モードを終了するには、キーシーケンス Alt + Ctrl + Shift + スペースを使用します。これにより、ローカルデスクトップ上でキオスクセッションがアイコン化されます。または、「キオスク」モードを終了するために、「キオスクモードのエスケープ」(--allowkioskescape) 属性を使用してアプリケーションウィンドウのプルダウンヘッダーを有効にすることもできます。プルダウンヘッダーには、キオスクセッションの最小化と終了のアイコンが含まれています。
「キオスク」モードで表示するように設定されていない Windows アプリケーションオブジェクトの場合は、SGD ターミナルサービスクライアントの -windowskey オプションを使用して、Windows キーを強制的にリモートセッションに送信することができます。Windows キーをリモートセッションに送信するには、次のどちらかを実行します。
SGD で Windows キーボードマップを設定するプロセスは、X アプリケーションのキーボードマップの設定に使用されるプロセスと同じです。キーボードマップも参照してください。
注 - Windows アプリケーションの場合は、キー配列がクライアントデバイス上とアプリケーションサーバー上で同じである必要があります。 |
デフォルトでは、Microsoft RDP プロトコルを使用して SGD から Windows アプリケーションを実行すると、クライアントデバイスのホスト名が Windows ターミナル サービス セッションの %CLIENTNAME% 環境変数で返されます。Sun Ray デスクトップユニット (DTU) クライアントデバイスを使用している場合は、DTU ID が %CLIENTNAME% 環境変数で返されます。DTU ID は Sun Ray のハードウェアアドレスです。
DTU ID は wcpwts.exp ログインスクリプトでクライアントデバイスの名前を指定するために使用できます。SGD では、Microsoft RDP プロトコルを使用して接続するすべての Windows アプリケーションにこのログインスクリプトが使用されます。
SGD ターミナルサービスクライアント (ttatsc とも呼ばれる) は、SGD サーバーと Windows ターミナル サーバーの間の接続を処理するクライアントプログラムです。
コマンド行から ttatsc を実行するための構文は次のとおりです。
ttatsc [-options..] server.example.com
ここで、server.example.com は Windows ターミナル サーバーの名前です。
ttatsc を使用して、次の方法で Windows ターミナル サービス セッションを設定できます。
Windows アプリケーションオブジェクトの「プロトコルの引数」(--protoargs) 属性を設定します。この属性を使用すると、Windows アプリケーションオブジェクトのために使用される ttatsc コマンドオプションを指定できます。
wcpwts.exp ログインスクリプトを編集して、ttatsc コマンドオプションを指定します。このファイルに加えた変更はすべて、Microsoft RDP プロトコルを使用して接続するすべての Windows アプリケーションのために使用されます。
ttatsc コマンドでは、次のオプションがサポートされています。
オプション | 説明 |
---|---|
-application application |
ターミナルサービスセッションで実行されるアプリケーション。 |
-audioquality low|medium|high |
オーディオのリダイレクトの品質を設定します。 |
-bulkcompression on|off |
接続のデータ圧縮を有効または無効にします。 |
-console |
通常の RDP セッションを開始する代わりに、コンソールセッションに接続します。 |
-crypt on|off |
接続の暗号化を設定します。デフォルト設定 (on) によって、ユーザーに最高の操作性が提供されます。 |
-defaultdepth |
ターミナルサーバーで X セッションのデフォルトの発色数を設定できるようにするかどうかを指定します。 |
-desktop |
フルスクリーンのデスクトップセッションを表示するかどうかを指定します。 |
-dir working_dir |
ターミナルサービスセッションの作業用ディレクトリ。これはアプリケーションで上書きできます。 |
-display X display |
接続先の X ディスプレイ。 |
-domain domain |
認証の対象となるターミナルサーバー上のドメイン。 |
-keyboard language_tag |
入力ロケール。RFC1766 言語タグを指定します。 |
-name client name |
クライアントデバイスの名前。 |
-netbiosname name |
クライアントデバイスの NetBIOS 名。ターミナルサーバー上のリダイレクトされたプリンタ名のために使用されます。 |
-noaudio |
オーディオのリダイレクトを無効にします。 |
-nofork |
ttatsc をバックグラウンドプロセスとして実行しません。 |
-opts file |
ファイルからの読み取りコマンドオプション。詳細については、設定ファイルの使用を参照してください。 |
-password password |
ターミナルサービスユーザーのパスワード。 |
-perf disable wallpaper|fullwindowdrag |menuanimations|theming| cursorshadow|cursorsettings |
パフォーマンスを向上させるために表示オプションを無効にします。使用可能な設定は次のとおりです。
|
-port port |
ターミナルサーバー上の接続先の RDP ポート。デフォルトの設定値は 3389 です。 |
-printcommand command |
このオプションは推奨されていません。 |
-sharedcolor |
個人用のカラーマップを使用しません。 |
-size width height |
ターミナルサービスセッションの表示幅と表示高 (ピクセル単位)。 |
-spoil |
このオプションは推奨されていません。 |
-stdin |
標準入力からの読み取りコマンドオプション。ttatsc にコマンドオプションを渡すために、ログインスクリプトによって使用されます。 |
-storage data_dir |
このオプションは推奨されていません。 |
-swmopts on|off |
シームレスウィンドウを使用するアプリケーションのローカルウィンドウ階層を有効にします。一部の Borland アプリケーションに必要です。 |
-timeout connect secs |
ターミナルサーバーへの接続のタイムアウト (秒単位)。 |
-timeout establish secs |
RDP 接続の確立のタイムアウト (秒単位)。 |
-uncompressed |
このオプションは推奨されていません。 |
-user username |
ターミナルサービスユーザーのユーザー名。 |
-windowskey on|off |
ターミナルサービスセッションの Windows キーを有効にするか無効にするかを指定します。デフォルト設定は on です。 |
ここでは、X アプリケーションオブジェクトを設定する方法について説明します。
Administration Console では、X アプリケーションオブジェクトの設定が次のタブに分けられています。
「起動」タブ - これらの設定によって、アプリケーションの起動方法や、アプリケーションセッションを中断および再開できるかどうかが制御されます。
「クライアントデバイス」タブ - これらの設定によって、ユーザーのクライアントデバイスがアプリケーションと対話する方法が制御されます。
次の表に、X アプリケーションオブジェクトを設定するためにもっとも一般的に使用される設定と、その使用方法を示します。
属性 | 説明 |
---|---|
名前 | ユーザーに表示される名前。 |
アイコン | ユーザーに表示されるアイコン。 |
アプリケーションコマンド | ユーザーがリンクをクリックしたときに起動されるアプリケーションへのフルパス。
アプリケーションのインストール先は、すべてのアプリケーションサーバー上で同じ場所でなければいけません。 デスクトップセッション用に一般的に使用されるコマンドを、次に示します。 共通デスクトップ環境アプリケーションの設定および VMS アプリケーションの設定も参照してください。 |
コマンドの引数 | アプリケーションの起動時に使用するすべてのコマンド行引数。 |
接続方法 | SGD がアプリケーションサーバーへの接続に使用するメカニズム (たとえば、telnet または ssh)。 |
セッション数 | ユーザーが実行できるアプリケーションのインスタンスの数。デフォルト値は 3 です。 |
アプリケーションの再開機能 | アプリケーションを再開可能にする期間を指定します。次のオプションが使用できます。 |
セッション終了 | SGD サーバーがアプリケーションセッションを終了するときの環境。 |
ウィンドウタイプ | アプリケーションをユーザーに表示する方法。
フルスクリーンのデスクトップセッションにキオスクを使用します。「ウィンドウのサイズ」の「ウィンドウに合わせて拡大縮小する」チェックボックスを選択すると、SGD は、クライアントデバイスのディスプレイに合わせてアプリケーションウィンドウを拡大縮小できます。 アプリケーションを、クライアントデバイス上で実行されているかのように表示するには、「クライアントウィンドウ管理」を使用します。 ほかのウィンドウタイプの場合は、「ウィンドウのサイズ」の「高さ」と「幅」を指定するか、または「クライアントの最大サイズ」チェックボックスを選択する必要があります。 |
