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日中外相会談:核削減、中国に要求 岡田外相、異例の言及

 【慶州(韓国南東部)吉永康朗】岡田克也外相は15日午後、韓国・慶州(キョンジュ)で中国の楊潔〓外相と会談し、中国の核兵器について「(核拡散防止条約上の)五つの核保有国の中で核兵器を増やしているのは中国だけだ」と批判し、削減を求めた。楊外相は「中国は先制不使用の方針を掲げており、心配はいらない」と反論した。一方、両外相は東シナ海などでのトラブル回避のため日中防衛当局による連絡体制の構築などを目指す方向で一致した。

 中国の核保有で岡田外相は「減らすか、少なくとも現状を維持するよう早く踏み切ってほしい」と要求。楊外相は「中国はいかなる形の核軍拡も行うつもりはない。国家の安全保障に必要な最低レベルの核を保有している」と述べた。

 日本政府が中国の核に言及するのは、昨年4月に中曽根弘文外相(当時)が政策演説で5核保有国の軍縮問題として取り上げたことはあるが、極めて異例。岡田外相は、日中韓3カ国外相会談でも中国の核削減を求めた。

 中国艦隊のヘリが4月8日と同月21日、海上自衛隊の護衛艦に近接飛行した問題では、岡田外相は「極めて危険な行為で、再発防止を考えてもらいたい」と表明。楊外相は「日本側の監視活動が行き過ぎだ」と不満を示した。

 日本が排他的経済水域(EEZ)の境界線に定めている「日中中間線」より日本側で、中国の海洋調査船が今月3日に海上保安庁の測量船を追跡した問題でも、岡田外相は「極めて遺憾で、容認できない」と批判。そのうえで外相は防衛当局間の危機管理メカニズムとして、連絡体制の構築に向けた話し合いを早期に実施するよう提案、楊外相も前向きに検討する姿勢を示した。

毎日新聞 2010年5月16日 東京朝刊

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