大阪で偽ブランド「ツルメス」「ツルトン」って!?

2010.01.04


2009年9月に大阪税関が押収した偽ブランド品。摘発を重ねても市場に出回り続ける【拡大】

 焼き肉の街として知られる大阪・鶴橋で、地名をもじった偽ブランド品「ツルメス」や「ツルトン」が横行している。本物に手が届かない層から根強い需要があり、摘発してもしばらくすると販売を再開。大阪府警の幹部は「まるでもぐらたたきや」と漏らす。

 商店街はJR大阪環状線鶴橋駅の東側に広がる。衣料品店や雑貨屋がひしめき合うアーケード街にある幅2メートル、奥行き5メートルほどの小さな雑貨店。一見、ブランド品とおぼしき商品は見当たらないが「いい財布を探している」と告げると、棚で仕切られた奥に通された。

 「このバッグは2万円や。普通なら10万円するで」。次々出てくるのは「エルメス」や「ルイ・ヴィトン」などの偽造品。外から見えない場所に棚があり“ブランドもの”の財布、カバンがずらり。捜査関係者によると、身なりや言動で選別した客だけ奥に通し、摘発を逃れているという。

 別の店では、正規品で10万円ほどのダウンジャケットが1万5000円。コピー商品か尋ねると、店員の女性は周囲を警戒するように小さくうなずいた。「摘発の不安は」と聞くと「このへんの店、みんなやってるから大丈夫。ぱっと見ただけでは分からへんし」。

 商店街にじわり広がる偽ブランド品はどこから来るのか。府警が昨年6月に商標法違反の疑いで逮捕した服飾雑貨店経営の女は「行商のような人が持ってきたのを買った」と供述した。偽造品売買はインターネットが主流だが、鶴橋は古典的な店頭販売。捜査関係者は「複数の人物が入れ替わり持ち込んでくるので流通経路が特定しにくい」と打ち明けた。