発色数 | アプリケーションの発色数。
SGD は、複数の発色数を使用する X アプリケーションをサポートしています。したがって、たとえば 24/8 ビットを選択することによって、24 ビットのデスクトップセッション内で 8 ビットアプリケーションを実行できます。 |
アプリケーションの負荷分散 | SGD がアプリケーションの実行にもっとも適したアプリケーションサーバーを選択する方法を指定します。
詳細については、アプリケーションの負荷分散を参照してください。 |
「ホストしているアプリケーションサーバー」タブ | 「編集可能な割り当て」テーブルを使用して、アプリケーションを実行できるアプリケーションサーバーまたはアプリケーションサーバーのグループを選択します。 |
割り当て済みのユーザープロファイルタブ | 「編集可能な割り当て」テーブルを使用して、アプリケーションを表示できるユーザーを選択します。ディレクトリオブジェクトまたはディレクトリ (軽量) オブジェクトを選択すると、多数のユーザーに一度にアプリケーションを提供できます。また、LDAP ディレクトリを使用してアプリケーションを割り当てることもできます。LDAP 割り当てを参照してください。 |
印刷 - 印刷を参照してください。
クライアントドライブ - クライアントドライブマッピングを参照してください。
オーディオ - オーディオを参照してください。
コピー&ペースト - コピー&ペーストを参照してください。
コマンド行では、tarantella object new_xapp コマンドを使用して X アプリケーションオブジェクトを作成します。また、tarantella object script コマンドを使用して、一度に複数の X アプリケーションオブジェクトを作成することもできます。バッチスクリプトを使用した SGD 組織階層の移植を参照してください。
デフォルトでは、SGD は X 認証を使用して X ディスプレイを保護します。この属性を設定すると、承認されていないユーザーが X ディスプレイにアクセスすることを防ぐことができます。
X アプリケーションに対する X 認証のトラブルシューティングについては、X 認証が有効になっているときにアプリケーションの起動に失敗するを参照してください。
SGD には、コンパイル形式 (.pcf) と圧縮形式の標準の X Window System フォントと、さまざまな UNIX システムで必要な追加フォントが含まれています。詳細については、Fonts in X11R6.8.2を参照してください。フォントは、/opt/tarantella/etc/fonts ディレクトリにインストールされます。
SGD で使用可能な X フォントおよびフォントディレクトリを次に示します。
ディレクトリ | 説明 |
---|---|
75dpi | 可変ピッチの 75 dpi フォント。 |
100dpi | 可変ピッチの 100 dpi フォント。 |
andrew | 一部の IBM アプリケーションに必要な Andrew ツールキットのフォント。 |
CID | CID キー指定フォントのプレースホルダ。ユーザー独自の CID フォントを追加して SGD で使用する場合は、このディレクトリにフォントをインストールします。 |
cyrillic | キリル文字のフォント。 |
encodings | Type1 および TrueType フォントハンドラで使用されるエンコーディングファイルのセット。 |
hangul | 韓国語フォント。 |
hp | 一部の Hewlett-Packard アプリケーションに必要なフォント。 |
icl | 一部の ICL アプリケーションに必要なフォント。 |
misc | 固定ピッチフォント、カーソルフォント、および旧バージョンの X との互換性のために必要なフォント。 |
oriental | 漢字およびその他の東洋諸語のフォント。 |
scoterm | カーソルフォント。 |
TTF | True Type フォント。 |
Type1 | PostScript |
SGD では、次の方法を使用してユーザー独自の X フォントを使用可能にできます。
フォントディレクトリを使用します。フォントディレクトリの使用を参照してください。
フォントサーバーを使用します。フォントサーバーの使用を参照してください。
X フォントを使用可能にしたあと、そのフォントを使用するようにアレイ内の各 SGD サーバーを設定する必要があります。ユーザー独自の X フォントを使用するように SGD を設定する方法を参照してください。
フォントディレクトリを使用するには、.pcf 形式のフォントをアレイ内の各 SGD サーバー上のディレクトリにコピーし、ファイル名を X 論理フォント記述にマッピングする fonts.dir ファイルを含めます。フォントは compress または gzip で圧縮できます。
fonts.dir ファイルには、次の例のような行が記載されています。
COURBO10.pcf -Adobe-Courier-Bold-0-Normal-10-100-75-75-M-60-ISO8859-1 |
フォントディレクトリに fonts.dir ファイルが含まれていない場合は、ほとんどの UNIX システムで使用可能な mkfontdir などのプログラムを使用して作成できます。
また、ディレクトリ内のフォントの別名を指定する fonts.alias ファイルを含めることもできます。fonts.alias ファイルは、1 つの別名を 1 つの X 論理フォント記述にマッピングします。次に例を示します。
variable *-helvetica-bold-r-normal-*-*-140-* |
SGD サーバーにログインしているユーザーがいないこと、および中断されているアプリケーションセッションも含め、SGD サーバー上で実行されているアプリケーションセッションがないことを確認してください。
SGD は、キーボードマップ (キーマップ) ファイルを使用して、X アプリケーションのキーボード入力を処理します。キーマップファイルには、キーボードのキーのリストと、これらのキーが押されたときに生成される対応する文字が含まれています。
デフォルトでは、SGD サーバーは、Administration Console の SGD サーバーの「プロトコルエンジン」→「X」タブにある「キーボードマップ」属性で指定されたロケールに対応するキーマップファイルを使用します。
特定のユーザーのロケールは、ユーザープロファイルオブジェクトの「キーボードマップ」(--keymap) 属性を設定することによって上書きすることができます。
アプリケーションがデフォルトのキーボードマッピングを変更できないようにするには、アプリケーションオブジェクトの「キーボードマップ: ロック」(--lockkeymap) 属性を設定します。
キーマップファイルは、SGD サーバーの /opt/tarantella/etc/data/keymaps ディレクトリにあります。このディレクトリには、もっとも一般的なキー配列のキーマップファイルが含まれています。このディレクトリ内のキーマップファイルは、x で始まるファイル名を持っています。たとえば、xuniversal.txt キーマップファイルは、汎用 (英語 (米国)) キーボードのキーをマッピングするために使用されます。
SGD は、/opt/tarantella/etc/data/keymaps/xlocales.txt ファイルを使用して、指定されたロケールのキーマップファイルを検索します。このファイルは、ロケールをキーマップファイルにマッピングします。たとえば、xlocales.txt は、en_US のロケール設定に対して xuniversal.txt キーマップファイルを指定します。
ここでは、文字型アプリケーションオブジェクトを設定する方法について説明します。また、端末エミュレータのマッピングについても説明します。
VT420、Wyse 60、または SCO コンソールの文字型アプリケーションをユーザーに提供する場合は、文字型アプリケーションオブジェクトを使用します。
Administration Console では、文字型アプリケーションオブジェクトの設定が次のタブに分けられています。
「起動」タブ - これらの設定によって、アプリケーションの起動方法や、アプリケーションセッションを中断および再開できるかどうかが制御されます。
「クライアントデバイス」タブ - これらの設定によって、ユーザーのクライアントデバイスがアプリケーションと対話する方法が制御されます。
次の表に、文字型アプリケーションオブジェクトを設定するためにもっとも一般的に使用される設定と、その使用方法を示します。
属性 | 説明 |
---|---|
名前 | ユーザーに表示される名前。 |
アイコン | ユーザーに表示されるアイコン。 |
アプリケーションコマンド | ユーザーがリンクをクリックしたときに起動されるアプリケーションへのフルパス。
アプリケーションのインストール先は、すべてのアプリケーションサーバー上で同じ場所でなければいけません。 VMS (Virtual Memory System) 文字型アプリケーションを設定する方法の詳細については、VMS アプリケーションの設定も参照してください。 |
コマンドの引数 | アプリケーションの起動時に使用するすべてのコマンド行引数。 |
接続方法 | SGD がアプリケーションサーバーへの接続に使用するメカニズム (たとえば、telnet または ssh)。 |
セッション数 | ユーザーが実行できるアプリケーションのインスタンスの数。デフォルト値は 3 です。 |
アプリケーションの再開機能 | アプリケーションを再開可能にする期間を指定します。次のオプションが使用できます。 |
ウィンドウを閉じるアクション | ユーザーがウィンドウマネージャーデコレーションを使って、メインアプリケーションウィンドウを閉じた場合の処理。この属性を適用できるのは、independent ウィンドウを使用するアプリケーションに限られます。 |
