ジンバブエから北朝鮮に動物のプレゼント

現代版「ノアの方舟」

 英国紙「ガーディアン」が13日付で報じたところによると、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)政権と親密な関係を維持しているジンバブエのロバート・ムガベ大統領が、北朝鮮に大規模な「動物のプレゼント」を送る予定だという。

 同紙は、ジンバブエの動物保護団体の話を引用し、「ムガベ大統領が北朝鮮にプレゼントするため、ジンバブエ西部のワンゲ国立公園で、動物を種類別にそれぞれ一つがいずつ選ぶ作業を行っている。この動物たちを積んでいく北朝鮮行きの飛行機は、現代版“ノアの方舟”といえる」と報じた。正確に何頭なのかは把握されていないが、送られる動物の中には、キリンやシマウマ、ゾウ、サイなどが含まれているという。ジンバブエの国立公園の中で最大規模のワンゲ国立公園は現在、観光客への公開を中止しており、移送される動物たちは検疫手続きを受けている。

 動物保護団体の会員らは、動物たちが北朝鮮へ送られれば、生命の危機にさらされる、と懸念している。北朝鮮の動物園は、アフリカの動物たちが適応できるだけの施設を備えていない、というわけだ。ジンバブエの動物保護団体「Zimbabwe Conservation Task Force」のジョニー・ロドリゲス代表は、ガーディアン紙の取材に対し、「北朝鮮に送られる動物の中でも、特に生後18カ月のゾウのつがいは、母親から引き離されて長距離の飛行に耐えられる確率が極めて低い」と懸念を示した。

 1980年代にムガベ大統領が北朝鮮に送った一つがいのサイは、数カ月もたたないうちに死亡した。

 およそ30年間にわたり政権の座にあるムガベ大統領は、北朝鮮から自国の部隊への軍事訓練や各種武器などの提供を受け、緊密な関係を維持している。

 今年4月には、北朝鮮のサッカー代表チームがジンバブエでキャンプを行う、というニュースが報じられたが、ジンバブエの市民団体は「北朝鮮に訓練されたムガベ大統領の軍隊が、80年代初めに民間人を虐殺した」として強く反発、計画は取り消しとなった。

キム・シンヨン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る