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口蹄疫:感染の疑い 食べても人体に害ない--宮崎大農学部・後藤教授に聞く /宮崎

 ◇感染拡大食い止めが大切

 宮崎大農学部の後藤義孝教授(家畜微生物学)に、口蹄疫について聞いた。

 --口蹄疫とは?

 ◆口蹄ウイルスによって、ひづめがある牛や豚などの家畜に感染する。非常に感染力が強いのが特徴。ただし人間には感染せず、感染した家畜の乳や肉を食べても人体には害を及ぼさない。

 --症状は?

 ◆感染すると口やひづめに水ほうができて、痛くて物を食べられない、歩けないなどの症状が出る。乳が出なくなったり、発育や繁殖に支障をきたす。致死率は低いが、子牛の場合は死ぬこともある。熱が出る、よだれをたらす、歩き方がおかしいなどの初期症状が出たらすぐに検査を受けること。

 --感染経路は?

 ◆人間の皮膚や衣服、家畜の餌などに付いて運ばれる。風が運ぶという説もあるが、確証はない。

 --感染拡大を防ぐには?

 ◆これ以上病気が広がらないようにすることが何よりも大切。そのためには、農家が消毒などの衛生管理を徹底し、行政の移動制限命令に従うこと。コストを度外視しても、出所がはっきりした安全な餌や器具を使うこと。人がウイルスを運ぶこともあるので、一般の人は好奇心で移動制限区域をのぞいたり、家畜に近寄らないこと。

 --10年前は?

 ◆10年前は、感染拡大を抑えた良いモデルケース。「そこまでやるのか」と一部で不満も出たが、行政が移動制限や衛生指導を徹底して、農家もそれに従った。今回も冷静に初期防疫体制をきちんとやってほしい。

 --10年前の原因は?

 ◆中国や韓国で同じ遺伝子のウイルスが発見されたので、輸入穀物が原因ではないかといわれたが、結局はよくわからなかった。今は犯人探しよりも、感染を食い止めることが大切。

 --今後、どんな影響が懸念される?

 ◆一般の市民にとっては何の害もないので、パニックになる必要はない。ただ感染した家畜は殺処分され、市場も閉鎖されるので畜産家にとっては経済的損失が大きく、畜産県の宮崎にとっては大打撃。国や県には農家への補償をしっかりしてほしい。

毎日新聞 2010年4月21日 地方版

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