サッカーW杯:南アフリカってどんな国?

ダーバンの中心街はW杯ムード一色。写真は、韓国や北朝鮮などアジア各国の国旗が掲げられたダーバンの通り。/写真=チャン・ミンソク記者

 「サウボーナ(こんにちは)」

 ダーバンの街を歩くと、ズールー語のあいさつが頻繁に飛び交っている。ダーバンが属するクワズール・ナタール州の「クワズール」は、「ズールーの地」という意味だ。ダーバンは昔からズールー族が支配していた土地だ。サッカーのワールドカップ(W杯)南アフリカ大会で使用される公認球「ジャブラニ」も、ズールー語で「祝う」という意味だ。

 ズールー族支配の名残は、ダーバンのあちこちで見られる。ダーバン国際空港の名称「キング・シャカ」は、かつて南アフリカの大部分を支配したズールー王国の初代国王「シャカ・ズールー」の名前にちなんだものだ。ズールー族は1800年代前半、「キング・シャカ」を中心に周辺部族を征服し、南部アフリカの盟主として君臨した。ダーバンは当時のズールー王国の拠点だった。

 昨年5月、ズールー族出身のジェイコブ・ズマ氏が大統領に当選し、ズールー族は名実共に南アフリカ共和国の主流部族となった。それまで大統領を務めたネルソン・マンデラ氏やタボ・ムベキ氏は、共にライバル部族のコーサ族出身だった。現地で出会ったズールー族のタンベニさんは、「今回のW杯ではズールー族の力を示すことができるだろう」と話した。

 一方、南アフリカに住む約5000人の韓国人同胞は、W杯に出場する韓国代表に大きな期待を寄せている。「こんな遠い国まで来るのだから、韓国代表は1次リーグを突破して決勝トーナメントに勝ち進んでほしい」。1次リーグB組に属する韓国の試合は、ポートエリザベス(ギリシャ戦)、ヨハネスブルク(アルゼンチン戦)、ダーバン(ナイジェリア戦)でそれぞれ1試合ずつ行われる。なお、現地の韓国人の7割以上が、すでに韓国戦のチケットを購入したという。

 だが、現地の韓国人は「1次リーグだけではもったいない」と話す。もし、韓国がB組2位で決勝トーナメントに進出すれば、決勝トーナメント第1戦(A組1位と対戦)がポートエリザベスで行われるため、当地の韓国人の興奮は計り知れない。

 一方、ヨハネスブルク在住の韓国人は、韓国がB組1位で決勝トーナメントに進出することを祈っている。A組2位との決勝トーナメント第1戦がヨハネスブルクで行われるからだ。ちなみにダーバン在住の韓国人も、韓国が準決勝に進出すれば、韓国の試合をダーバンで2回見ることができるだけに、期待は大きい。果たしてその夢はかなうのだろうか。 

ダーバン=チャン・ミンソク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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