iPS細胞から耳の感覚器
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iPS細胞から耳の感覚器

5月14日 13時37分

体のあらゆる組織や臓器になるとされ、世界中で研究が進められているiPS細胞から音を電気信号に変えて脳に伝える耳の感覚器の一部を世界で初めて作り出すことに、アメリカ・スタンフォード大学の日本人のグループが動物を使った実験で成功しました。

iPS細胞から新たに作り出されたのは、音を電気信号に変え、脳に伝える「有毛細胞」と呼ばれる耳の感覚器の一部です。研究を行ったアメリカ・スタンフォード大学の大島一男講師のグループによりますと、マウスのiPS細胞に神経を成長させる物質などを加えて培養したところ、細胞の表面に髪の毛のような突起が出来ているのが確認され、有毛細胞に特有の遺伝子が働いていることがわかりました。また、この細胞に振動を伝えたところ、電気信号を出すことも確認できたということです。有毛細胞は、耳の内耳と呼ばれる部分にあって、さまざまな高さの音を電気信号に変えていますが、騒音などでいったん傷つくと、再生がしにくく、難聴や体のバランス感覚の障害が続くため、iPS細胞からの再生が期待されていました。