一般1100円(880円)
大学生〔専修・各種専門学校を含む〕880円(700円)
小・中・高校生、65歳以上550円(440円)
*( )内は20名様以上の団体料金
*未就学児、障害のある方とその介護者1名、教育活動として教師の引率する都内の
小·中·高校生および教師は無料(事前の申請が必要です)
*第3水曜日は65歳以上の方は無料
航空学の発達を思い描いていたロトチェンコは、航空会社のポスターなどもデザインしました。本展ではそれにちなみ、飛行機模様がプリントされた服装(ネクタイ、スカーフも含む)でご来館されたお客様は展覧会観覧料より100円をお引きします。
*他割引との併用はできません。
主 催 : 財団法人東京都歴史文化財団東京都庭園美術館、朝日新聞社、プーシキン美術館、ロシア連邦文化省
後 援 : 外務省、ロシア連邦大使館、ロシア連邦文化協力庁、東京都
協 賛 : 株式会社 大伸社
協 力 : 日本航空
年間協賛 : 戸田建設株式会社、東京ガス株式会社
20世紀初め、芸術革新の機運がヨーロッパのあちこちで起こります。ロシアも例外ではありません。1910年代半ばには、具体的な対象がまったく描かれない、いわゆる「無対象絵画」を制作したカジミール・マレーヴィチ(1878-1935)や、木や鉄やガラスなどの素材を組み合わせ、レリーフ状の作品を制作したウラジーミル・タトリン(1885-1953)の手で、西欧諸国以上に過激な作品が生まれてきます。1917年に勃発したロシア革命は、さらにこの動きに拍車をかけます。ボリシェヴィキによる革命は専制政治を打ち倒し、労働者と農民の手に権力を奪取し、新しい社会を作ろうとするもので、世界中に衝撃を与えました。芸術家たちもそうした時代に呼応するかのように、芸術の革命を目指し、突き進んでいったのです。
かれらは絵画の革新を推し進める一方で、芸術の世界のみに閉じこもることなく、生産の現場とつながり、積極的に社会と関わり、日常生活のなかに芸術を持ち込もうとします。この新たな動向、「構成主義」を担った芸術家こそ、アレクサンドル・ロトチェンコ(1891-1956)とその妻であり、芸術上のパートナーであったワルワーラ・ステパーノワ(1894-1958)でした。かれらが何を見つめ、何を目指し、何を夢見たかを、ロシア国立プーシキン美術館とロトチェンコ・ステパーノワ・アーカイヴ所蔵のふたりの作品170点により紹介します。
本展では、ロトチェンコとステパーノワの作品を絵画、グラフィック(ドローイング・版画)、空間構成、建築、デザイン、演劇、印刷物(本・ポスター)、写真の8つのジャンルにわたってご紹介します。初期から30年代まで、ロトチェンコが華々しく活躍した時代を俯瞰してみると、そこにはロシア・アヴァンギャルドの夢見たものが見えるかもしれません。
ロトチェンコのポスターや雑誌のデザインは、現在の私たちの目から見ても新鮮に映ります。ロトチェンコは、まず制作に必要な要素を最小限に絞りこみ、その要素を元にデザインしました。余分な装飾をはぎとり、メッセージをより効果的に伝えようとする方法は、現在のデザイン技法の基本的な考え方に通じるものがあります。
1917年の革命前後、ロシアでは女性アーティストも活躍しました。ロトチェンコの妻だったステパーノワも構成主義の中心的作家として活躍しました。ステパーノワはプロゾジェーダと呼ばれる「生産服」の様々なバリエーションを150以上もデザインし、また、本の装丁や、視覚詩、雑誌・広告のレイアウト等も手がけました。本展では、初期の立体未来派風の絵画から、「生産服」のデザイン画、ポスターまでステパーノワの作品も多数展示いたします。
アレクサンドル・ロトチェンコ(1891~1956)
ロシア・アヴァンギャルドを代表するアーティスト。サンクトペテルブルグ生まれ。カザン美術学校で学び、1914年モスクワに移ると、タトリンらと共に抽象的な絵画、立体を発表。構成主義を積極的に推し進めた。1921年に絵画を放棄した後、詩人マヤコフスキーと親交を結び、共同でポスターを制作し、グラフィックデザインに新風を吹き込んだ。また、舞台装置、工業デザインなども手掛けた。1924年頃より写真の撮影を始め、ポートレートや風景写真を多数残している。彼の作品は、現在の美術家、デザイナー、建築家、写真家などにも影響を与えている。
ワルワーラ・ステパーノワ(1894~1958)
構成主義を代表する女性アーティスト。リトアニアのコノフ(現カウナス)生まれ。カザン美術学校でロトチェンコと出会い、後に生涯の伴侶となる。1924年モスクワの国立第一織物捺染工場で働き始め、定規やコンパスを用いた幾何学模様のテキスタイルデザインを制作。視覚詩や、舞台、ファッションなどのデザインも手掛けた。1930年代以降は特にグラフィックデザインの分野で活躍した。
演題:「芸術の奇跡とロトチェンコの発明」(仮称)終了いたしました。
日時:4月24日(土)午後2時―午後4時(開場は午後1時30分)
講師:アレクサンドル・ラブレンチフ氏(通訳付)
(本展監修者、ロトチェンコ・ステパーノヴァ・アーカイヴ)
ロトチェンコの孫である同氏が、その創造の秘密に迫ります。
会場:朝日新聞東京本社読者ホール(東京都中央区築地5-3-2)
定員:150名<入場無料>
当館学芸員が1つのテーマに沿って本展の見どころをご紹介します。
5月10日(月):絵画でトーク
5月21日(金):写真でトーク
6月7日(月):デザインでトーク
*いずれも午後3時30分から(40分程度)
会場:展示室内