県内の救急医療の現状について市民に理解してもらおうと「県救急医療フォーラム」が15日、奈良市内であった。県医師会などが主催し、医師や一般市民ら約250人が参加し、熱心に聴き入った。
「奈良県の救急医療の現状」と題したパネルディスカッションでは、県医師会の塩見俊次会長が「何でも相談できるかかりつけ医を持つことが大切」とアドバイス。「診療所同士、診療所と病院は情報を持ち合っている。安易に救急車を呼ぶのをやめて、かかりつけ医に連絡して、適切な指示を受けた方がいい」と勧めた。
武末文男・県医療政策部長は救急搬送体制について「救急車が患者を医療機関に搬送するまでの時間だけでなく、患者が病気を発症してから治療を受けるまで全体的に評価することが必要だ。搬送時間の長短だけで判断せず、受け入れ可能な医療機関のリストを作り、リストに基づいて客観的な搬送ルールを作ることが必要だ」と述べた。【高瀬浩平】
毎日新聞 2010年5月16日 地方版