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【グラニュース】


闘莉王、判定に猛抗議

2010年5月17日 紙面から

 名古屋グランパスは鹿島の野沢、興梠らにゴールを奪われ4失点の完敗。鹿島は3位に浮上した。磐田はワールドカップ(W杯)日本代表の予備登録メンバー、FW前田が得点するなど川崎を攻守で圧倒した。G大阪は平井が2得点するなど、湘南に逆転勝ち。大宮−広島は両チーム無得点で引き分けた。J1はW杯開催のため、この節で一時中断。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)のため未消化の第11節、残り4試合を7月14日に実施し、リーグ戦が再開する。

◆鹿島4−1名古屋

 たまり続けたフラストレーションが頂点に達した。1−3で迎えた後半42分、相手ファウルを受けた闘莉王が、じだんだを踏みユニホームを脱ぐ。そこへイエローカードが突きつけられる。イライラばかりが募った90分間。試合後も審判への不満をぶちまけずにいられなかった。

 「反則の基準もイエローの出し方も分からない。力負けなら分かるけど、試合を崩されて相手の思うままとなってしまった。オレたちは人生をかけてやっている。その重みを分かってほしい」

 試合の分かれ道は後半8分、失点直前の場面だった。ルーズボールを処理しようとした増川を、マルキーニョスが押し倒したようにも見えた。ボールを奪ったマルキーニョスがそのまま独走し、興梠の勝ち越しゴールにつながった。

 増川自身は「反則どうこうより、完ぺきに体を入れて防ぐことができたはず」と自らを責めたが、前半から不安定な判定に異を唱え続けていた闘莉王は、もはや我慢の限界を超えていた。その2分後、カウンターを仕掛けようとしてマルキーニョスに倒されると、ユニホームをかきむしりつつ、ピッチでのたうち回って怒りを爆発させた。

 ただ、闘志は最後まで空回り。後半34分からストイコビッチ監督の指示で中盤へ上がったが、チームを救った山形戦、仙台戦のような起死回生のプレーは見せられなかった。今季最多3万4098人の大観衆からブーイングを浴び、スタンドからのヤジに応戦する場面もあった。W杯へ弾みをつけるはずの一戦は、今季ワーストの4失点大敗へと暗転した。「残念。せっかくレベルの高いゲームをやっていたのに…」とうなだれた。

 4日間のオフを経て、21日から日本代表合宿が始まるが、「切り替えづらい。明日のことは考えられない。(審判が)夢に出てくるんじゃないの」とショックを隠せない。「勉強して、もう一皮むけた選手になりたい」と声を絞り出すのが精いっぱいだった。 (塚田陽一郎)

 

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