ウィンドウタイプ | アプリケーションをユーザーに表示する方法。
「independent ウィンドウ」が選択されている場合は、「ウィンドウのサイズ」の「高さ」と「幅」を指定するか、または「クライアントの最大サイズ」チェックボックスを選択する必要があります。 |
エミュレーションタイプ | エミュレートする文字型アプリケーションのタイプ。SGD は、VT420、Wyse 60、または SCO コンソールの文字型アプリケーションをサポートしています。 |
端末タイプ | アプリケーションの端末タイプ。デフォルトの端末タイプを受け入れるか、または「カスタム」フィールドにユーザー独自のタイプを入力します。 |
アプリケーションの負荷分散 | SGD がアプリケーションの実行にもっとも適したアプリケーションサーバーを選択する方法を指定します。
詳細については、アプリケーションの負荷分散を参照してください。 |
「ホストしているアプリケーションサーバー」タブ | 「編集可能な割り当て」テーブルを使用して、アプリケーションを実行できるアプリケーションサーバーまたはアプリケーションサーバーのグループを選択します。 |
割り当て済みのユーザープロファイルタブ | 「編集可能な割り当て」テーブルを使用して、アプリケーションを表示できるユーザーを選択します。ディレクトリオブジェクトまたはディレクトリ (軽量) オブジェクトを選択すると、多数のユーザーに一度にアプリケーションを提供できます。また、LDAP ディレクトリを使用してアプリケーションを割り当てることもできます。LDAP 割り当てを参照してください。 |
ユーロ文字を使用および表示するには、端末セッションが 8 ビット文字を表示できるように設定されている必要があります。これを設定するには、stty -istrip コマンドを入力します。また、クライアントデバイスも、ユーロ文字を入力できるように設定されている必要があります。
コマンド行では、tarantella object new_charapp コマンドを使用して文字型アプリケーションオブジェクトを作成します。また、tarantella object script コマンドを使用して、一度に複数の文字型アプリケーションオブジェクトを作成することもできます。バッチスクリプトを使用した SGD 組織階層の移植を参照してください。
SGD 端末エミュレータは、ユーザーのクライアントキーボードのキーを実際の端末のキーと対応させます。端末エミュレータのタイプ (SCO コンソール、Wyse 60、VT420) ごとに、デフォルトのキーボードマッピングがあります。
デフォルトのマッピングを変更したり、特定のアプリケーション用に追加のマッピングを定義したりするには、オブジェクトの「キーボードマップ」属性を使用すると、ユーザー独自のキーボードマップファイルを指定できます。
エミュレータには組み込みのキーボードマップがあり、その内容は /opt/tarantella/etc/data/keymaps ディレクトリにある次のサンプルキーマップファイルと同一です。
注 - 上記のキーボードマップを変更しても、SGD が使用するデフォルトのマッピングは変更されません。そのための唯一の方法は、アプリケーションオブジェクトの「キーボードマップ」属性にキーボードマップを指定することです。 |
ユーザー独自のキーボードマップを作成するには、サンプルのキーボードマップファイルのコピーを作成して、アプリケーションに合わせて変更します。キーボードマップは任意のテキストエディタで変更できます。
ClientKeys=Translation
ここで、ClientKeys は、ユーザーがクライアントデバイス上で押す 1 つまたは複数のキーです。また、Translation は、アプリケーションサーバー上のアプリケーションに送信される 1 つまたは複数のキーストロークです。次に例を示します。
PageDown=Next
上記のマッピングでは、ユーザーが Page Down キーを押すと、エミュレータがキーストローク Next をアプリケーションサーバーに送ります。
特定のキーにユーザー定義のマッピングがある場合、デフォルト設定は無効にされます。ユーザー定義のマッピングが存在しない場合は、デフォルトのマッピングがアプリケーションサーバーに送信されます。
文字列を二重引用符 (") で囲むことにより、キーを 1 回押すだけで完全な文字列を送信できます。次に例を示します。
F1="hello world"
文字列をマッピングする際に印字されない文字を入力するには、次の表に示すコードを使用します。
コード | 意味 |
---|---|
\r | キャリッジリターン |
\n | ラインフィード |
\" | 二重引用符 |
\e | エスケープ |
\t | タブ |
\nnn | nnn は文字の 8 進数値です。 |
\xHH | HH は文字の 16 進数値です。 |
マッピングで修飾キー (Shift、Control、Alt など) を指定するには、キーをプラス記号 (+) で区切ります。次に例を示します。
Shift+NUMLOCK=INSLINE Shift+F1="\0330a" Alt+Shift+Control+DELETE="\003[33~"
次のリストに、SGD キーボードマップで有効なキーの名前を示します。クライアントデバイスのキーのリストはユーザーのクライアントデバイス上で表示されるキーの名前です。これらのキーの名前は、アプリケーションサーバーのキーストロークに示すエミュレータキーの名前にマッピングでき、そのキーストロークが最終的にアプリケーションサーバー上のアプリケーションに送信されます。
注 - これらのキーの名前の間のデフォルトマッピングは、SGD で提供するキーボードマップに記載されているとおりです。キーボードマップにキーがない場合、そのキーはマッピングされていません。 |
端末エミュレータの属性マップを使用すると、太字や下線などの文字属性を SGD 端末エミュレータで表示する方法を変更できます。たとえば、通常は太字で下線が付いているテキストを、SGD 端末エミュレータでは赤字で表示するよう指定できます (ただし、赤字「かつ」太字下線付きではありません)。
SGD には、デフォルトの属性マップ /opt/tarantella/etc/data/attrmap.txt が用意されています。これは、文字属性を論理色 Color_15 (白) にマッピングします。また、ユーザー独自の属性マップを作成することもできます。
SGD 属性マップを使用すると、次の属性をマッピングできます。
属性の組み合わせをマッピングするには、属性をプラス記号 (+) で区切ります。たとえば、Bold+Underline のように指定します。
端末エミュレータで色を表示するために、SGD は論理色を RGB 値にマッピングします。たとえば、論理色 Color_9 は RGB 値 128 0 0 (赤) に対応します。
属性マップで属性を色にマッピングする場合、論理色名を指定します。次に例を示します。
Bold+Underline=Color_9
Inverse+Blinking=Color_1
論理色と RGB 値 のマッピングの一覧表については、attrmap.txt のコメントを参照してください。
端末エミュレータで使うカラーマップを編集することにより、デフォルトの色マッピングを変更できます。端末エミュレータのカラーマップを参照してください。
注 - Wyse 60 端末には白黒のみが表示されます。ただし、SGD Wyse 60 端末エミュレータを使用することにより、Wyse 60 アプリケーションで色を表示できます。そのためには、属性マップを使うことにより、Wyse 60 アプリケーションの文字属性を色にマッピングします。 |
SCO コンソール (ANSI) と VT420 端末は、16 色をサポートしています。SGD 端末エミュレータはカラーマップを使って、アプリケーションセッションでの色の表示方法を決定します。
注 - Wyse 60 端末は白黒です。切り換えることができるのは、カラーマップを使う背景の色と文字の色 (白と黒) に限られます。しかし、太字や下線などの文字属性を端末エミュレータでサポートする 16 色の論理色のいずれかにマッピングできます。端末エミュレータの属性マップを参照してください。 |
カラーマップは、論理色 Color_0 から Color_15 まで (始めと終わりを含む) を、SGD がこれらの色を表示するのに使う色と RGB 値にマッピングします。デフォルトのマッピングは次のとおりです。
論理色 | 端末での色 | SGD によって使用される RGB 値 |
---|---|---|
Color_0 | 黒 | 0 0 0 |
Color_1 | 明るい赤 | 255 0 0 |
Color_2 | 明るい緑 | 0 255 0 |
Color_3 | 黄色 | 255 255 0 |
Color_4 | 明るい青 | 0 0 255 |
Color_5 | 明るい赤紫 | 255 0 255 |
Color_6 | 明るい藍色 | 0 255 255 |
Color_7 | 明るい白 | 255 255 255 |
Color_8 | 灰色 | 128 128 128 |
Color_9 | 赤 | 128 0 0 |
Color_10 | 緑 | 0 128 0 |
Color_11 | 茶色 | 128 128 0 |
Color_12 | 青 | 0 0 128 |
Color_13 | 赤紫 | 128 0 128 |
Color_14 | 藍色 | 0 128 128 |
Color_15 | 白 | 192 192 192 |
特定のアプリケーション用にデフォルト値を変更するには、ユーザー独自のカラーマップを作成し、アプリケーションオブジェクトの「カラーマップ」属性に指定します。
デフォルトのテキスト形式のカラーマップは、/opt/tarantella/etc/data/colormap.txt です。
