【社説】小さな香港に韓国より良い大学が多い理由

 13日に発表された「2010年朝鮮日報・QSアジア大学評価」で、香港大が昨年に続きアジア11カ国448校の大学の中で最高評価を得たほか、香港科技大が2位、香港中文大が4位に入った。韓国の大学でアジアの上位10位圏に入ったのは、6位のソウル大だけだった。香港の人口は700万人で韓国の7分の1にすぎないが、大学の競争力では香港が韓国を圧倒した。

 香港政府は教育局傘下の香港大学教育補助金委員会(UGC)が大学8校に財政支援を行っている。徹底した成果主義で支援額に差がつくため、大学は優秀な教授と学生の誘致、教育・研究レベルの向上にしのぎを削る。香港大は教授の56%、学生の31%が外国人だ。世界80カ国余りから集まっている。英語が公用語というメリットを生かし、分野別に世界で最高レベルの教授を迎えている。理工学部の教授の96%は米情報科学研究所(ISI)の論文引用順位で世界の「トップ1%」に入る。同校の徐立之校長は「香港は小さいので生存のためには国際競争でさらに鍛錬することが必要だ」と語った。ソウル大の外国人教授の比率は11%、外国人学生の比率は10.6%だ。

 香港科技大は1991年の発足で、当時の設立準備チームは浦項工科大を訪問し、設立と運営のノウハウを学んでいったが、19年後の現在、香港科技大はアジア2位に浮上し、浦項工科大は14位にとどまっている。香港の大学に集まった最高の研究陣と彼らが育て上げた最高の人材が世界の一流企業、研究施設を引き込んでいる。

 韓国の高校生の四年制大学への進学率は61%で、ドイツ(34%)、日本(46%)よりも高く、世界でも最高レベルだ。専門大学(日本の短大に相当)まで含めると、大学進学率は82%に達する。四年制大学だけで200校を数える。香港に比べ人口は7倍だが、大学の数は25倍もある計算だ。大学らしくない大学がそれだけ多いことを示している。実の入ったもみと空のもみをふるい分け、将来性がある大学には支援を行い、授業料を巻き上げるだけの大学はなくさなければならない。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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