山陽自動車道の上り「御立トンネル」入り口付近で4日にあった玉突き事故は、5人が死傷する惨事になった。私は当日、負傷者の運ばれた姫路市内の病院で取材に当たったが、少ない情報にイライラするばかりで、時間だけが過ぎた。日も暮れたころ、病院から出てきた消防署員からやっと負傷者が元気なことや避難した様子を聞くことができ、ホッとしたものだ。
実家の高松市に帰省する際、山陽自動車道を利用する私にとってこの事故は人ごとではなかった。山陽自動車道の兵庫、岡山県内は特にトンネルが多いからだ。
高速道路は信号機がない分、スピードを出しがちだ。ちょっと油断すると、前の車が目前に迫ってトンネル内で慌ててブレーキを踏んだことも何度かあった。「出すなスピード」「守れ車間距離」を改めて実感した1日だった。【小泉邦夫】
〔播磨・姫路版〕
毎日新聞 2010年5月16日 地方版