◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2003/01/15】



◇第46回◇
日本外交協会と北朝鮮

 昨年11月29日、東京都の石原知事が記者会見で怒っていた。
「“日本外交協会”から、要らなくなった備蓄米等を 人道支援に有効に活用したいので 分けてもらいたいとの要請があったので、賞味期限切れのアルファ米、乾パン35万食を渡したところ、これが何と北朝鮮に運ばれたというのだ。
外務省の外郭団体 日本外交協会が、この時期に こんなことをするとは 日本外交は滅茶苦茶だ。多分政府も外務省も知らなかったのだろうが、小泉首相にも話をするし、国会でも取り上げてもらいたい…」と。
石原さんの発言は、もっともだと思う。

 これに対し日本外交協会は、反省するどころか、人道支援をすることの どこが悪いのかと開き直っている。
日本外交協会の言い分は次の通りである。
 「北朝鮮の食糧危機にどう対処していくかは、日本外交協会に課せられた重い課題と受け止めている。
今回、祖国の実状に心を痛めた熊谷遊技業協同組合理事長 朴仁作氏 (在日朝鮮人で朝鮮総連埼玉北商工会会長でもある) が同胞支援に立ち上がったことは 十分理解できるし、同協同組合の要請に応えて 援助物資の一部を贈与することにした」と言うのである。
 (朴仁作氏は、日本外交協会から もらった乾パンとアルファ化米40万食、40トン余りを持って、昨年11月26日 万景峰号で北朝鮮に行き、12月5日に帰ってきたと述べている)
 「北朝鮮に対する食糧支援は、政府間交渉とは別次元の人道援助に徹した行為であり、これが日朝交渉に影響を及ぼすとは考えられないし、石原知事の批判は人道問題と政治問題を絡めた発言だ」と決めつけている。
 「日本外交協会は、外務省の認可公益法人ではあるが、外務省からは 補助金はもらっていないし、理事長も外務省からの天下りではない、この意味では外務省の外郭団体ではない。NGOとして活動しているだけだ」と言っている。

 しかし、この時期に外務省の外郭団体と目される団体から 北朝鮮に食糧支援があるということは、日本には まだ北朝鮮を支持する人々が居るんだという誤ったシグナルを相手方に送ることになり、日朝交渉に影響ありと考えねばならないし、何よりも 日本国民の心情を踏みにじった行為として糾弾されるべきだ。
 WFP(世界食糧計画)が進めている北朝鮮への食糧支援について、昨年12月 アメリカが支援中止の方向で検討しているとの報道に対し、北朝鮮政府は人道問題を政治問題化して妨害しているとアメリカを強く非難していたが、日本外交協会の言い分は北朝鮮政府の言い方と全く同じである。
 日本外交協会は、外務省とは関係ない団体だと言っているが、同協会の約6億円の事業収入の大半は外務省からの委託事業からであり、かっては外務省機密費から多額の支援を受けたり、役員には外務省から天下っており、外務省の外郭団体であることは否定できない。

 軍事優先を公然と掲げ、一般大衆を抑圧し続ける金正日独裁政権のもとでは 人々の食糧難や貧困は解消しない。
金正日政権が崩壊し、民主的で国際社会に開かれた国に生まれ変われば、国際支援により食糧難や貧困問題も解消するはずだ。
本当に北朝鮮の人々のことを思うなら、金正日体制の崩壊を目指すべきなのに、日本外交協会の行為は非人道的な金正日独裁政権の延命に力を貸すものと言わざるを得ない。

 また、日本外交協会はこんなことも言っている。
第二次世界大戦後の我が国の食糧難の時に、アメリカやカナダ在住の日系人たちが 米政府に働きかけて「ララ物資」という援助物資を日本に送り届けてくれたことを忘れるな、在日朝鮮人 朴仁作氏が困っている同胞を支援したいというのは、これと同じだから協力するのは当たり前だと言うのである。
 当時日本に対する食糧援助は、アメリカの占領政策の一環でもあったわけだし、戦争に敗れ廃墟と化していた当時の日本と非人道的な金正日独裁国家 北朝鮮とを同一視するとは、まことに幼稚で愚かであり、 この一例を見ても日本外交協会がどんな団体かがよく分かる。


 日本外交協会は、これまで民間機関を装いながら、 国民の目に触れない闇ルートで、朝鮮総連や北朝鮮支援団体を通じて北朝鮮への食糧支援を続けてきた。
 外務省は日本外交協会の実態について徹底的に調査し、法人認可の取消しも含めて厳しい処置をとるべきだ。
これまで日本外交協会の不適切な行為を黙認してきた外務省の責任も問われるべきだろう。(外務省は黙認していたのではなく、同協会に要請していたのではないかとの疑いもある)
 また 各自治体も、手持ちの備蓄非常食等を日本外交協会に提供することは慎むべきだ。(日本外交協会は、これからは東京都から提供されたものは 北朝鮮には送らないと言っている。裏を返せば、他の自治体から提供されたものは、北朝鮮に送るということになる)

 北朝鮮への支援物資は、万景峰(マンギョンボン)号で運ばれている。
万景峰号は、北朝鮮元山港と新潟港を結ぶ不定期貨客船で年間20数回往復している。(現在の万景峰号は1992年建造 9,672トン)
 万景峰号で どんな人物が日朝間を往来し、どんな物資が運ばれているのか、我々には知るよしもない。
どうして北朝鮮側にだけ 日朝間を自由に就航する船舶が認められているのか、日本人には納得できない。
万景峰号の積荷や手荷物検査は極めてずさんで、ほとんどノーチェックに近い状態だという。
万景峰号を利用して 麻薬の密輸、兵器への転用可能な精密機器や電子機器の搬出や外為法に違反する多額の円の持ち出しが行われていると言われている。
 この際 政府は 万景峰号を徹底的に検査し、不法行為を摘発すべきである。
国土交通省は、新潟港が国際港であるため、現行法上 外国船の入港禁止措置はとれないと言うが、必要なら法改正をして 万景峰号の自由な入港制限措置を講ずべきだ。(2003.01.15)

 次回は〔第47回〕「不思議な国 北朝鮮」(2003.02.01)

 【出来事】
  • 1月6日 国際原子力機関(IAEA) 北朝鮮の核開発問題に関する緊急理事会を開催 核関連施設再凍結などを求める決議を全会一致で採択
  • 1月7日 対北朝鮮政策を巡る日米韓3国の局長級協議 共同声明を発表(米国は北朝鮮との対話の用意があることを表明)
  • 1月9日 小泉首相 ロシア公式訪問に出発 10日プーチン露大統領と首脳会談 ハバロフスクに立ち寄り12日帰国
  • 1月10日 北朝鮮政府 NPT(核拡散防止条約)からの脱退を宣言
  • 1月12日 大相撲初場所初日(両国国技館)
  • 1月14日 小泉首相 靖国神社に参拝