ここでは、アプリケーションの設定に関するヒントと、SGD で使用するドキュメン トについて説明します。ここで説明する内容は、次のとおりです。
SGD では、Webtop を表示せずに単一のアプリケーションまたはフルスクリーンのデスクトップセッションを起動できます。これを行うには、次のいずれかの方法を使用します。
注 - アプリケーションがユーザーに割り当てられていない場合、ユーザーはそのアプリケーションを起動できません。これは、アプリケーションがユーザーに直接割り当てられるか、または継承などによって間接的に割り当てられるかにかかわらず当てはまります。 |
My Desktop を使用すると、ユーザーは Webtop を表示せずにログインしてフルスクリーンのデスクトップを表示できます。
My Desktop を使用するには、My Desktop (cn=My Desktop)
と呼ばれるアプリケーションオブジェクトがユーザーに割り当てられている必要があります。このオブジェクトは、SGD のインストール時に自動的に作成されます。デフォルトでは、このオブジェクトは、SGD
サーバー上で使用可能なデフォルトのデスクトップアプリケーション (Sun Java Desktop
System など) を実行するように設定されています。このオブジェクトは、任意のアプリケーションを実行するように再設定できますが、全画面デスクトップアプリケーションで最適に動作します。ユーザーが別のデスクトップアプリケーションを必要としている場合は、必要に応じて追加の
My Desktop オブジェクトを作成することができます。ただし、ユーザーに割り当てる My Desktop アプリケーションは
1 つだけにしてください。
ユーザーは、http://server.example.com/sgd/mydesktop で My Desktop にアクセスします。ここで、server.example.com は SGD サーバーの名前です。この URL (Uniform Resource Locator) を開くと、SGD のログインページが表示されます。ユーザーがログインすると、デスクトップセッションが表示されます。ユーザーが印刷ジョブを一時停止していた場合は、ブラウザウィンドウにメッセージが表示されるので、印刷を再開することができます。ログインしたあとは、ブラウザウィンドウは閉じてもかまいません。
あるいは、ユーザーは、SGD Web サーバーの開始画面 (http://server.example.com) で「My Desktop」リンクをクリックすることもできます。
注 - ユーザーには任意の数のアプリケーションを割り当てることができますが、My Desktop URL からアクセスできるのは My Desktop アプリケーションだけです。 |
SGD Client を統合モードで使用することにより、Webtop を表示せずにアプリケーションまたはフルスクリーンのデスクトップを実行できます。ユーザーが最初のログインを実行して Webtop を表示し、統合モードを設定すると、ユーザーが実行できるアプリケーションがデスクトップの「スタート」メニューまたは「起動」メニューに表示されます。これで、ユーザーは、アプリケーションまたはフルスクリーンのデスクトップセッションの起動時に Webtop を表示する必要がなくなります。詳細については、統合モードを参照してください。
SGD Web サービスを使用して、URL から単一のアプリケーション起動するための、ユーザー独自の「アプリケーション起動ツール」を開発できます。この方法を使用すると、ブックマークやお気に入りからアプリケーションを起動できます。SGD には、SGD Web サービスを使用して何を実現できるかを示すサンプルアプリケーションが用意されています。
SGD のサンプルアプリケーションを使用するための URL は次のとおりです。
http://server.example.com/sgd/launcher.jsp?o=application&u=username&p=password&e=true|false
ここで、server.example.com は SGD サーバーの名前です。
パラメータ | 説明 |
---|---|
o=application | アプリケーションオブジェクトの名前。これは完全修飾名でなくてもかまいません。 |
u=username | SGD へのログインに使用するユーザー名。 |
p=password | SGD へのログインに使用するパスワード。 |
e=true|false | true は、いくつかのアプリケーション属性を上書きできる編集ページを表示することを意味します。false は、編集ページを表示しないことを意味します。 |
たとえば、次の URL は、Administration Console で定義されたアプリケーションオブジェクトの設定を使用して Write-o-Win アプリケーションを起動します。
http://server.example.com/sgd/launcher.jsp?o=Write-o-Win&u=indigo&p=purple&e=false
SGD では、マルチヘッドモニターまたはデュアルヘッドモニターを使用できます。ただし、「ウィンドウタイプ」(--displayusing) が「クライアントウィンドウ管理」に設定されているアプリケーションがある場合は、複数のモニターを使用できるようにアプリケーションとモニターの設定の変更が必要になることがあります。
X アプリケーションオブジェクトの設定も参照してください。
「ウィンドウタイプ」が「クライアントウィンドウ管理」に設定されているアプリケーションで動作するように複数のモニターを設定するには、次の設定手順を実行します。
共有リソースの無効化 を参照してください。
正しいデスクトップサイズの設定を参照してください。
モニターの設定を参照してください。
SGD では、メモリーのオーバーヘッドを削減するために、類似したアプリケーションでリソースを共有できます。複数のモニターを使用して表示するアプリケーションがある場合は、この機能を無効にする必要があります。
Administration Console で、複数のモニターに表示するアプリケーションの「パフォーマンス」タブに移動し、「類似セッション間でリソースを共有」チェックボックスの選択を解除します。
$ tarantella object edit --name obj --share false |
すべてのモニターを表示するために必要なデスクトップ領域を SGD サーバーからクライアントに送信する必要があります。
主モニターのサイズだけでなく、デスクトップ領域全体のサイズがクライアントデバイスに送信されるように SGD サーバーを設定する必要があります。デスクトップ領域全体のサイズを、次の図の「仮想画面」で示しています。
たとえば、図の Monitor 1 のサイズが 1200 x 768、Monitor 2 のサイズが 800 x 600 の場合は、デスクトップサイズは 2000 x 768 に設定する必要があります。
Administration Console で、SGD サーバーの「プロトコルエンジン」→「X」タブに移動します。「クライアントウィンドウのサイズ」の「高さの最大値」および「幅の最大値」フィールドに、仮想画面のサイズをピクセル単位で入力します。
$ tarantella config edit --array \ --xpe-cwm-maxwidth pixels --xpe-cwm-maxheight pixels |
Windows ターミナル サービスを使用していると、Windows デスクトップセッションのパフォーマンスが低下することがあります。この問題は、Windows セッションでアニメーション効果やその他のデスクトップ設定を使用しているために発生します。これらの機能では、画面の頻繁に更新する必要があり、使用される帯域幅が大幅に増加することがあるために、パフォーマンスに影響を与えます。接続速度が低いほど、問題が大きくなります。
SGD ターミナルサービスクライアント (ttatsc) では、これらの機能がデフォルトで有効になっています。
これらの機能は、Windows アプリケーションオブジェクトの「プロトコルの引数」属性 (--protoargs) にある 1 つ以上の -perf disable option コマンド引数を設定することによって無効にすることができます。option には、次のいずれかを指定できます。
オプション | 説明 |
---|---|
wallpaper | デスクトップの壁紙を無効にします。壁紙を無効にすると、デスクトップ上の項目を移動するときに更新されるデータ量を減らすことができます。 |
fullwindowdrag | ウィンドウが移動されるときにその内容を表示するオプションを無効にします。 |
menuanimations | メニューとヒントの切り替え効果を無効にします |
theming | デスクトップテーマを無効にします。 |
cursorshadow | マウスポインタのシャドウを無効にします。 |
cursorsettings | マウスポインタの配色とカスタマイズを無効にします。 |
SGD ターミナルサービスクライアントも参照してください。
ここでは、Java Desktop System で SGD を使用している場合に、ユーザーに最高の操作性を提供するための方法に関するヒントをいくつか示します。
次の方法で、Java Desktop System デスクトップセッションおよびアプリケーションのパフォーマンスを向上させることができます。
Java Desktop System デスクトップセッションまたはアプリケーションでは、X アプリケーションオブジェクトの正しいコマンドパスを指定する必要があります。「アプリケーションコマンド」(--app) 属性を /usr/dt/config/Xsession.jds に設定します。/usr/bin/gnome‐session のパスを使用すると、一部の Java Desktop System 構成パラメータが失われるため、ユーザーの操作性が低下します。
