鳩山政権の通信簿

年金・医療

4月15日15時08分更新

051 年金記録と紙台帳全件照合を速やかに開始

達成

コンピューター上の年金記録と紙台帳の記録の全件照合を速やかに開始する。

解説

 鳩山政権が当初予算として初めて編成した10年度予算は3月24日の参院本会議で可決、成立した。公共事業費は過去最大の18・3%減の5兆7731億円に抑制して家計支援に重点的に配分した結果、一般会計総額は92兆2992億円と、2年連続で過去最大を更新した。税収の急減により、新規国債発行額も過去最大の44兆3030億円となった。
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 長妻昭厚生労働相が最も重視する旧式の手書き記録とコンピューター上の記録を照合する予算は、財政難から10年度は概算要求の半額、427億円に圧縮された。手書き記録は重複分を除いても約5億4000万件ある。照合作業には委託も含め年間約1万8000人を動員するが、年間平均の処理件数は1億件程度とみられ、「4年で全件照合」という政府方針は大きく揺らぐ。

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 長妻厚労相は09年12月11日、社会保険庁が管理する国民年金の特殊台帳約3009万件のうち、0・7%に当たる20万7184件でオンライン記録との食い違いが見つかったと発表した。市町村が保管する紙台帳のサンプル調査結果と合わせると、約1億7000万件の国民年金原簿全体のうち、紙台帳に納付記録があるのに正しくコンピューター入力されていない記録が約63万件に上ると推計される。

 特殊台帳には、未納や免除などの特殊な記録のある加入者の記録を社保庁が別枠で管理する約3096万件が記録されている。08年5月から全件照合を始め、9月末までに約3009万件(97%)を完了。20万7184件の不一致はすべて、台帳には納付記録があるのにオンライン上は欠落していた。このうち増額する受給者は6万551人で、年間平均増額は1人平均1万5000円に上る。

 市町村管理の紙台帳は、市町村が控えとして保管していたもの。サンプル抽出した2159件中、7件がオンライン記録と一致しなかった。紙台帳全体に換算すると、約1億4000万件のうち約42万件に不備があることになる。7人のうち5人は受給者。最も多く増額する人は年21万7800円に上った。

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4月18日時点のマニフェスト実行度

進捗 初期 ( 65/178 ) 具体的な検討や議論に着手、予算の要求、当面の期限を区切った実施表明など達成の初期段階にある政策
中期 ( 40/178 ) 法案の策定や提出、予算措置など達成過程の中間段階にある政策
後期 ( 12/178 ) 法案などの審議が継続され達成に向け大詰めを迎えている政策
達成 ( 34/178 ) 法案などが成立したり、実施した政策
違反 ( 2/178 ) 長期間にわたって具体的な検討を見送ったり、実施を断念するなどして公約に明確に違反した政策
未着手 ( 25/178 ) 具体的な検討や論議に入っていない政策。省庁や政党での内部的検討にとどまり、公表や表面化していないなど実行度を評価できない政策も原則として「未着手」に含めた
難易度 修正 ( 28/178 ) マニフェストに限らず公約を修正した政策。喫緊の課題や時期的な明示をしながら当面判断を見送った政策も含む
後退 ( 1/178 ) 修正にとどまらず、公約内容や目標時期を大幅に後退させるなどした政策
難航 ( 2/178 ) 修正などを経てなお政府内や与野党間で行き詰まっている政策など
 
 

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