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内山、初防衛!連続KOで決めた/BOX

2010.5.18 05:02
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内山、初防衛!連続KOで決めた/BOX
グラナドスの顔面に強打を見舞う内山。6回TKO勝ちで初防衛に成功した(ロイター)【フォト】

 WBA世界Sフェザー級タイトルマッチ(17日、さいたまスーパーアリーナ、観衆=6100)王者・内山高志(30)が、挑戦者アンヘル・グラナドス(35)=ベネズエラ=に6回1分42秒、TKO勝ちし、初防衛に成功した。1月の世界奪取に続き、初防衛戦でもKO勝ちし、元WBC世界フェザー級王者・柴田国明、元WBA世界ライト級王者・畑山隆則に続く快挙を達成した。また3月以降、3つのベルトが日本から海外へ流出した嫌な雰囲気を吹き飛ばした。

 「KOダイナマイト」の異名はダテじゃない。6回だ。左ジャブでグラナドスを揺さぶった内山は、全体重をかけてブーメラン気味の右フックを顔面にぶち込んだ。つんのめるように倒れた挑戦者は、片足をリングにつけて立ち上がるのが精いっぱい。レフェリーが試合を止める。王者に、満面の笑みが広がった。

 「負けられないプレッシャーがあったが、逆に力になった。先輩方がいい試合をしていて、自分もやってやろうと思っていた」

 日本ボクシング界に続いた負の連鎖を見事に断ち切った。3月27日にWBC世界フライ級王者・亀田興毅(23)=東日本協会、4月30日にWBC世界バンタム級・長谷川穂積(29)=真正、今月8日にはWBA世界Sフライ級王者・名城信男(28)=六島=が相次いで王座から陥落。3月以降、日本男子の世界王者で勝ったのはWBC・Sバンタム級の西岡利晃(33)=帝拳=だけで、内山に緊張が襲いかかっていた。

 さらに追い打ちをかけたのが、自身よりも12・7センチも背が高い身長1メートル85のグラナドスだ。だが内山には秘策があった。2カ月前から30秒間ひたすらこぎ続ける自転車トレーニングを導入。心肺機能を高めることで、試合中に打ち合いになり心拍数が上がっても、疲れを感じない体を手に入れた。挑戦者はベネズエラの標高2000メートルの山岳地帯で庭師として働き、スタミナには自信を持っていたが、内山は科学的トレで乗り越えた。

 世界奪取時と初防衛ともKO勝ちしたのは、ともに2階級制覇を達成した柴田と畑山に続き、日本人では3人目となる偉業。V2戦では強敵が待ち受ける。暫定王者ホルヘ・ソリス(30)=メキシコ=に加えて、帝拳ジムに所属する元王者ホルヘ・リナレス(24)=ベネズエラ=が候補に挙がる。

 「もっと強くならないと世界に認めてもらえない。強い相手を倒していく」。15戦全勝12KO。その強打をあらためて印象づけ、内山が故郷・埼玉に錦を飾った。(江坂勇始)


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グラナドスの顔面に強打を見舞う内山。6回TKO勝ちで初防衛に成功した(ロイター)
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