最近の韓米関係は数年前とは違い、非常にうまくいっている。最高レベルの安保同盟を結ぶ国の間で望ましい現象だ。しかし例外的な懸案がある。それは戦時作戦統制権(戦作権)転換問題をめぐる両国の隔たりだ。金泰栄(キム・テヨン)国防部長官は最近、両国間の約束であるだけにやむを得ないが、「予定通りに転換するのは最悪」と評価した。しかしウォルター・シャープ在韓米軍司令官とリチャード・ローレス米国防副次官補は転換決定を変えるのは韓国にとって利益でないという見解をずっと明らかにしている。このような異見は決して望ましくない。2012年4月の戦作権転換時点までは2年も残っていない。
戦作権問題は韓米関係の核心である安保同盟の性格を決定する懸案だ。このように重大な懸案が決定された時点は両国関係が最悪の時だった。韓国には過度に進歩的な性格の政府が、米国には特に保守性の濃い政権が誕生し、敬遠と疑心を隠さなかった時期だった。戦作権問題の議論が友好的で正常な雰囲気で行われたのではなく、むしろ感情的な部分に左右された側面がなくはない。両国政府が虚心坦懐にすべての状況を検討した末に結論を出すのが不可能だったのだ。あらかじめ「戦作権転換」という結論を下しておき、それに合わせてその後の進行過程をはめ込む形で合意した。結果的に結論の導出過程が不十分だったといえる。
それでも米国政府は非正常的な議論過程の結果をずっと守っている。これは誤りだ。両国間の同盟精神にも、せっかく回復した両国関係の流れにも合わない。少なくとも両国が戦作権転換をめぐるさまざまな争点を見直す再論の過程が必要だ。同じ結論が出るとしても、状況別な対応能力や戦力分析を緻密に再点検するのが正しい。特に海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」事態で敵の挑発意志が新たに確認されたが、韓国軍の戦力には多くの問題点が提起されている。このような状況の変更も再考の要因だ。米国内の多くの専門家もこれに同調している。米政府が傾聴することを願う。