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TruPulse(トゥルーパルス)360不具合修正交渉状況

    2010428

     メーカーに不具合修正要望を文書で送ったが何の回答も無し。4月21日のメーカーからの電話で現時点でわかっているメーカーの考え方は、

    1. ユーザーが現在所有しているTruPulse 360、360Bについて不具合修正を行う意思がメーカー側に無い。あくまでもマニュアルに回避策が書いてあると主張。
    2. 不具合修正済製品(新製品かは不明)を半年以内程度にはリリースする予定
    3. ユーザーが現在所有しているTruPulse 360、360Bについては将来リリースされる不具合修正済製品と無償交換する意思が現在のところメーカーに無い。

     過去に弊社で販売したレーザー距離計ではファームウェアの書き換えを容易に行えるものもあった。しかし上記1.から考えると、TruPulse 360はパソコンからファームウェアの書き換えを行えないのではないかと思う。それができるなら販売店に指示してファームウェアを書き換えればよいだけである。基板を最初に大量に製造してしまったため、不具合判明後もそれをしばらくは売り続けるという考えであろうか?

     上記1、2、3を踏まえ、弊社では不具合修正はメーカーの責任において行うべきことを引き続き要望していく。



    2010年4月21日

     昨日総販売店ではなくメーカーから直接電話があった。不具合に対する「回避策」について説明があり、議論することとなった。弊社は4月14日の記事でも書いたが、新しい英文マニュアルの「回避策」は回避策でも何でもなく、現場で作業する人たちにはとても受け入れられないものであることを説明した。不具合修正に関わる新しい提案を電話で得ることができなかった。不具合修正への対応は、メーカーのモラルが問われる重要な案件であることを伝えるために文書を送ることとする。
     現状では弊社は「MLモード(対辺測定)については使用しないでください。」という説明しかできない。


    2010年4月14日

     4月14日現在不具合修正については回答無し。メーカー側に即座に不具合を修正できない理由があると想像される。メーカー、総販売店より回答がないため、現状では弊社は「MLモード(対辺測定)について使用しないでください。」という説明しかできない。

     マニュアルが新しくなって以下のような内容が加わった(54ページ)。日本語マニュアルもあるが(翻訳者不明)、用語間違えがひどくここでは説明に使用しない。以下翻訳は弊社。
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    During the Missing Line Routine, AZ calculations are not correct.
    対辺測定モード方位角の計算が正しくない時。

    Consideration;
    考慮すべきこと

    -If the 1st shot is taken North of the 2nd shot, AZ value is calculated correctly. So taking the 1st shot in Quadrant 1, the 2nd shot in quadrant 2, the AZ value is correct. The same thing for the 1st shot in quadrant 4, the 2nd shot in quadrant 3.
    最初の測定(ショット)が2番目の測定の北(の点?)で行われれば、方位角は正しく計算される。最初の測定を下図の四分割図1で行い、次の測定を四分割図2で行った場合、方位角の数値は正しい。最初の測定が四分割図4で、2番目の測定が四分割図3でも同じである。

    -Performing the ML from East to West or West to East, The AZ is calculated correctly.
    対辺測定を東から西または西から東へ行った場合、方位角は正しい。

    -When taking a ML from South to North and the North (2nd shot) has a shorter distance range than the South (1st shot), the AZ calculations are incorrect. The HD, SD, INC & VD are all correct. This is from quadrants 2 to 1 and from 3 to 4. If the 2nd shots distance is longer or the same from the 1st shots, the AZ calculation is correct.
    南から北に対辺測定をおこなうとき、(器械点から)北の点(目標点:ショット2)までの距離が(器械点から)南の点(目標点:ショット1)までの距離より短い場合、不正な方位を表示する。水平距離、斜距離、傾斜角と鉛直距離はすべて正しい。これは四分割図2から四分割図1、四分割図3から四分割図4(への測定)ということである。2番目の測定距離(器械点から2番目の目標点)が1番目の測定距離(器械点から1番目の目標点)より長いか同じ距離であれば方位角計算は正しく行われる。

    -If the AZ value must be known from the South to the North, one should perform the ML function North to South and then apply 180 degrees to the AZ results.

    もし南から北の方位角の数値が必要であれば、北から南に測定してその結果に180°を加える必要がある。

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     弊社は本説明がお客様に誤解を与えるだけと思うが、なぜLTI社が本説明を加えたのか理解できない。上記説明に従ってMLモード(対辺測定)を使用されることをおすすめしない。

    ・上記説明でお客様に「どのような方法で測量すれば対辺測定が正しく行われる」と言っているのであろうか?現場で「今は東から西に測定しているので方位角数値は正しい」とか使い分ける測量者がいるのであろうか?

    ・上記説明は弊社検証とは異なる。東から西に測定して正しく方位角を計算しない不具合がある。メーカーが正しく不具合を理解できていないとしたら、なぜこのように「具体的に」不具合が起きる場合についてひとつひとつ説明しているのであろうか?

    ・「北から南に測定してその結果に180°を加える」というような計算を現場のお客様に強いること自体がおかしい。



    2010年4月5日

     4月5日現在トゥルーパルス 360の早期不具合修正要望については依然回答無し。新年度以降メーカーからの回答に著しく時間を要するようになった。

     米国では昨年早い時期に不具合についての以下の報告書がリリースされていたと、LTI社製品日本総販売店DKSHジャパン株式会社(旧シイベルヘグナー社)より3月31日に連絡があった。本報告書は昨年弊社には届いていないし、3月25日の段階では総販売店も不具合について認識していなかった。日本には開示されていなかったものと思われる。


    Product Bulletin


    Product Bulletinに当該不具合について以下のような記述がある。
    •The Missing Line routine reports an incorrect AZ value when making measurements from South to North, where the distance to the Northern target (Shot2) is less than the distance to the Southern target (Shot1).

    Workaround: Take the shots in the reverse order - North to South - and then add 180 deg. to the resulting AZ value.

    和訳
    「MLモードで南から北に測位する時、(器械点から)北の点(目標点:shot2)までの距離が(器械点から)南の点(目標点:shot1)までの距離より短い場合、不正な方位を表示する。

    回避策:北から南に(逆に)測定し、その方位に180°加えてください。」

     上図のような状態の時にはどの器械点から測定しても不具合を検出すると言っているようである。LTI社のサポートチームは本当にこの文書を一個人ではなく会社の文書として開示したのであろうか?本文書作成者が本当に不具合を正確に把握しているのか疑がわしいと考えざるを得ない内容である。弊社ではこのように器械点の位置により検出される不具合と把握していない。