アニメーション効果の表示を改善するために、X アプリケーションオブジェクトのパフォーマンス設定を設定できます。アプリケーションのアニメーションがとびとびに表示される場合を参照してください。
Java Desktop System デスクトップセッションおよびアプリケーションのパフォーマンスは、アニメーション効果やその他のデフォルトのデスクトップ設定によって影響されることがあります。これらの機能では、画面の頻繁に更新する必要があり、使用される帯域幅が大幅に増加することがあるために、パフォーマンスに影響を与えます。接続速度が低いほど、問題が大きくなります。
多くの場合は、次の Java Desktop System デスクトップ機能の一部を無効にするか、または変更することによってパフォーマンスを向上させることができます。
ドキュメントオブジェクトは、任意の URL を参照できます。StarSuite ソフトウェアの文書や Adobe
Acrobat ファイルなど、Web 上のどのようなドキュメントでも参照できます。ドキュメントから
Web アプリケーションを参照することもできます。
URL を実際に取得するのはユーザーの「クライアントデバイス」であるため、ファイアウォールやその他のセキュリティー機能のために、ユーザーがドキュメントにアクセスできなくなる可能性があります。
SGD を使用して、Web アプリケーションにアクセスできます。Web アプリケーションは実際には Web ページ、つまり URL にすぎません。ただし、アクセスするときにユーザー名とパスワードの入力が必要になります。ユーザーに Web アプリケーションへのアクセスを許可するには、Web アプリケーションの URL にリンクしたドキュメントオブジェクトを作成します。
アプリケーションサーバーにアクセスするためのパスワードとは異なり、SGD では Web アプリケーションにアクセスするためのユーザー名とパスワードはキャッシュできません。ただし、ユーザーが再度ログインしなくても Web アプリケーションから SGD にアクセスできるように、Web サーバーの認証を設定できます。詳細については、Web サーバー認証を参照してください。または、SGD ユーザーの認証を Web アプリケーションで行うこともできます。
Web アプリケーションにアクセスする場合は、送信前にすべての通信が SSL を使って暗号化されるように、セキュア (HTTPS) Web サーバーを使用します。
ここでは、「仮想教室」で使用されるようにアプリケーションオブジェクトを設定する方法について説明します。
SGD シャドウイングを使用して仮想教室を作成できます。この場合、教室内の「生徒」は、「先生」が実演するアプリケーションをシャドウイングします。
この状態を実現するには、先生のアプリケーションオブジェクトと教室アプリケーションオブジェクトを作成する必要があります。
最初に先生がアプリケーションを起動し、次に生徒が教室アプリケーションを起動して先生をシャドウイングする必要があります。教室でシャドウイングできるアプリケーションは、Windows アプリケーションまたは X アプリケーションだけです。
先生のアプリケーションを使用できる人物は、一度に 1 人だけです。複数の人物が先生のアプリケーションを起動した場合は、最後に起動されたアプリケーションが教室でシャドウイングされます。このため、先生のアプリケーションは 1 人のユーザーだけに割り当ててください。数人の先生がいる場合は、先生ごとに異なるアプリケーションオブジェクトを作成してください。
教室アプリケーションには、16 ビット以上の発色数が必要です。教室アプリケーションのディスプレイのサイズは、先生のアプリケーション以上のサイズにする必要があります。最良の結果を得るには、教室には independent ウィンドウを使用してください。
先生がアプリケーションを起動すると、その教室でシャドウイングできるアプリケーションに関する情報が SGD サーバーに格納されます。この情報は、アレイの他のメンバーにはコピー「されません」。つまり、教室アプリケーションが先生のアプリケーションと異なる SGD サーバーで起動された場合は、シャドウイングできるアプリケーションに関する情報が使用できないため、教室アプリケーションが失敗します。先生のアプリケーションと教室アプリケーションが確実に同じ SGD サーバーで起動されるように、負荷分散グループを利用することができます。この場合、アプリケーションサーバー「と」 SGD サーバーの負荷分散グループを設定する必要があります。設定しない場合は、1 つの SGD サーバーから成る SGD アレイだけで教室シャドウイングを使用してください。
ユーザーの問題を解決するためのシャドウイングの使用も参照してください。
共通デスクトップ環境 (CDE) アプリケーションに必要な設定は、デスクトップセッションまたは個別のアプリケーションのどちらを実行するかによって異なります。
ssh の接続方法を使用して設定されている CDE デスクトップセッションでは、ユーザーが CDE セッションから終了しようとすると問題が発生する場合があります。CDE セッションがハングアップして、システムから正常にログアウトできなくなることがあります。CDE と SSH の使用を参照してください。
SGD を介して CDE デスクトップセッションを実行するには、次の表に示す設定を使用して X アプリケーションオブジェクトを作成します。
属性 | 設定内容 |
---|---|
アプリケーションコマンド | Xsession アプリケーションのフルパス (たとえば、/usr/dt/bin/Xsession)。 |
起動接続をオープンしたまま保持 | 「有効」チェックボックスを選択します。 |
セッション終了 | リストから「ログインスクリプトの終了」を選択します。 |
ウィンドウタイプ | リストから「キオスク」を選択します。 |
ウィンドウのサイズ | 「ウィンドウに合わせて拡大縮小する」チェックボックスを選択します。 |
CDE フロントパネルからではなく、CDE アプリケーションを直接実行するには、次の表に示す設定を使用して X アプリケーションオブジェクトを作成します。
ssh の接続方法を使用して設定されている CDE デスクトップセッションでは、CDE デスクトップユーザーが CDE セッションから終了しようとすると問題が発生する場合があります。CDE セッションがハングアップして、システムから正常にログアウトできなくなることがあります。
CDE セッションには、TT_ERR_NO_MATCH のエラーメッセージが表示されます。
スーパーユーザー (root) で CDE ホストにログインし、次のコマンドを入力します。
# mkdir /etc/dt # mkdir /etc/dt/config # cp /usr/dt/config/sessionetc /etc/dt/config # cp /usr/dt/config/sessionexit /etc/dt/config # cp /usr/dt/config/sys.dtprofile /etc/dt/config # chgrp bin /etc/dt/config # chmod 555 /etc/dt/config/* # chown bin:bin /etc/dt/config/* |
/etc/dt/config/sessionetc ファイルに次の行を追加します。
if [ "$SSH_TTY" != "" ] then SSHPTTY=echo $SSH_TTY | cut -c6-15 ps -ef | grep -v grep | grep $SSHPTTY | grep Xsession | awk {print $3} > /var/dt/tmp/$DTUSERSESSION/sshd_pid fi |
/etc/dt/config/sessionexit ファイルに次の行を追加します。
if [ -f /var/dt/tmp/$DTUSERSESSION/sshd_pid ] then /bin/kill -HUP /bin/cat /var/dt/tmp/$DTUSERSESSION/sshd_pid /bin/rm /var/dt/tmp/$DTUSERSESSION/sshd_pid fi |
/etc/dt/config/sys.dtprofile ファイルに次の行を追加します。
dtstart_session[0]="/usr/local/bin/ssh-agent /usr/dt/bin/dtsession" |
SGD を使用して、VMS アプリケーションサーバー上の X アプリケーションおよび文字型アプリケーションにアクセスできます。
VMS サーバー上のアプリケーションにアクセスするように SGD を設定するには、次の設定手順を実行する必要があります。
アプリケーションで使用されるログインスクリプトを設定します。
アプリケーションで使用されるログインスクリプトの設定を参照してください。
ログインスクリプト内でのトランスポート変数の設定を参照してください。
X セキュリティーの無効化を参照してください。
X アプリケーションまたは文字型アプリケーションで使用されるログインスクリプトを設定する必要があります。
Administration Console で、設定するアプリケーションオブジェクトの「アプリケーション」→「起動」タブに移動します。「ログインスクリプト」ボックスに、次のいずれかを入力します。
$ tarantella object edit --name obj --login vms.exp | vmsrexec.exp |
デフォルトでは、vms.exp または vmsrexec.exp ログインスクリプトによってトランスポート変数が TCPIP に設定されます。この設定は、UCX (Ultrix Communications Extensions) などの Digital TCP/IP (Transmission Control Protocol/Internet Protocol) スタックを使用するためのものです。
