◇夏場所7日目
横綱白鵬と新大関把瑠都がともに全勝を守り、平幕霜鳳が初黒星を喫したため、この2人が勝ちっ放しで首位で並んだ。白鵬は栃ノ心を寄り切り、把瑠都は雅山を押し出した。全勝の2人を1敗で平幕の白馬(27)=陸奥部屋=ら3力士が追う。ほかの大関陣は、琴欧洲が関脇稀勢の里を上手投げで退け、鶴竜を下した日馬富士とともに5勝目。琴光喜も関脇安美錦をはたき込んで4勝目を挙げたが、魁皇は豊ノ島のすくい投げに屈し、3連敗で4勝3敗。
名前のつながりが縁で、熱い応援を送ってくれる日本人のためにも、負けられなかった。白馬は立ち合いで右に変わって立つと、垣添の首を左手で押さえ付けて引き落とし。1敗を守って首位争いに残った。
128キロと体は小さいが、相撲センスは抜群だ。「真っ向勝負で勝つぐらいの地力は、まだついてないと思う。(6勝1敗は)思ってもいない成績で喜んでいます」と、変化での勝利にも胸を張った。
◆28人応援訪れる
この日は長野県白馬村から、太田紘熙(ひろき)村長をはじめ「白馬後援会」の28人が応援に駆けつけた。後援会は村名と同じ名の力士ということで、一昨年から結成の動きがあり昨年10月に正式に発足。白馬も村を訪れ、後援会は東京場所で応援に訪れている。
当初は十両だった白馬が番付を駆け上がるにつれて、村も盛り上がり「10人ぐらいだった会員が、今は約70人いる」と太田村長は話す。モンゴルにいた時から「長野五輪で村の存在は知っていました。(その村が)応援してくれればいいな。うれしいです」と白馬。
村の観光大使や、陸奥部屋の合宿、化粧まわしの贈呈など今後の展開にも夢が広がる。具体的な話はないが「会員がもっと増えて、そういう流れになればいいと期待しています」と太田村長。白馬村といえば、フリースタイルスキー・モーグルの上村愛子が育った地。ゆくゆくは上村と並ぶ「白馬村の顔」になる日が来るかもしれない。
それにはさらなる活躍と知名度アップが必要だ。「まず勝ち越して、2ケタ勝てたら最高。次の目標は三役。三賞も取ってみたい」と、白馬も奮闘を誓った。 (田中一正)
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