西日本新聞

種牛避難に1日半 口蹄疫 不手際で目的地を変更 「距離20キロ」移動は60キロ

2010年5月15日 06:37 カテゴリー:社会 九州 > 宮崎

 家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」の感染を避けるため、宮崎県が家畜の移動制限区域から13日に連れ出した県家畜改良事業団(高鍋町)の種牛6頭が“不手際”もあって途中で野営を余儀なくされ、14日夕にやっと避難先に落ち着いた。種牛の移動は「畜産県宮崎の宝を守るために」と県が強く求め、国も特例措置として許可。最短の行程を踏むべきところが、逃避行は少なくとも延長60キロ、1泊2日の「長旅」となった。

 県によると、6頭は13日正午、約40キロ離れた西米良村にある避難先に向けて移動を始めた。県が数カ所の候補地から絞り込み、半径5キロ圏内に畜産農家がないと確認した場所だ。ところが、目的地に近づくうち避難先付近に牛の飼育農家が3戸あることが判明。そのこと自体は問題はないものの、県は大事をとって別の避難先を選ぶことにした。ただ、移動中の6頭を再び事業団に連れ帰るのは「感染防止の観点から危険」と判断し、そのまま同村にいったん移動させた。

 県は約1時間の休憩をとらせた後、新たな避難先に決まった西都市に向かったが、6頭の負担を考え、途中で野営することにした。結局、種牛が西都市にたどり着いたのは14日の夕方になってから。丸1日以上を費やして着いた避難先は、事業団から約20キロしか離れていないところだった。ここは家畜の移動は禁止されていないが、搬出を制限されている区域内という。

 種牛を極めて大切に扱った結果とはいえ、宮崎大の後藤義孝教授(獣医微生物学)は「長距離、長時間移動でウイルスにさらされた可能性もあり、今後も3週間程度は観察が必要だ」と憂慮している。

=2010/05/15付 西日本新聞朝刊=

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