この変数を変更する必要がある場合は、ログインスクリプト内でトランスポート変数の設定を編集します。トランスポート変数は、ログインスクリプト内の次のエントリによって設定されます。
set transport "TCPIP" |
ログインスクリプトは、/opt/tarantella/var/serverresources/expect ディレクトリにあります。
ここでは、アプリケーションで発生する可能性のあるいくつかの一般的な問題と、それらの解決方法について説明します。
ユーザーの問題を解決するためのシャドウイングの使用では、SGD 管理者とユーザーがアプリケーションを同時に表示したり、使用したりするための方法について説明します。
ここで説明するトラブルシューティングのトピックは次のとおりです。
アプリケーション起動時の認証に関する問題のトラブルシューティングを行うには、アプリケーション認証のトラブルシューティングを参照してください。
アプリケーションで問題が発生している場合は、Administration Console を使用してユーザーのアプリケーションセッションを検出したあと、そのセッションを「シャドウイング」することができます。シャドウイングを使用すると、ユーザーと SGD 管理者がアプリケーションを同時に表示したり、使用したりできます。
ユーザーのアプリケーションセッションを検出するには、ユーザープロファイルオブジェクトの「アプリケーションセッション」タブに移動します。または、アプリケーションオブジェクトの「アプリケーションセッション」タブに移動します。これにより、現在そのアプリケーションを実行しているユーザーが一覧表示されます。
「アプリケーションセッションリスト」テーブル内のアプリケーションセッションを選択します。シャドウイングを開始するには、「シャドウイング」ボタンをクリックします。
ユーザーの画面に、セッションのシャドウイングを許可するかどうかを確認するダイアログボックスが表示されます。ユーザーが同意すると、管理者の画面に新しいウィンドウが開き、実行中のアプリケーションが表示されます。管理者とユーザーの双方が、マウスポインタを操作したりアプリケーションを使用したりできます。
ユーザーの問題を解決したら、シャドウイングウィンドウを閉じます。ただし、アプリケーションは終了しないでください。ユーザーの画面に、現在このセッションをだれもシャドウイングしていないことを示すダイアログボックスが表示されます。
「アプリケーションセッション」タブには、セッションが開始された日付と時刻、セッションが中断されているか、現在アクティブ状態であるかなど、その他のアプリケーションセッション情報も表示されます。
シャドウイングできるのは、Windows アプリケーションと X アプリケーションだけです。アプリケーションを中断してはいけません。
ユーザーのアプリケーションセッションで複数のアプリケーションがリソースを共有して使用している場合は、そのセッションをシャドウイングすると、リソースを共有しているすべてのアプリケーションが表示されます。シャドウイングウィンドウのボタンバーを使用すれば、アプリケーションを切り替えることができます。
また、tarantella emulatorsession shadow コマンドを使用して、コマンド行からユーザーのセッションをシャドウイングすることもできます。
低帯域幅の接続でシャドウイングしているときに表示の更新に問題が発生する場合、その解決方法の詳細については、低帯域幅の接続でシャドウイングしているときの表示の更新の問題を参照してください。
ユーザーがリンクをクリックしてもアプリケーションが起動しない場合は、まずアプリケーションオブジェクトの設定を確認します。アプリケーションオブジェクトの設定の確認を参照してください。
それでも問題を解決できない場合は、起動の詳細またはログファイルを調べて、起動のエラーメッセージが記録されていないかどうかを確認します。起動の詳細およびエラーログの確認を参照してください。
ユーザーが SGD にログインできない場合や、アプリケーションを起動できない場合は、次のコマンドを実行することによって SGD サーバーをウォームリスタートします。
# tarantella restart sgd --warm |
Administration Console で、アプリケーションオブジェクトの設定を確認します。
最初に、アプリケーションオブジェクトの「ホストしているアプリケーションサーバー」タブを確認します。アプリケーションを実行するには、少なくとも 1 つのアプリケーションサーバーを指定する必要があります。一覧表示されているアプリケーションサーバーが使用可能であることを確認します。
次に、アプリケーションオブジェクトの「起動」タブを確認します。次の表に示されている属性を確認します。
アプリケーションオブジェクトが正しく設定されている場合は、アプリケーション自体が、すべてのアプリケーションサーバー上で実際に実行されることを確認します。
アプリケーションが起動に失敗すると、SGD では「接続の進捗」ダイアログの詳細領域にエラーメッセージが表示されます。このエラーメッセージは、ユーザーのホームディレクトリ内の SGD Client ログファイル (tcc.txt) に出力されます。
ErrorMessage Script process-id exited with code error-code and signal signal
ErrorMessage と error-code は、問題のトラブルシューティングに使用できます。もっとも一般的なエラーメッセージを次に示します。
エラーメッセージとコードの完全なリスト、およびトラブルシューティング情報については、ログインスクリプトのエラーメッセージを参照してください。
起動の詳細またはログファイルに「Failed to find xauth」または「Attempt to run xauth failed」などのエラーメッセージが表示される場合は、X 認証が有効になっているときにアプリケーションの起動に失敗するを参照してください。
依然として問題を解決できない場合は、ログファイルに出力される情報量を増やすことができます。それには、実行プロトコルエンジンのログフィルタを修正し、さらに「X アプリケーションと文字型アプリケーションについてのみ」、ログインスクリプトでのデバッグを有効にします。
実行プロトコルエンジンのログフィルタを修正するには、次のコマンドを使用します。
$ tarantella config edit \ --tarantella-config-execpeconfig-logfilter \ "execpe/*/*" "pem/*/*" "launchhelper/*/*" |
ログインスクリプトでのデバッグを有効にするには、次のファイルを編集します。
アプリケーションオブジェクトに対して設定されたログインスクリプト。
startdebug 行の先頭からコメント記号 (#) を削除します。
ログインスクリプトは通常、unix.exp、securid.exp、vms.exp、unixclass.exp、pupil.exp のいずれかです。
問題を解決したら、実行プロトコルエンジンのログフィルタをデフォルトの設定にリセットし、さらにログインスクリプトでのロギングを無効にする必要があります。ログフィルタをリセットするには、次のコマンドを使用します。
$ tarantella config edit \ --tarantella-config-execpeconfig-logfilter \ "execpe/*/*error" "pem/*/*error" "launchhelper/*/*error" |
アプリケーションの起動時に ErrApplicationServerTimeout エラーが発生した場合は、通常、ユーザーがログインする前にログインスクリプトがタイムアウトしたことを示しています。
この問題は、ログインスクリプトのタイムアウト時間を増やすことにより解決できます。使用可能なタイムアウト時間の詳細については、ログインスクリプトのタイムアウト時間を参照してください。
タイムアウト時間を変更する場合は、最初に Expect のタイムアウト時間を増やします。アプリケーションの起動が依然として失敗する場合は、いずれかのクライアントタイマーが短すぎる可能性があります。アプリケーションの起動が特に遅い場合は、すべてのクライアントタイマーを増やしてください。
ログインスクリプトのタイムアウト時間を増やすと、アプリケーションの起動に時間がかかります。タイムアウト時間を変更するのは問題が発生している場合だけにし、アプリケーションサーバーの能力に合わせてタイムアウト時間を調整してください。
注 - 実行プロトコルエンジンのタイムアウト時間を除き、どのタイムアウト時間も、Microsoft RDP プロトコルを使用するように設定された Microsoft Windows アプリケーションの実行時には適用されません。 |
アプリケーションの起動時に ErrApplicationServerLoginFailed エラーが発生した場合は、ログインスクリプトがアプリケーションサーバーへのログインに失敗しました。
手動でアプリケーションサーバーにログインできるか確認してください。
手動でログインできる場合、アプリケーションサーバーのシステムプロンプトがログインスクリプトで識別されるか確認してください。この障害の原因としてよくあるのは、一般的でないシステムプロンプトであり、これは次のことが原因で発生する可能性があります。
デフォルトでは、SGD は、アプリケーションサーバー上で英語のシステムプロンプトをサポートしています。管理者は、ほかの言語のシステムプロンプトのサポートを追加できます。詳細については、異なるロケールのユーザーのサポートを参照してください。
標準の SGD ログインスクリプトを使用している場合は、vars.exp ログインスクリプトで定義されているシステムプロンプトを確認してください。
