2010年5月13日
TBS系のテレビで日曜午後11時から放送されているドキュメンタリー番組「情熱大陸」が、16日で600回になる。1998年4月の放送開始から12年。様々な分野で活躍する人の素顔に迫り、時代や世相も映し出してきた。
制作は毎日放送。登場人物の知られざる内面にこだわり、普段の仕事ぶりだけでなく、自宅でくつろぐ姿や休日の過ごし方も取材する。30分番組だが、取材に3、4カ月かけるのはふつうで、1年間密着した例もある。
話題のタレントやスポーツ選手を取り上げることが多いが、無名の人物にも光を当ててきた。最近では、ミャンマーで医療ボランティアを行う小児外科医や、各地の自治体で公共事業のコスト削減に取り組むコンサルタントらを紹介した。
視聴率は平均6%前後(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。同じ時間帯の他の番組の10%前後に比べると、決して高くはない。それでも長期にわたって腰を据えた番組づくりができる背景には、放送開始以来、番組を提供する企業が変わっていないことがある。
マツダとともにスポンサーとなってきたアサヒビールの広報担当者は「夢に向かって挑戦する人をじっくりと伝え、企業イメージと一致する。積極的に応援する価値がある」と話す。
16日から2週にわたって、600回記念番組を放送する。取り上げるのは、お笑いコンビの爆笑問題。16日に田中裕二、23日に太田光の素顔に迫る。
12年前に一度紹介しており、当時の映像も交えて爆笑問題の変化を伝える。上野大介プロデューサーは「12年前から大きく変わった爆笑問題を通し、『情熱大陸』が追った時代の変化も見つめ直したい」と話している。(岡田匠)