高校無償化:国連委、朝鮮学校除外を懸念 差別改善を勧告

2010年3月17日 11時6分 更新:3月17日 12時45分

 【ジュネーブ伊藤智永】国連の人種差別撤廃委員会(事務局・ジュネーブ)は16日、欧州本部で2月下旬に行った対日審査の最終所見を発表した。所見は、朝鮮学校など外国人学校への公的支援における差別待遇が、子供の教育に与える影響に懸念を表明した。

 所見は、日本政府が高校無償化で朝鮮学校を除外するのは人種差別に当たり、人種差別撤廃条約の「教育に関する権利の平等保障義務」に違反していると警告し、改善を勧告したものだ。

 また、日本で朝鮮学校の生徒らに対する嫌がらせや攻撃、インターネットなどを通じた人種差別的な表現が依然として続いていることにも懸念を表明し、政府に善処を促した。

 政府は2年後と定められた次の審査までに、改善状況を報告しなければならない。

 所見はこのほか、アイヌ民族▽在日外国人▽被差別部落▽沖縄などの差別問題を多岐にわたり指摘している。

 同委員会は人種差別撤廃条約を解釈し、各国を監視する最高機関。日本は95年に同条約に加入した。委員は各国の国際法や人権問題の有識者18人で構成され、日本も人選に同意した。規定では、各国は2年ごとに審査を受けるが、日本の審査は9年ぶり2度目だった。

文字サイズ変更
この記事を印刷

PR情報

アーカイブ一覧

 

おすすめ情報

注目ブランド