北で金鎰喆氏解任、後継世襲に合わせ顔ぶれ刷新か
重大なミスを犯して失脚した可能性も
北朝鮮は14日、自国の最高権力機関である国防委員会委員兼人民武力部(国防省)第1副部長の金鎰喆(キム・イルチョル)次帥(大将の上)について、「すべての職務から解任する」と発表した。
朝鮮中央通信と朝鮮中央放送はこの日、「国防委員会決定第06号に基づき、金鎰喆氏はその年齢(80歳)を考慮し、国防委員と人民武力部第1副部長の職務から解任された」と報じた。北朝鮮が年齢を理由に最高クラスの幹部を解任するのは前例がない。金正日(キム・ジョンイル)総書記が1995年12月、「革命の先輩を尊大することは、革命家の崇高な義理だ」と発言して以来、北朝鮮の元老たちは死ぬまで自らの地位を守ってきた。現在、国防委員会には金鎰喆氏よりも高齢の趙明禄(チョ・ミョンロク)総政治局長(82)、全炳浩(チョン・ビョンホ)軍需担当秘書(84)、李用茂(イ・ヨンム)副委員長(87)らが名を連ねており、昨年8月にソウルを訪問した金己男(キム・ギナム)労働党秘書は83歳だ。
治安政策研究所のユ・ドンリョル研究官は、「北朝鮮が80歳という年齢を明言したことから、世代交代や体制再編の信号弾とみることもできる」と述べた。金総書記の三男ジョンウン氏の後継者就任時期が迫るにつれ、軍、党、政府の元老が第一線から退くことも考えられるというわけだ。朝鮮人民軍の顔ぶれを見ても、イ・ウルソル元帥(89)、イ・ジョンサン次帥(88)、チョン・チャンリョル大将(87)、キム・ギソン大将(84)、ヨ・チュンソク大将(80)など、80歳代が多い。
その一方で、北朝鮮のある消息筋は、「金鎰喆氏は重大なミスを犯して失脚したとみられる」と話しており、これを支持する見方も多い。金鎰喆氏は昨年2月、人民武力部長(長官)から第1副部長に降格されたことに不満を漏らして摘発されたか、あるいは後継者問題を取り巻く内部での勢力争いで敗れた可能性も考えられるとのことだ。海軍司令官出身の金鎰喆氏は1998年に人民武力部長に就任し、2000年の南北国防相会談では韓国を訪問した。
アン・ヨンヒョン記者
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