公開日:2010.05.14
負債総額が原則30億円以上の倒産企業および信用変動企業を掲載。
| (株)プロパスト | [東京] マンション分譲 |
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民事再生法申請 / 負債総額 約554億4700万円
~ジャスダック上場、不動産業では今年最大~
TSR企業コード:29-294792-5
(株)プロパスト(渋谷区恵比寿1-30-1、設立昭和62年12月18日、資本金41億6945万円、津江真行社長、従業員33名)は5月14日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。
申立代理人は鈴木学弁護士、森浩志弁護士(西村あさひ法律事務所、港区赤坂1-12-32、電話03-5562-8500)ほか。
監督委員には土岐敦司弁護士(成和明哲法律事務所、港区虎ノ門4-3-1、電話03-5408-6160)が選任された。
負債総額は約554億4700万円。
上場企業の倒産は今年に入って(株)日本航空(1月19日、会社更生法、負債総額6715億7800万円)、(株)コマーシャル・アールイー(5月6日、民事再生、負債総額155億6000万円)に次ぐ3社目。不動産会社の負債総額では今年最大。
同社は不動産鑑定、コンサルティングを目的として昭和62年12月に(株)フォレストアイとして設立。平成4年1月にマンションディベロッパーに事業転換するとともに、社名を(株)プロパストに変更。デザイナーズマンションの自社分譲を手がけ、シリーズ展開はせず、マンション名称を一つ一つ違う名称とし、棟別の特性を活かした物件販売で同業との差別化を図り、業容を拡大してきた。平成18年12月にはジャスダック上場を果たし、連結子会社16社、持分法適用関連会社2社とともにグループを形成。最近では東京建物、伊藤忠都市開発との共同で江東区有明に大型分譲マンション「ブリリアマーレ」の販売などを手がけていたほか、従来の分譲に加え、SPCへの一棟販売も行い、業績は毎期伸張基調で推移。平成20年5月期には売上高1021億5800万円を計上し、最終利益も110億8000万円を計上した。
しかし、平成21年5月期に入ってからは不動産市況の急激な悪化に伴い、売却が予定通り進まず売上高は916億900万円に落ち込み、また都心部地価の大幅な下落による棚卸資産の評価損計上により最終利益は268億5900万円の損失を計上し、債務超過に転落した。
平成22年5月期に入っても市況は改善せず、1月、2月には東京都及び東京国税局に販売用不動産及び預金口座が差し押さえられ、このため3月5日から社員24名を対象に15日間一時帰休を実施(3月23日終了)。このような状況において事業の継続が困難な状況となったことから、今回の措置となった。
なお、同社は日本で初めてジャスダックにおける上場廃止基準の特例規定に従って、上場維持しながら民事再生による再生を図るとしている。
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