「クルーン２世」と言ったのはどこのどいつだ

●１回５安打４失点２被本塁打のオマケつき

　誰が「クルーン２世」などと言ったのか。

　１３日のロッテ戦で八回から登板した新外国人のブーチェック（３１）が大炎上。１回を投げ、５安打４失点２被本塁打とメチャクチャだった。

　昨オフに横浜に入団したこの助っ人右腕、当初は「最速１５４キロの快速球が武器」との触れ込みで、年俸５０００万円。尾花監督はストッパー候補に期待して、「クルーン２世」と言われた。

　しかし、今春のキャンプでは自慢の速球は鳴りを潜め、直球も１３０キロ台がやっと。当時は「まだ日本の野球に慣れていないから」とうそぶいていたものの、その後も球速は上がらないうえに、制球も定まらない。開幕前にあるコーチはこうボヤいていた。

「日本の野球に対応していくために、キャンプやオープン戦がある。自分なりのやり方しかやらない、というのではダメだということを分からないといけない。それを何度も言っているのに、聞く耳を持たないから困るんだよ」

　結局、開幕を二軍で迎えたブーチェックは、ここまでファームで７試合に登板して１勝１セーブの成績。さる３日の広島戦から一軍復帰したが、その日も１回２安打１失点とピリッとしなかった。この日、直球の最速こそ１５０キロを記録したものの、球にはキレがなく、根元と金泰均に軽々とスタンドに運ばれた。

「（本塁打は２発とも）真っすぐの甘い球。もう日本に慣れていないからという言い訳は通用しない。結果を出してもらわないと」

　と、野村投手コーチは渋い顔。こういう投手の存在はチームの士気にも影響する。再度の二軍落ち、いや、帰国も時間の問題か。

（日刊ゲンダイ2010年5月14日掲載）