宮出しで浅草寺の境内に繰り出す本社神輿=16日午前6時35分、東京都台東区、細川卓撮影
建設中の東京スカイツリーが見える浅草を神輿が練り歩いた=16日午前、東京・浅草、高橋雄大撮影
初夏を彩る東京・浅草の三社祭は最終日の16日、浅草神社から3基の本社神輿(みこし)を担ぎ出す「宮出し」があった。「神輿乗り」を禁じることで復活して2年目。街を練り歩く神輿の周りは見物客でごった返し、下町は夜まで熱気に包まれた。
宮出しは最も盛り上がる行事だが、「神聖な神輿に乗ってはいけない」というルールを破るケースが相次ぎ、2008年に中止になった。09年は「神輿乗り禁止」を神輿同好会や氏子たちが申し合わせて復活し、今年も行われた。
午前6時前、境内とその周辺に担ぎ手約1万人が集結。はっぴ姿の氏子たちは重さ1トンとされる神輿を一斉に担ぎ上げ、「オイサ、オイサ」のかけ声に合わせて境内を進んだ。
主催する浅草神社奉賛会によると、神輿に乗った者はおらず、鈴木秋雄会長(94)は「宮出しが無事に済んでほっとした。ルールを守ってもらえれば、いつまでも神輿が続けられる」と話した。祭り期間3日間の人出は計約160万人に上った。