国の方針で昨年10月に一般競争入札が実施され、個人が8億2020万円で落札した旧福岡厚生年金スポーツセンター(旧ウェルサンピア福岡、福津市)が21日、民間施設「サンピア福岡」として本格オープンする。
経営するのは、施設名と同じ名前の韓国系企業「サンピア福岡」(柳章美社長)。柳社長と父親の柳永烈会長は韓国人で、落札した個人というのは、この2人という。
2人は韓国でスポーツ用品の輸入・販売業を手掛けているほか、日本と韓国両国で計三つのゴルフ場経営も手掛けているという。
サンピア福岡は原則、各施設をそのまま活用。約16万3500平方メートルの敷地に宿泊施設や屋内外プール、野球場、テニスコートなどを備えるのは従来通りで、うち、21日からは屋内外プールなど一部を除いて、大半が利用可能となる。
同社によると、各利用料金についても原則として、ゴルフ練習場(打ちっ放し)を使用球数制から時間制にするほかは、変更しないという。
柳社長は「これまでと同様に市民開放型施設にしていく。韓国から観光客や修学旅行生の誘致にも力を入れ、スポーツと文化における日韓の交流拠点、友好の施設にしたい」と意気込んでいる。
旧ウェルサンピア福岡の入札については、福津市も地元住民が施設存続を求めたのを受けて6億1800万円で応札したが、落札できなかった。
=2010/05/18付 西日本新聞朝刊=