今日のメッセージまたはメニューが原因でログインスクリプトが失敗している場合は、この状況に対処するようにログインスクリプトを設定する必要があります。または、テクニカルサポートに問い合わせてください。
ログインスクリプトでタイムアウトが発生している可能性もあります。起動の詳細またはログファイルに「echo SYNC」が記録されており、システムプロンプトが $、%、#、または > で正常に終了する場合は、vars.exp ログインスクリプト内の timeouts(prelogin) 値を増やしてみてください。詳細については、Expect のタイムアウト時間を参照してください。
Windows アプリケーションまたは X アプリケーションでこの問題が発生する可能性があります。この問題を解決するには、アプリケーションの起動に使用されるネットワーク接続を開いたままにします。
Administration Console で、アプリケーションオブジェクトの「起動」タブにある「起動接続をオープンしたまま保持」チェックボックスを選択します。
$ tarantella object edit --name obj --keepopen true |
アプリケーションが約 2 分後に予期せずにユーザーに表示されなくなる場合は、プロキシサーバーの接続がタイムアウトしている可能性があります。アクティビティーが何も行なわれない接続については、プロキシサーバーが一定時間の経過後にその接続を停止します。
SGD は、接続を開いたままにするために、デフォルトでは 100 秒ごとに keepalive パケットを送信します。アプリケーションが表示されなくなる場合は、接続を開いたままにするために keepalive パケットを送信する頻度を上げることができます。
Administration Console で、アプリケーションオブジェクトの「グローバル設定」→「通信」タブに移動し、「AIP Keepalive の頻度」をデフォルト値より小さい値 (たとえば、60) に設定します。
$ tarantella config edit --sessions-aipkeepalive secs |
Administration Console で、アプリケーションオブジェクトの「起動」タブに移動し、「セッション終了」属性の値を確認します。「表示中のウィンドウがない」が選択されている場合、アプリケーションセッションは、表示中のウィンドウがない状態になった時点で終了します。
Microsoft Windows Terminal Server 上でアプリケーションを実行している場合、アプリケーションを閉じてもセッションが閉じるとは限りません。これは、Windows 対応の SGD 拡張モジュールがまだ実行されているためです。解決策は、特定のシステムプロセスを無視するように SGD 拡張モジュールを設定することで、セッションが閉じるようにすることです。それには、アプリケーションサーバー上で、レジストリ内の HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Tarantella\Enhancement Module for Windows キーの System processes 値を編集します。この値は文字列であり、SGD 拡張モジュールが無視できる .exe バイナリのコンマ区切りリストを含みます。この値を修正し、セッションのクローズ失敗時に実行されていたプロセスをそのリスト内に含める必要があります。それには、クローズに失敗したセッションが存在している間にタスク マネージャーを開き、「プロセス」タブに移動します。実行中のすべての .exe プロセスから成るリストを作成します。ただし、次のプロセスは含めないでください。
ユーザーが単一のアプリケーションセッションを実行している場合、System processes レジストリ設定の編集が完了しても、そのセッションが終了しない可能性があります。セッションが強制終了されるようにするには、HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Tarantella\Enhancement Module for Windows キーの Logoff application sessions 設定を修正し、その DWORD 値を 1 に変更します。
デフォルトの SGD インストールでは、X 認証が有効になっています。X 認証に問題がある場合には、ユーザーはアプリケーションを起動できません。X 認証が原因でアプリケーションの起動に失敗した場合は、アプリケーションの起動の詳細およびログファイルに「Failed to find xauth」または「Attempt to run xauth failed」というメッセージが表示されます。
次のチェックリストを使用して、X 認証の何が原因でアプリケーションの起動に失敗しているのかを判断してください。それでも問題を解決できない場合は、起動の詳細およびエラーログの確認の説明に従ってログファイルを確認してください。
X 認証がアプリケーションサーバーにインストールされていますか。
SGD で X 認証を使用するには、すべてのアプリケーションサーバーに xauth がインストールされている必要があります。
xauth がインストールされていない場合は、xauth をインストールするか、またはすべてのアプリケーションでの X 認証の使用を無効にする必要があります。X 認証を無効にするには、Administration Console の「グローバル設定」→「セキュリティー」タブにある「X ディスプレイの X 認証」チェックボックスの選択を解除します。
SGD は xauth バイナリを見つけることができますか。
アプリケーション起動ダイアログまたはログファイルに「Failed to find xauth」というメッセージが表示される場合は、SGD が xauth バイナリを見つけることができません。デフォルトでは、SGD は次の場所で xauth バイナリを検索します。
xauth バイナリが別の場所にある場合は、その場所を /opt/tarantella/var/serverresources/expect/vars.exp ログインスクリプトに追加する必要があります。「set xauthcmds」で始まる行を探します。
注 - xauth バイナリが 1 か所だけにある場合は、vars.exp ログインスクリプトからほかの場所を削除することによってアプリケーションの起動時間を短縮できます。 |
ユーザーはアプリケーションサーバーに UNIX システムのアカウントを持っていますか。
ユーザーがアプリケーションを起動すると、X プロトコルエンジンプロセスによって Cookie が生成され、アプリケーションサーバー上のそのユーザーのホームディレクトリ内の .Xauthority ファイルに保存されます。Cookie は、ユーザーが X ディスプレイに接続する権限を持っているかどうかを検証するために使用されます。
ユーザーがホームディレクトリを持っていない場合は、ユーザーの .Xauthority ファイルに Cookie を保存できないため、そのユーザーを検証することはできません。
Administration Console の「グローバル設定」→「セキュリティー」タブにある「X ディスプレイの X 認証」チェックボックスの選択を解除します。または、次のコマンドを実行します。
$ tarantella config edit --security-xsecurity 0 |
アプリケーションサーバー上の設定ファイルを編集して、Cookie が一時ディレクトリに保存されるようにします。
アプリケーションサーバー上の /etc/profile ファイルに次の行を追加します。
XAUTHORITY=/tmp/.Xauthority.$LOGNAME export XAUTHORITY |
アプリケーションサーバー上に、次の SSH デーモンの構成ファイル /etc/ssh/sshrc を作成します。
HOME=/tmp XAUTHORITY=$HOME/.Xauthority.$USER export XAUTHORITY if read proto cookie && [ -n "$DISPLAY" ] then if [ echo $DISPLAY | cut -c1-10 = localhost: ] then # X11UseLocalhost=yes echo add unix:echo $DISPLAY | cut -c11- $proto $cookie else # X11UseLocalhost=no echo add $DISPLAY $proto $cookie fi | /usr/openwin/bin/xauth -q - fi |
キオスクウィンドウに表示されるように設定されているアプリケーションを元のディスプレイよりも大きいディスプレイまたは小さいディスプレイで再開した場合、アプリケーションは画面のサイズと正確には一致しなくなります。
この問題を解決するには、SGD でキオスクウィンドウが画面のサイズに合わせて拡大縮小されるようにします。
Administration Console で、アプリケーションオブジェクトの「プレゼンテーション」タブに移動し、「ウィンドウのサイズ」を「ウィンドウに合わせて拡大縮小する」に設定します。
$ tarantella object edit --name obj --scalable true |
アプリケーションオブジェクトのパフォーマンス設定を変更すると、アプリケーションセッションでのアニメーション効果の表示が改善される場合があります。
Administration Console で、アプリケーションオブジェクトの「パフォーマンス」タブに移動し、「コマンドの実行」属性を「順番に」に設定します。「遅延更新」チェックボックスを選択解除します。
$ tarantella object edit --name obj \ --execution inorder --delayed false |
