【コラム】「フィクション」を書いたのは誰だ(下)

 米国産牛肉・狂牛病関連記事で、賞までもらった後、家族と共に米国に研修に行った京郷新聞のK記者は、「質問や回答は正確に書いた」と認めながらも、「長い説明だったが、記事にしたのは一部分」と話している。だが、元長官や教授の主張通りなら、インタビューの全文を掲載しない記事は、すべて歪曲(わいきょく)であり、つぎはぎということになる。

 さらに、別の日刊紙の電子版は、本紙が取材した女子高生の話として「朝鮮日報はフィクションを書いた」と報じた。本紙は、この女子高生が「狂牛病の成分は生理用ナプキンや粉ミルクにも入っていると聞いている。使い捨ての紙ナプキンはなるべく使わないで、(洗って繰り返し使える)綿製の布ナプキンに替えようと思う」と言ったと報道した。

 これは、この女子高生が話した言葉通りだ。もし、これが「フィクション」なら、米国産牛肉は危険でないのに、朝鮮日報が危険だと報道したという意味になる。まだ「狂牛病怪談」を信じ、粉ミルクや生理用ナプキンも使わないという女子高生の発言を報道したのが「フィクション」だと決めつけるこうしたメディアは、「狂牛病は危険」とし、恐怖をあおった従来の見解を変えたということだろうか。

 このような人々に比べれば、「戦警(戦闘警察、日本の機動隊)が女性デモ参加者を連行し、性的暴行を加えた」と、うそを書き込んだものの、「自分の書き込みは事実でなかった」「インターネット情報の99%は『ゴミくず』ということを、ネットユーザーはみんな分かっている」と白状した造形芸術家の進歩新党党員(37)のほうがかえって正直者に見える。

 こうしたメディアが自分の過ちを隠すため、どのような政治的攻勢をかけようと、それは彼らの自由だ。ただ、「あなたがたが言った『狂牛病による大災害』はどこにあるのか」という、国民が知りたがっている疑問に対し、答える義務はある。

チェ・ギュミン「狂牛病ろうそくデモ2年」特別取材チーム長

【ニュース特集】米国産牛肉輸入問題

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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