2010年3月19日 12時55分 更新:3月19日 13時17分
【ブリュッセル福島良典】カタール・ドーハで開催中のワシントン条約締約国会議で大西洋(地中海含む)産クロマグロの禁輸提案が否決されたが、欧州連合(EU)は、修正案の再提出などは行わないと見られ、禁輸案の否決が確定する見通しとなった。
禁輸が否決された第1委員会での決定は25日の全体会合の承認を経て最終決定されるが、モナコは再採決などを求めないとみられる。またEU筋によると、モナコ提案とは別に、禁輸の修正案を提出したEUは、域内27カ国の調整に時間がかかることなどから、再投票要求や修正案の再提出などを見送る構えだ。
EUの行政府・欧州委員会は18日、「失望」を表明する声明を公表した。ポトチュニク(環境担当)、ダマナキ(漁業・海洋担当)の両欧州委員は声明で、国際取引禁止を求めるEU提案が十分な支持を集められなかった採決結果について「会議の結果に失望している。他の締約国の理解を得られなかったことを遺憾に思う」と述べた。
その上で、「行動を起こさなければ、クロマグロが絶滅してしまう深刻な危険がある」と指摘し、漁獲量削減を協議する大西洋マグロ類保存国際委員会(ICCAT)に対して資源管理の責任を果たすよう呼びかけた。