真っ白な顔で苦笑する小池=ナゴヤドームで(榎戸直紀撮影)
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強い! 中日が交流戦の3連勝をサヨナラで決めた。15日のオリックス戦(ナゴヤドーム)は1点を追う9回、先制弾を放っていたブランコが同点の適時二塁打。続く好機に、途中出場の小池が30歳の誕生日を自ら祝う投手強襲のサヨナラ打だ。例年の中日なら交流戦は勝ったり負けたりだが、今年はひと味違う。常勝の予感…。初優勝に向かって突っ走れ!
痛くて顔がゆがんだ。でも、笑いが止まらない。「目、メッチャ痛かったっす」。お立ち台でしゃべっていた小池の顔が突然真っ白になった。顔面に、ベシャッと何かが覆った。シェービングクリーム製の即席“誕生ケーキ”だった。
この日は小池の30歳の誕生日。その祝福のパイ。犯人は谷繁だった。自分も仕掛け人の1人のハズだった。「前からシゲさん(谷繁)と相談してたんです。やりてえな…、って。それをまんまと忘れてました」。サヨナラ打で興奮。そのままヒーローインタビューを受けていた。「全然気付かなかった」。他のメンバーに不意打ちを食らわすつもりだったのに、自分がやられた。
劇的な一打は同点とした9回裏、1死二、三塁。カウント2−1から速球に食らい付いた。「開き直っていきました」。打球はレスターのグラブをはじき中前へ抜けた。
誕生日。過去にはあまりいい思い出がなかった。「ここ最近は試合にも出られなかったですから。ホームランとかも打ったことないし、まさかこんな形になるとは思わなかったですけど」。最高の誕生日になった。
突然の出番だった。和田が負傷退場。6回裏の代走から、そのまま「5番・左翼」の代役に入っていた。外野の競争が激化したこともあり、今年は途中出場ばかり。「代打が多いので、左投手のときとか、展開を見たりして、スイッチを入れたり切ったりしながらなので、精神的にきついところもありますけど、これをきっかけに乗っていきたいです」。30歳になった日に、またひとつ頼もしさを増した。 (生駒泰大)
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