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    【テーマ】
  • 『シリーズ日本新時代③農業国ニッポンの明日』
    【ゲスト】
  • 山田正彦 農水副大臣
  • 田中満 全国農産物直売所ネットワーク副代表
  • 染谷茂 千葉県指導農業士・アグリプラス代表
    【解説キャスター】
  • 山本周 報道局次長

農業者戸別所得補償制度について

 米、麦、大豆等販売価格が生産費を下回る農作物を対象に、生産に要する費用(全国平均)と販売価格(全国平均)との差額を基本とする交付金を交付する『農業者戸別所得補償制度』。民主党がマニフェストに掲げた目玉政策に関して、山田副大臣は「実は先進国も不足払いがあって、ようやく成り立っているんです」と実情を語る。一方、染谷氏は「補助金を頼ると徹底的に頼ってしまうんですね。国に考えて欲しいのは、10年後20年後しっかりと自立できるということを考えての政策ですね」と語る。それを受け、山田副大臣は「いっぱい小さな補助金が、何百もあるんですよ。我々としてはまず、いっぱいある補助金を一本にまとめて、本当に農業・漁業が自立してできる方向に持っていきたい」と、政策の方向性を述べる。

農産物直売所について

 農協など、既存のものと異なる点について染谷氏は「農家が集まって会社を立ち上げました。道の駅は行政で建物を用意します。それで農家はペナントとしてやりますよね。農協の直売所は、農協が運営建物で販売する。そうではなくて、自分たちが借金をして会社を作る。リスクと責任を持って、熱意を持って販売を行うというのが目的です」と語る。田中氏は「出荷する人々に意欲があるから直売所が成功しているんですね。ですから、出荷者の意欲が出るようにリーダーが考えなきゃいけないんですね。そして“直売所が儲けるのではなく、出荷する農家に還元しなさい”というやり方を教えています。そういう直売所で、さらに出荷している人たちが中心にやっている所は、まず成功しています」と成功の秘訣を語る。

直売以外の自立について

 田中氏は「グリーン・ツーリズム」(都会の人たちが農山漁村地域を訪れ、農業、自然、文化などを通じて体験交流を楽しむ滞在型の余暇活動)や、「農家レストラン」などで自立している農家の実態について語り、その可能性の高さについて説明。染谷氏は「色んなことをやるためには、資金が必要なんですね。これから色々やりたいという農家の支援を政府にお願いしたいですね」と本音を述べる。

農協について

 山本キャスターが農協の仕組み、権利、持っている貯金(83兆7248億円)について、改めて説明。田中氏は「非常に厳しい批判にさらされていると思いますが、他の商業・経済界からの農村・農地への進出を頑として拒み、農業を守ってきたというのは、非常に評価しています。ただし、内部的に見ると、組織が大きくなりすぎてしまい、農家から貯金や保険でお金をかき集めているんです。それを上手に運用できているかというとかなり怪しい…。それから、物流という点から見ると、どうも黒字が出ない。つまり、農協と言う組織は、政治団体としてはものすごく強いんですが、経済団体としてはどうかな…と。農村の人や農家の人に聞くと、まず農協を良く言う人はいないですね」と率直な感想を述べる。

民主党の政策

 山田副大臣は「これまでは、団体を通じて農家へ補助金を給付しておりました。ところが、末端の農家にどれだけのお金が下りているのか分からなかったため、経理帳簿を情報を公開するように訴えてきましたが、『農協も民間団体のため、公開するわけにはいきません』とはねられてきたわけです。しかし、今回我々が与党になって“直接支払いで行きますよ”という方向性までは詰まってきています。これからどうするかは具体的に検討しているところです」と、民主党が行う政策の方向性について明言する。

山田正彦 農水副大臣の提言:『自給率の達成』

 「世界的な食糧危機が必ず来ると思います。そのためにも、あらゆる農産物について、自給率を高める政策を行っていきたいと思います。少なくとも60%はないと大変だと思います」

染谷茂 千葉県指導農業士・アグリプラス代表の提言:『自立と誇り』

 「自分の力で生活できなかったら産業ではないですね。これからの政策において“自立をさせる”ということをしっかりとやっていただきたい。そして、誇りを持って農業をする農家を育てていって欲しいと思います」

田中満 全国農産物直売所ネットワーク副代表の提言:『農村なくして農業なし』

 「農業も非常にピンチですが、農山村に対する危機感を持っています。農山村は、農家の人だけでは成り立たないんです。非農家の人も農村にはいなければならないんです。農業は副業だけれど農村に住んでいる方が生活していける支援をしていただきたい」



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