＜中日５−４オリックス＞打った瞬間は「頭が真っ白」で、試合後は顔が真っ白だった。同点に追いついた９回１死二、三塁。ヒーローになったのはこの日、３０歳の誕生日を迎えた小池だった。

　「ここ最近は試合にも出ていなかったし打った記憶もない。嬉しい」。今季６度目のサヨナラ劇は不測の事態が生んだ産物だった。６回に和田が右脇腹痛を悪化させて負傷交代。急きょ、代走での出場となった。そして同点機の７回２死一、二塁では右飛。“ブラックバースデー”になるところだったが総ては舞台を温める演出になった。カウント２ー１からレスターの直球を強振。投手強襲の一打は中前に抜けた。お立ち台では谷繁からクリームパイに見立てたシェービングクリームを顔に押しつけられる祝福。「痛い」と笑いながら喜びを表した。

　対オリックス戦は０８年から連勝を６と伸ばし、交流戦３連勝。貯金は今季最多タイの「５」となった。オレ竜に本来の勢いが出てきた。

試合結果

[ 2010年5月16日付 ]