大学評価:バイオ分野トップ30に韓国5校、日本7校(下)

アジアの大学は「バイオ戦争」の真っ最中

 今年2月に薬学部新設の認可を受けた漢陽大学エリカ・キャンパスは最近、大手製薬会社付属研究所の誘致に乗り出すなど、「産・学・研ネットワーク」構想の実現に乗り出した。キャンパス内に外部の研究機関を誘致し、学内の関連学科所属教授たちの研究能力を集中させ、BT(生命工学技術)や新薬開発分野で先手を打ちたい考えだ。

 韓国の各大学での生命科学研究競争の実態は、論文の本数でも確認できる。2004年には7824件だった韓国の生命科学関連の論文数は、09年には1万355件となり、5年で32%も増加した。

 しかし、こうした地道な努力を重ねる一方で、韓国の各大学での生命科学の研究能力がアジアトップになれるかはやはり未知数だ。日本や中国など各国の大学は、以前から生命科学に集中投資を行っている。釜山大学薬学部の李福律教授は、「毎年2回中国に行っているが、その度に数多くの研究成果が発表されている。日本は今も、韓国に比べて20年ほど先を行っている。国際的な研究開発競争で遅れを取らないためには、常に投資や育成を行うことが必要だ」と述べた。

 韓国科学技術企画評価院(KISTEP)によると、2002年にわずか4515億ウォン(約370億円)だった政府によるBT分野への投資額は、08年には1兆7257億ウォン(約1415億400万円)にまで増加し、IT(情報技術)分野での投資額1兆7259億ウォン(約1415億2100万円)とほぼ同額になった。

 同評価院のホン・セホ研究員は、「政府による研究投資など、基礎体力は整えられているが、IT分野でサムスンやLGの電子製品が成功したように、製薬産業レベルでのはっきりとした成果がまだ得られていない。巨額の資金を要する臨床実験の費用を国が負担するなど、BT産業を育成するための支援を大幅に増やす必要がある」と述べた。

大学評価チーム

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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