世界製薬大手、韓国企業と提携の動き(上)

 製薬業界の専門アナリストは最近、国際的な製薬会社の韓国法人が開いた会議に出席して驚いたという。業界動向などをアドバイスすればよいとばかり考えていたが、実際には弁護士、戦略コンサルタントまで出席し、韓国の製薬会社との提携に向けた突っ込んだ検討が行われた。同アナリストは「具体的な投資構想まで描き、助言を求められた。候補企業の長所、短所まで細かく分析していた」と振り返った。

 多国籍製薬会社は現在、韓国の製薬会社に強い関心を持っている。グラクソ・スミスクライン(GSK)は11日、東亜製薬の株式9.9%を取得すると発表したが、これは序曲にすぎない。

相次ぐ提携

 多国籍製薬会社と韓国の製薬会社による協力が最近目立っている。韓美薬品は同社の高血圧治療薬「アモザルタン」を米メルクを通じて世界20カ国で共同販売する交渉を進めている。今年3月には、大熊製薬がドイツ系のベーリンガーインゲルハイムの一般薬営業、流通を担当することで合意した。韓独薬品は昨年、ワクチンの世界的大手サノフィパスツールと戦略提携した。

 世界の製薬大手が韓国の製薬会社と提携を強化する理由は、新市場の開拓と研究開発が目的だ。世界の製薬大手会社は欧米など先進国市場を中心に成長してきたが、最近は先進国の医薬品市場の伸びが1-3%に鈍化している。業界調査会社のIMSヘルスによれば、先進国の医薬品市場が市場全体に占める比率は現在の80%から低下が続くが、新興市場の比率は現在の11%から2020年には35%まで拡大が見込まれる。特に中国は20年には市場規模248兆ウォン(約20兆円)で世界2位の医薬品市場に浮上する見通しだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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