X アプリケーションでフォントの問題がユーザーに発生している場合は、次のことを確認してください。
フォントサイズが間違っている場合
Administration Console で、X アプリケーションオブジェクトの「クライアントデバイス」タブに移動し、「モニターの解像度」属性の値を確認します。アレイ内の各 SGD サーバーの「プロトコルエンジン」→「X」タブを表示し、「モニターの解像度」属性の値を確認します。
「モニターの解像度」属性は、要求元の X アプリケーションに SGD がレポートするモニターの解像度を 1 インチあたりのドット数で指定するために使用されます。使用するフォントサイズを決めるために、一部の X アプリケーションでは、この値が必要となります。
デフォルトの解像度では、X アプリケーションが通常選択するフォントよりもサイズの大きいフォントが選択される場合があります。この現象が生た場合には、小さい値 (たとえば、75) を指定して、解像度を下げてください。
間違ったフォントが表示される場合
Administration Console で、アレイ内の各 SGD サーバーの「プロトコルエンジン」→「X」タブに移動し、「フォントパス」属性が正しいことを確認します。
SGD にはいくつかの X フォントが用意されています。また、ユーザー独自の X フォントを設定することもできます。ユーザー独自の X フォントを使用するように SGD を設定する方法を参照してください。
X アプリケーションを High Color で表示するときに、次のような問題が発生することがあります。
X アプリケーションの実行に失敗し、「Cannot Allocate Enough Color Planes」などのエラーで終了する場合、そのアプリケーションで表示できるカラーが 8 ビットカラーだけに設定されている可能性があります。アプリケーションの表示仕様を確認し、アプリケーションオブジェクトの発色数を調整します。
Administration Console で、アプリケーションオブジェクトの「プレゼンテーション」タブに移動し、「発色数」を「8 ビット - 256 色」に設定します。
$ tarantella object edit --name obj --depth 8 |
16 ビットまたは 24 ビットカラーのアプリケーションの表示に問題がある場合は、アプリケーションオブジェクトのカラー品質を変更します。
Administration Console で、アプリケーションオブジェクトの「パフォーマンス」タブに移動し、「カラー品質」を 16 ビットアプリケーションの場合は 16 ビットに、24 ビットアプリケーションの場合は 24 ビットに設定します。
$ tarantella object edit --name obj --quality 16 | 24 |
帯域幅が重要な場合は、アプリケーションオブジェクトのカラー品質を下げてみてください。
Administration Console で、X アプリケーションオブジェクトの「パフォーマンス」タブに移動し、「カラー品質」を 9 ビットまたは 6 ビットに設定します。
$ tarantella object edit --name obj --quality 9 | 6 |
注 - この設定変更を行なっても、帯域幅が節約されるという絶対的な保証はありません。また、アプリケーションの表示に悪影響を及ぼす可能性もあります。 |
CDE などのデスクトップから、16 ビットまたは 24 ビット High Color の X アプリケーションセッション内で 8 ビットアプリケーションを実行すると、「Cannot find a matching 8-bit PseudoColor visual」などのエラーでアプリケーションが終了することがあります。
この問題を解決するには、X アプリケーションの発色数を変更して、複数の発色数がサポートされるようにします。
Administration Console で、X アプリケーションオブジェクトの「プレゼンテーション」タブに移動し、「発色数」を「16/8 ビット - 数千色」または「24/8 ビット - 数百万色」に設定します。
8 ビットアプリケーションのプライマリ発色数を 8 ビットにする必要がある場合は、「発色数」を「8/16 ビット - 数千色」または「8/24 ビット - 数百万色」に設定します。
$ tarantella object edit --name obj --depth 16/8 | 24/8 |
発色数を変更しても依然としてアプリケーションが終了する場合は、回避方法として、そのアプリケーションの別の X アプリケーションオブジェクトを作成し、発色数を 8 ビットに設定してください。
クライアントウィンドウ管理を使用するように設定されている X アプリケーションの使用時に、ウィンドウが切り取られて表示される場合、ディスプレイの解像度が適切な解像度より高いことが原因です。
この問題を解決するには、X プロトコルエンジンのディスプレイ解像度を高くします。
Administration Console で、アレイ内の各 SGD サーバーの「プロトコルエンジン」→「X」タブに移動し、「クライアントウィンドウのサイズ」の設定を変更します。「高さの最大値」および「幅の最大値」フィールドに、必要とする最高のディスプレイ解像度を入力します。
注 - 「幅の最大値」および「高さの最大値」属性の値を大きくすると、クライアントデバイスおよび SGD サーバー上で「クライアントウィンドウ管理」アプリケーションのために必要なメモリー量が増えます。 |
$ tarantella config edit --array \ --xpe-cwm-maxwidth pixels \ --xpe-cwm-maxwidth pixels |
アプリケーションによっては、Sun ワークステーションの左側のキーパッドからの入力を受け付けるものがあります。クライアントデバイスの Shift キー + ファンクションキーのストロークを使用してこれらのキーをエミュレートするには、カスタムのキーマップファイルを使用する必要があります。
root (スーパーユーザー) で SGD にログインし、xuniversal.txt キーマップファイルのコピーを作成します。このファイルは、SGD サーバーの /opt/tarantella/etc/data/keymaps ディレクトリにあります。このファイルの名前を xsunkey.txt に変更します。
xsunkey.txt ファイル内のファンクションキーの定義を次のように編集します。
112 F1 Cancel NoSymbol NoSymbol 0x3b 113 F2 Redo NoSymbol NoSymbol 0x3c 114 F3 0x1005ff70 NoSymbol NoSymbol 0x3d 115 F4 Undo NoSymbol NoSymbol 0x3e 116 F5 0x1005ff71 NoSymbol NoSymbol 0x3f 117 F6 0x1005ff72 NoSymbol NoSymbol 0x40 118 F7 0x1005ff73 NoSymbol NoSymbol 0x41 119 F8 0x1005ff74 NoSymbol NoSymbol 0x42 120 F9 Find NoSymbol NoSymbol 0x43 121 F10 0x1005ff75 NoSymbol NoSymbol 0x44 122 F11 Help NoSymbol NoSymbol 0x57 |
これにより、クライアントデバイスのファンクションキーが、次の表に示すように Sun ワークステーションのキーにマッピングされます。
ファンクションキー | Sun ワークステーションのキー |
---|---|
Shift-F1 | Stop |
Shift-F2 | Again |
Shift-F3 | Props |
Shift-F4 | Undo |
Shift-F5 | Front |
Shift-F6 | コピー |
Shift-F7 | Open |
Shift-F8 | ペースト |
Shift-F9 | Find |
Shift-F10 | カット |
Shift-F11 | ヘルプ |
アプリケーションを実行するアプリケーションサーバーで、/usr/dt/lib/bindings/xmbind.alias ファイルに次の行を追加します。
"Sun Microsystems, Inc." sun |
Administration Console で、ユーザープロファイルオブジェクトの「クライアントデバイス」タブに移動します。「キーボードマップ」属性の「カスタム値」オプションを選択し、フィールドに xsunkey.txt と入力します。
$ tarantella object edit --name obj --keymap xsunkey.txt |
SGD の使用する X キーボードマップでは、次のように、Sun キーボード上の Meta キーもサポートされています。
199 Meta_L NoSymbol NoSymbol NoSymbol 200 Meta_R NoSymbol NoSymbol NoSymbol |
一部の X アプリケーションでは、Alt または AltGraph キー、および Meta キーの両方が X キーボードマップで使用可能である場合、Meta キーが優先して使用されます。
アプリケーションで使用するキーボードマップファイルを編集します。Meta キーの定義を、次のように置き換えます。
199 NoSymbol NoSymbol NoSymbol NoSymbol 200 NoSymbol NoSymbol NoSymbol NoSymbol |
低帯域幅の接続で SGD に接続しているユーザーをシャドウイングすると、表示の更新の問題が発生することがあります。
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