世界製薬大手、韓国企業と提携の動き(下)

 多国籍製薬会社が中国など新興市場進出に向け協力することを模索しているのが韓国の製薬会社だ。中国の製薬会社は大半が医薬品の原材料生産に特化しており、提携しても現地向け製品の開発に相乗効果が生まれないためだ。

 大宇証券のアナリスト、クォン・ジェヒョン氏は「韓国の製薬市場も毎年10%のペースで成長している上、1990年代以降、(韓国の製薬会社は)中国市場への進出ノウハウも蓄積してきた。ジェネリック医薬品、改良新薬など製品も多彩で、多国籍製薬会社が提携対象として魅力を感じている」と分析した。

世界進出に生かせ

 韓国の製薬会社による研究開発能力も注目を集めている。基礎・臨床分野の人材のレベルが非常に高いにもかかわらず、先進国よりも低いコストで研究開発を進めているためだ。研究開発費の節減は製薬大手各社の最優先課題だ。多国籍製薬会社は低コストの韓国企業と新薬を共同開発し、コスト削減やリスク分散を図ることに大きな関心を抱いている。韓美薬品のイ・グァンスン社長は「糖尿病治療薬の新薬候補物質などについて、多国籍製薬会社との共同開発を検討している」と説明した。LG生命科学、クリスタルジノミクスなども世界の製薬大手と新薬の共同開発で合意したか、交渉を進めている段階だ。

 ゴールデンブリッジ証券のアナリスト、ノ・ギョンチョル氏は「業界首位でも売上高が1兆ウォン(約820億円)に満たない韓国の製薬業界としては、多国籍製薬会社を活用し、世界市場を開拓する道を模索すべきだ」と指摘した。

白承宰(ペク・スンジェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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