【社説】「ろうそく白書」政府の過ちも逐一記せ
韓国政府は2008年の「狂牛病(牛海綿状脳症〈BSE〉)騒動」の発生と進行過程を振り返る「ろうそくデモ報告書」を作るという。
「狂牛病騒動」は1980年代の民主化以降、直接選挙制により生まれた政権で初めて発生した、大規模な憲政の危機だった。これは、国民が投票で選んだ政府の伝統性を認めないという勢力、偽知識人、そして一部の報道機関やインターネットメディアがうそと荒唐無稽(むけい)な論理で国民をあおったものだった。しかし、明らかに、政府のお粗末な事前対処や事後処理が事態をさらに悪化させた面もあった。
まず、政府は韓米首脳会談直前に、なぜあれほど対米交渉を急いで妥結させ、日本など他国が規制していた生後30カ月以上の米国産牛肉輸入にまで合意、デモのきっかけを提供したのかを明らかにしなければならない。
狂牛病騒動はMBCの時事番組『PD手帳』が虚偽・誇張報道で火をつける前から、インターネットなどを通じ、「怪談(俗説・デマ)」の形で既に国民の間に浸透していた。しかし、政府はこれを全く知らなかった。当時のある長官は、『PD手帳』放送直後に急きょ行われた関係長官の合同記者会見について、「政府の準備不足で失敗した」と告白している。一方、狂牛病騒動を主導する勢力は、当初からインターネット上に米政府がBSEを誘発する特定危険物質(SRM)と規定した牛の部位を詳細に表示した解剖図まで掲載、政府より先に国民の注目を集めた。
政府白書は、政府が事前に危機を感知できず、事態収拾でも機を逸したり、騒動を主導した勢力とのPR・論理戦で無残に敗れたりした原因を、朝鮮時代の宰相・柳成竜(ユ・ソンリョン)が記した『懲ひ録』(ちょうひろく、「ひ」は「比」の下に「必」、壬辰倭乱=文禄・慶長の役の記録)のように、逐一記録し、後世への教訓にしなければならない。
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